概要
2010年をもって生産を終了したムルシエラゴ(Murcielago)の後継車として開発され、翌2011年3月1日に開催されたジュネーヴショー2011にて正式にその全貌が発表された。会場で披露されたのはオレンジ、ライトグレー、マットホワイトの3色。同年に市販化。日本では2011年9月に発売を開始した。日本での価格は、当初4100万2500円だったが2012年8月1日に4197万3750円と改定された。
フロントやリア周りの意匠は、2007年に公開された限定車レヴェントン(Reventon)と、2008年に公開されたコンセプトカー、エストーク(Estoque)(ランボ製4ドアマシンのコンセプトモデル)と共通性を感じさせるものとなっている。 カーボンファイバーモノコックを採用し、サスペンションはプッシュロッド式、エンジンはムルシエラゴのものを昇華させた新設計の6.5L V12 NAエンジンとなっている。トランスミッションはマニュアルを廃止しセミオート(パドルシフト)のみとなった(メーカーとしても性能向上のためこの車種以降マニュアルは搭載しない考えである)。なお、アヴェンタドールのトランスミッションは一貫してクラッチプレートを1枚のみの搭載としている為、デュアルクラッチ(DCT)と比較して変速時のショックが大きいという特徴がある。
ドライバーが任意で切り替えられる走行モードとして、一般道の走行に適した弱アンダーステアのストラーダ(Strada)、シフトチェンジが楽しくなるスポーツ(Sport)、サーキットを楽しく、かつ本気で走る事が出来るコルサ(Corsa)、後期型の代表格「LP740-4 S」以降にデビューしたモデルはこれに追加して、エンジンやサスペンション周りをドライバーの好みや目的に合わせて細かくセッティングする事が出来るエゴ(Ego)モードが存在する。
車名の由来はスペイン・サラゴサの闘牛場において1993年10月から活躍した雄牛の名にちなんでいる。
モデル(デビュー順)
LP700-4 (2011)
アヴェンタドールのベースグレード。その表記が示す通り、700psの4WD。
ムルシエラゴのページの余談にて触れているが、ムルシエラゴに搭載されていた可動式エアインテークはアヴェンタドール LP700-4にも継承。また、可動式パーツとして最近のスーパーカー、ハイパーカーにはよくある可動式リアウイングを装備する。
LP700-4 Roadster (2012)
LP700-4のロードスターモデル。脱着可能のルーフを備える。車重についてはLP700-4と比較して50kg増量。
J(イオタ) (2012)
顧客の依頼に応えて製作されたモデルで、コースでの走行を念頭にルーフやウインドスクリーンさえも省かれたダイナミックなデザインは、ランボルギーニらしい「過激」と「華麗」を表現したものになっている。
SC18アルストン(SC18 Alston)の様な完全ワンオフモデルだが、SC18は詳細なスペックが明かされているのに対しこのモデルはその詳細が一切非公開というシロモノの為LP○○-○表示が書けない。
ちなみにランボルギーニの中では珍しく吊り下げ式リアウイングを装備する。
このモデルについてはググってもらったりランボルギーニ公式がYouTubeに投稿した動画を見てもらった方が早いのでそちら参照。
LP720-4 50 Anniversario(アニヴェルサリオ) (2013)
ランボルギーニ創業50年を記念してヴェネーノ(Veneno) LP750-4と共にデビューした。世界限定200台の生産。
LP700-4 PIRELLI Edition (2014)
イタリアのタイヤメーカーであるピレリ(PIRELLI)は、ランボルギーニ初のプロトタイプ「350GTV」にピレリがタイヤを供給した1963年以来、パートナーシップを結んでいる。この長年の関係を祝して世界限定200台(クーペ105台、ロードスター95台)が製作された特別モデル。ルーフ、エンジンカバー、ミラー、エアインテークには赤のピンストライプが入れられた。
LP750-4 SV(スーパーヴェローチェ) (2015)
アヴェンタドールの歴史における1つの転換期となったモデル。ランボルギーニお馴染みの上位グレード「SV」の名を冠したモデル。
2015年、ジュネーブモーターショーにて発表。車の納車は2015年の第2四半期に開始され、限定600台の生産は2017年7月に終了。最後の車は特注メタリックシルバーに塗装された。
