曖昧さ回避
ドラゴンボールGTにおける「トラパン」
とある事情から、究極のドラゴンボール探しのため、トランクスとパンは悟空と共に宇宙を旅することになる。
トランクスは勝気で無鉄砲でわがままなパンに振り回されてため息をついていることが多いが、よく面倒をみており、パンを守ろうとする意志が強い。
一方、パンは地球にいるときから周囲に子供扱いされることに辟易しており、宇宙でも自分を子供扱いし地球に帰らせようとするトランクスに対し反発するシチュエーションが多く、ふたりが衝突しているシーンがよく描かれる。(主に一方的にパンがトランクスにキレている)
なんだかんだとぶつかる凸凹コンビながらも、宇宙での冒険を通じて、年齢や性別を超え仲間としての絆を形成しており、信頼関係で結ばれているふたり。
CPとしての解釈が発生する要因
ふたりは13歳差である歳の差コンビ。GT時点では子供であるパンと大人であるトランクスがどうこうという直接的な恋愛描写はないが、将来的に男女の中に発展するのでは?と思えるような設定や、そのフラグとして描かれているのかと思ってしまえるシーンが非常に多い。
◆キャラクター設定における両者の対比構造
カプセルコーポレーションの若社長でありルックスもよいトランクスは、非常に女の子にモテるが性格がついていかず恋愛が苦手という公式設定。対してパンは10歳でありながら、恋人募集中であり猫をかぶって男の子としょっちゅうデートをしては強過ぎて振られていて、ちゃんとデートをしたことがないことを嘆いているという対照的なキャラクター設定となっている。
また、大人であるトランクスが子供のパンを恋愛的な目線で見ないことは理解しやすいが、恋に憧れ、大人扱いされたいと望んでいるパンが、好条件(強い、イケメン、金持ち、王子)を有する青年であるトランクスに全く食指が働いていないのが逆に興味深い。憧れのお兄さん的なものになりそうなものなのだが……?…
その辺のツッコミ甲斐があるところも、トラパンを楽しむ上での醍醐味であり、将来の関係性の変化に期待してしまう要因でもある。
◆逆転の多い関係性
GTの時点でトランクス23歳、パン10歳の13歳差にもかかわらず、パンがトランクスをリードしたり救出に向かったりすることが多く、年齢のみならず男女の伝統的役割も逆転しているシーンが多く描かれる。
パンはトランクスのことを呼び捨てにしており、あまり歳上として敬意を払っている様子がない。
「どうでもいいけど、せめてトランクスさんとかいってくれない?」とトランクスが懇願するも、
「どうでもいいならトランクスでいいじゃない」とパンに一蹴されており、
冒険当初からはっきりと精神的力関係が決定していた。
サイヤ人的視点からみると、ベジータの息子であるトランクスは王族の血を引く王子であり、パンは下級戦士である悟空の孫なので、圧倒的な身分違いの関係でもあるのだが……女王気質なパンの前に、トランクスは基本的に絶対服従である。
もしこのふたりが将来結婚したら、他のサイヤ人夫婦同様、トランクスが尻に敷かれるであろうことは自明の理である。
◆フラグっぽいシーン
・壁ドン
(GT第3話)
自分を地球に帰らせまいと、宇宙船の鍵を奪ってにげるパンを追いかけるトランクスが、ふいうちでパンに壁ドン(実際には座席ドン)をし鍵の返還を要求するも、パンに鍵を胸元にしまわれて困惑し、なすすべもなく諦めるという、将来的に男女の関係性に発展するのではないかと連想させられるシーンがある。
・パンに過保護なトランクス
(GT第7話、16話、19話など)
トランクスが身を挺してパンを守るシーンが多い。
パンのピンチになると、トランクスは目の前にドラゴンボールがあっても一目散にパンを助けにいく。祖父である悟空がパンは平気だからドラゴンボールを優先しようとしたりするため、両者のコントラストが激しく、トランクスはパンを守る騎士かなにかなのか?感がすごい。
・パンを楽しげにからかうトランクス
(GT第5話、24話、28話など)
日頃振り回されて苦労させられているトランクスだが、パンが隙を見せると嬉々としてからかう描写が随所に挟み込まれている。パンが頬を赤らめるリアクションをするときも。(だいたいはキレられている)
ケンカップル的視点からもたのしめるのではないだろうか。
・押し倒し事故
(GT第41話)
とある理由で大怪我をしたトランクスが、パンの上に倒れ込み、押し倒す体制になるシーンがある。
上述以外にも、特に宇宙探索編においては、そうしたフラグとしても捉えることが可能な2人のやりとりが多数存在するのに加え……
◆Vジャンプの特集記事
放映当時のVジャンプのGT特集記事で、トランクスのキャラクター紹介のなかに、「パンとの♡(ラブ)ストーリーがある?」などという文言が掲載されており、放映当初はそういった展開に発展する構想があった可能性が伺える。
以上のような事柄が、この2人をついカップリングさせたくなる要因となっていると思われる。
また原作とドラゴンボールZ最終話付近(原作518話、519話・Z第289~291話)で、まだ幼いパンと10代のトランクスの絡みがあり、天下一武道会に出場するというパンを、大丈夫かという眼差しでトランクスが凝視していたり、実際大会において控室で交流するなど、パンに対するリアクションはともにその場にいる悟天ではなくトランクスが担っていたりする。パンの試合後に怪我はないかと心配するサタンに、トランクスが「…あるわけねーじゃん」と返していたり……。そういったわずかなやり取りからも、このふたりからほのかに香る将来の可能性を感じたファンは少なくないと思われる。
GT最終回における100年後の描写
パンに孫の孫がおり、ブルマの子孫と天下一武道会で対戦するシーンがあるのだが、その際、パンとCC家の交流がだいぶ昔に絶たれている描写があるため、トランクスとは結ばれなかったと解釈することもできるが、あれだけ縁の深かった孫家とCC家の縁が切れているのは逆に意味深であるとも捉えることができ、想像できる余地は大きい最終回となっている。
新シリーズやゲームにおける展開
新作シリーズの映画やテレビシリーズにおいて、トランクスに公式でCPがつくられるなど、昔からのトラパンファンには厳しい展開となったが、ドラゴンボール自体がいくつもの世界線を持つ特殊なコンテンツであるため、そのうちのどれかではトラパンが成立していてもよいのでは?という姿勢で楽しんでも良いのではないだろうか。
また、スーパードラゴンボールヒーローズ、ドラゴンボールフュージョンズなどのゲームやコミカライズでは、トランクスとパンが共に行動しているシーンがいまだに描かれているため、パートナーとしては相性が良く、旨味のある組み合わせであると公式も認識しているのかもしれない。(あくまで推測だが)
二次創作における扱い
いわゆるおにロリ関係である2人。
トランクスにとってはパンは生まれたときからずっと知っている子であり、パンにとっては物心つく前から知っているお兄さんでるため、年齢差のある幼なじみ関係としても捉えることができる。
ゆえに成長とともに関係性が変化していくのを楽しむ醍醐味のあるふたりであり、パンが美しく成長した暁のふたりの関係性を描いたものが多い。(そうでないものもある)
主にトランクスが成長したパンに対し、己のリビドーに苦悩している描写を好むものが多く見受けられる。
放映から25年もの時間が経っており、厳しい諸事情などがあるなかで、非公式ながらもいまだ根強くファンに愛されるCPである。
関連イラスト
関連タグ
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