概要
ブリティッシュスポーツカーの名手ロータスが1957年に発表した傑作、「セブン」。
ライトウェイトのスポーツカーに定評がある同社でも最右翼といって良い存在で、部品点数は極限まで絞られており、レーシングカーもかくやと思わせるスパルタンなパッケージングが特徴。
当時はイギリスの税制の関係から自分で組み立てるキットカーとしても販売されており、また「スーパーセブン」はチューンアップされた高性能エンジンが搭載されたハイエンドモデルとなっていた。
本家は1973年に生産終了したが、ケータハムが生産設備及び販売権を引き継ぎ、生産を続けている。
2014年4月にSUZUKIのK6Aターボエンジン等を積み、一部部品を変更した軽自動車版セブン160が発売された。
幌はついているが、テントを張るより大変な上に幌を張った状態で乗車するのは難しいので、幌はあくまで緊急用。しかもモデルによってはオプション扱いであるフロントスクリーン(フロントガラス)が必要で、付けていなければ取り付けることすら出来ない。
そういった徹底的な軽量化が功を奏し、21世紀の今でも車重500kg台という驚異的な軽さを誇る。
そもそもが軽いので、小型のエンジンでも動力性能は十分、十二分。トップモデルであるセブン620Rに至ってはスーパーチャージャーで武装したフォード製エンジン(310馬力)をぶち込み、パワーウエイトレシオは1.75kg/psを叩き出す。
これがどれだけ凄まじい値かというと、フェラーリ・488GTBが2.04kg/ps、ランボルギーニ・アヴェンタドールが2.25kg/ps、ポルシェ・911ターボS(991型)が3.00kg/ps、日産・GT-R(MY17)が3.10kg/psと、名だたるスーパーカーを置き去りにするレベルである。
更にこうしたスーパーカーと異なり完全オープンで、安全装備も殆ど無いむき出しの状態で、下手なスポーツカーより低い視点で乗るので、そのスリリングさたるや想像を絶するものであろう。
ちなみに余りの視点の低さから、運転席に座ったまま車外に手を伸ばして地面に触れる事が出来、まだ煩く言われなかった時代にはアスファルトで煙草の火を消してそのまま捨てるという事も行われていた。
なお、「セブン」だけでは紛らわしいので、ハイエンドモデルではないモデルであってもスーパーセブンの名で呼ばれることがある。
また、各国のメーカーからこれを模したキットカーが販売されており、「ニア・セブン」の名で呼ばれる(有名なのはオランダのドンカーブート、南アフリカのバーキン辺りか)。
日本には光岡自動車が販売した「ゼロワン」があり(販売終了)、光岡はこの商品によって自動車メーカーの認可を受けた。