概要
スズキが1991年から1998年まで生産・販売していた軽乗用車。FRの2シーターオープンカーで、形式名は「E-EA11R」及び「E-EA21R」 。同時期に発売された軽オープンカーAZ-1/CARA、ビートとともに愛好者の間では「ABC」と呼ばれる。
同じ縦置きエンジンのFRベース4WDであるジムニーのメカニズムを流用し、当時の軽としては過剰なほどの装備を備えており、現在も愛好者の間では高い人気を持つ。ただし、低排気量高回転の軽のエンジンにとってはFRではプロペラシャフトでのトルク損失が大きく、かといって4WDのような高いスタビリティも持たないため、同じエンジンを搭載するMRのAZ-1/CARA、また後に発売されるFFのダイハツコペンが、CARトップ誌恒例の筑波サーキットタイムトライアルでは格上に劣らない数字を示し驚愕の性能を見せ付けたのに比べると、動力性能的には若干かったるいクルマである。
ハードトップのオープンカーであり、アルミ製ルーフは三分割され、リアガラスは格納式となっている。ガラスを起こしルーフをすべて装着したクローズド、ルーフをすべて外しガラスも収納したフルオープン、リアガラスのみのタルガトップ、サイドルーフのみを外したTバールーフにすることが出来る。 室内はオープンカーゆえにボディ強度を保つためかサイドシルも太く、プロペラシャフトが通るセンタートンネルもあるため、非常に狭い。また、トランクスペースも小さく、外したルーフをしまうとほぼ荷物は入らなくなる。
カプチーノはECU交換や書き換え等で馬力等の制限を外す、タービン換装など大きなカスタマイズをすることでハイパワー化させることが比較的容易である。 しかしこれが災いしてハードな走行に供された個体が多く、中古車市場ではビートに比べると程度のよい個体は少なめである(ただし、スズキ車だけあって部品が比較的手に入りやすく、人気があるが故に社外部品も豊富で修理しやすい車種の一つではある)