概要
「世界の中心」を意味する語で、歴代中国文明が自分達を中心に、周辺のアジアの国々や部族と区別した考え。
今では二つの国(中華民国・中華人民共和国)が国名に用い、文化や料理の名にも使われている。
一方、台湾地区では中華航空(チャイナエアライン)のように国名の略称として(主に大陸出身の外省人の間で)用いられる事もある。
中華思想
中華と言う言葉の源流となった思想。
この中華思想が成立したのは秦代、いわゆる秦の始皇帝の時代に入ってからである。
元々中華とは、中原と四夷と言う二つの概念からなる華夷思想から発生した言葉であり、華夷思想とは中華民族は世界の中心たる中原に住み、中原に住む民族のことを「華夏族」とし、自身らの土地から離れた地域の民族は、「東夷」「西戎」「南蛮」「北狄」という文明の無い野蛮な民族である「四夷」と見做す思想のこと。
しかし、秦の始皇帝によって中国大陸が統一されたとき、この秦は、いわゆる西戎とされる地域の国であり、従来の中原を中心とした思想では当時の人民を治めるのに都合が悪かった。
そこで、華夷思想をより発展させた中華と言う概念を考案し、中原と四夷を合わせて、「自分たちは世界(もしくは宇宙)の中心にいる」といった優越的・自己中心的思想である中華と言う概念を考案することで人民を統治することにした。
ちなみに、華夏族の由来は、中原を支配していた王朝が華族と夏族であったことからこの二つの言葉を合わせたという。