ちなみに何故「1つの転換期」という表現をしたのかというと、このモデル以降のアヴェンタドールはエアインテークが可動式から固定式になった為である(後述のMiula Homageを除く)。
グランツーリスモではGT7にてこのモデルのアヴェンタドールのエンジンを25周年仕様カウンタックに載せる事が可能となっている。
(男、いや、漢の浪漫を捨てるとは...「おのれディケイドォォォォォ!」)
LP750-4 SV Roadster (2015)
SVのロードスターモデル。クーペモデルが600台生産に対し本モデルは500台の生産。
LP700-4 Miura Homage(ミウラオマージュ) (2016)
2016年開催の「グッドウッドフェスティバルオブスピード(Goodwood Festival of Speed)」にて初お披露目となったモデル。同年で50周年となる、12気筒エンジンミッドシップの始祖「ミウラ(Miura)」へのオマージュ(尊敬・敬意 等の意)として生産。LP700-4をベースに、同社の「Ad Personam」プログラムによるカスタマイズを施した50台の限定車となっている。
LP740-4 S (2016)
アヴェンタドールの新世代モデル。新技術が多く採用されており、エクステリアは大幅に改良されフロントのダウンフォースは130%増加したという。ランボルギーニのシリーズ・モデルとして初めて4輪操舵システムを採用。
SVにて触れたが、本モデルはその転換期の影響をモロに受けており、エアインテークは固定式に。LP700-4ベースのモデルを前期型として見た時、先のSVと本モデル以降にデビューした全てのアヴェンタドールのグレードは後期型とみなす事が出来る。
LP770-4 SVJ(スーパーヴェローチェイオタ) (2018)
SVのさらに上を行くモデルとしてデビュー。900台の生産。
これとは別に、SVJ63なる限定モデルが63台生産された。
ちなみに、トミカの、LP770-4 SVJの初回特別仕様がSVJ63である。
LP770-4 SVJ Roadster (2019)
SVJのロードスターモデル。800台が生産され。SVJ63 Roadsterも同様に63台が生産された。
LP780-4 Ultimae(ウルティメ) (2021)
同社CEOのステファン・ヴィンケルマンにより発表された経営方針計画「コル・タウリ(Cor Tauri)」の中で、2024年までの全車電動化を前に「最後の内燃機関V12モデルを2021~2022年内に発表する」と明言していた。2021年7月3日にティザーイメージが公開され、7月7日に発表された。
ここまで多くのモデルがデビューしたが、そんなアヴェンタドールも「Ultimae」が以てして最後のモデルとなった。生産数は350台。
その数字が示す通り馬力は780ps。アヴェンタドールの中では最強のエンジンを搭載。ビジュアルに関してはSVやSVJの様な派手さは抑えられ、大きめのリアウイングは装備されておらずLP700-4やLP740-4 Sと同様の可動式リアウイングを装備する。
後述のロードスターモデルも含め、発表前にあらかじめ顧客への購入契約が既に完了しており、2021年8月時点で全車が完売となった。
LP780-4 Ultimae Roadster (2021)
LP780-4 Ultimaeのロードスターモデル。250台限定の生産となった。
2022年11月16日、同社は最後のUltimaeをオーナーに引き渡した事を発表した。LP700-4のデビューから実に11年という長い歴史に、遂に終止符が打たれた瞬間である。
2023年3月30日、アヴェンタドールの後継として「レブエルト」(Revuelto)を発表した。詳細は当該記事参照。
関連イラスト
関連記事
- レヴェントン → アヴェンタドールのデザインを決定する上での試作と言えるコンセプトモデル。デザイナーによると「ステルス戦闘機」をイメージしているという。
- エストーク → ランボルギーニとしては非常に数が少ない「4ドア」のコンセプトモデル。どマイナーモデルの為知っている人自体が少ない。
- ヴェネーノ → アヴェンタドールベースの限定モデル。ランボルギーニ創業50周年を記念して1台のみ生産する予定だったのだが...
- チェンテナリオ(センテナリオ) → 同じくアヴェンタドールベースの限定モデル。ランボルギーニの創業者、「フェルッチオ・ランボルギーニ」の生誕100周年を記念して生産された。
外部リンク
Wikipedia:
Lamborghini公式サイト: