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モーリス・マリーナ

とっぷぎあのおちたんとう

1970年代に英国ブリティッシュ・レイランド社で製造されていた乗用車。TopGearのオチ担当。
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概要編集

1971年から1980年にかけ、英国ブリティッシュ・レイランド(BL)社が製造販売していた大衆車


FRの平凡な車で、セダン、クーペ、ワゴンなどのバリエーションがあった。エンジンは1300ccか1800ccで、1800ccにはツインキャブモデルがあった。後に1800ccエンジンは新開発の1700ccに置き換えられた。トランスミッションは4速MTか3速AT


イギリスフォードやGM系ボクスホールに対抗するために急遽企画されたものである。スタイリングは当時としてはごく常識的なもので、英国車らしさは薄い(ぱっと見日本車ドイツ車にも見える)ものの嫌味はなくまとめられていた。しかし、設計から生産までのスケジュールに無理が生じてしまい、多くのメカニズムが旧式コンポーネントで流用で済まされ時代遅れで、それでいて各所に煮詰めの甘さが目立つ問題点の多い車となってしまった。当時のBL車の例にもれず品質問題も抱えていた。こんな車であっても、当時はけっこう売れた車種である。そのため、英国車暗黒時代の象徴として現在も酷評されることが多い(後述)。


1980年には生産を終了しモーリス・イタルに置き換えられたのだが、このイタルも見た目を変えてフロントサスペンションなどに多少の改良が加えられているものの、メカニズム的にはマリーナと変わり映えしない代物であった。


TopGearのオチ担当として編集

TopGearでは、大抵の場合クソ扱いされており、登場しても最後にはなぜか空からピアノが降ってきて壊されるというオチがつく。最初からピアノが載っていたこともある(最期にはやはりピアノが降ってきたが)。

ジェレミー曰く「共産主義に侵されたブリティッシュ・レイランドが作った丸太」(「ツインキャブ」を意味する「TC」を)「トロツキー主義の糞(Trotskyite Crap)」。


あくまでもピアノが落ちてくるのは偶然であり、番組のテストコースの近くにあるピアノ輸送会社「ケアレス航空」がうっかりピアノを落としてしまうから。真下になぜかいつもマリーナが駐車してあり、ピアノが直撃してしまうのである。ただし、コースの外であってもピアノが降ってくる。それがたとえフランスでも。なぜだ。


毎回毎回壊すので、番組にはモーリス・マリーナオーナーズクラブという組織から過激な内容の抗議がやってくるのが日常茶飯事。


なぜクソ扱いされるのか編集

マリーナが代表扱いされているが、実はこの時期の英国自動車産業は暗黒期を迎えていた。


1968年に発足したブリティッシュ・レイランド社。そもそもこの会社、英国にやたらとあった自動車メーカーをむやみやたらに合併させまくった結果誕生したのだが、その結果たくさんのメーカーが一蓮托生状態になってしまうというマイナスの影響が出てしまった。それでもスケールメリットを生かして生産の効率化やコストの削減につなげられれば良かったのだが、単なる寄せ集め状態のBLにそれができるはずもなく、逆に品質が落ちたメーカーすらあったという。


これだけでもかなり酷い内部事情が窺えるのだが、英国政府はBLを国有化して労働者の雇用を守ることはしたものの、経営再建のため積極的に介入しようとはしなかった。こんな状態でありながら、(労働党政権はリストラに消極的なのを見透かして)労働者たちは雇用維持と労働環境改善を要求してストライキを頻発させていたTopGearでも「焚き火をしていた」と皮肉られた。この回ではマリーナにピアノは降ってこない代わりに燃やされるというブラックジョークが炸裂した)。


こんな状況の企業から真っ当な車が生まれるはずもなく、出てきた車はもはや車と呼ぶのもはばかられるレベルの低品質な代物。マリーナもその一つであり、英国自動車産業暗黒時代の象徴として番組ではクソ扱いされて壊されているのである。


ちなみにその後、BLは鉄の女ことマーガレット・サッチャー首相の主導で他にも多数あった死に体状態の国有企業と共にバラバラに解体され、民間に売却されていった。BLの抱えていたブランドも大半が売却され、外資系企業の傘下に入っていった。マリーナが属するモーリスの商標は現在中国の南京汽車が保有しているが、1984年のイタルの販売終了以降は使われていない。


関連項目編集

TopGear ケアレス航空

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