ユナ(くまクマ熊ベアー)
ゆな
CV:河瀬茉希
概要
くまクマ熊ベアーの主人公。15歳の少女で、本名は優奈(フルネームおよび読み方は不明。偽名として「ユーナ」と咄嗟に名乗ったことはあるため、実はこれが本名である可能性もあるが)。
不登校の引きこもり女子だが、ただの引きこもりではなく若き敏腕株トレーダー、所謂ネオニート。既に一生遊んで暮らせるレベルの財産をもつおクマん長者である。
その財力たるや後述のクズ親に300クマん円ポンと小遣いにくれてやる程度の能力。
ある日、毎日遊んでいるVRMMOにてアップデート記念キャンペーンと称したいくつかの不可解な質問の末にくまさんセットなるアイテムを手に入れ、さらには神を名乗る謎の存在の悪戯によって、ゲームの世界にそっくりな異世界へと飛ばされてしまった。
しかしながら後述の家庭環境故に現実世界に未練はなく冒険者として異世界生活を満喫している。
戦闘の都合で普段からクマの着ぐるみ姿からただでさえ奇異の目で見られるが、転移した異世界にデフォルメという概念がないことがそれに拍車をかけており、本人も自覚はしており、当初はこれを着て戦うことに抵抗はあった。
ニートらしくマイペースで大雑把な性格で面倒くさいという理由で目立つのが嫌いだがゲーマー故に悪人や魔物を見かけるとチート性能でまとめて倒してしまう為、結果的に目立ってしまい、ほとんどの人々から初対面の頃はその姿やチート性能に驚かされる。
その一方で知り合った少女フィナを色々面倒を見た上に彼女の母ティルミナの病気を無償で治したり、クリモニアの街の孤児院が補助金を打ち切られ困窮しているのを知ると、無償で食べ物を寄贈しただけでなく、彼らが自活できるようにコケッコウ(この世界のニワトリ)の世話と卵を生産・出荷できるように支援したり (ただし、このことで領主クリフをしばらく誤解していた。実際には部下が横領していた)、クリフの娘のノアールのために、クリフを迎えに行くついでに王都を襲撃しようとした一万の魔物を倒した上に自分が倒したことは伏せさせてもらうように頼んだりと、本人は否定しているが誰か (特に身内や子供) が困っているのを見過ごせない性格で多くの人達を救っている為、慕われている。
特に、フィナやノアをはじめとする年下の同性の子に多く懐かれているが、本人が子供好きなのかは不明だがあまり悪くは思っていない。
さらには、上記の孤児院の件の解決と同時に生息地が離れていることから高級食材だったコケッコウの卵をクリモニアで生産することで一般家庭でも安価に手に入るようにしたり、やはり産地以外では普及していなかったチーズやジャガイモを後述のレストラン経営のために流通させる。クリモニアと山脈で隔てられていたミリーラの街をトンネルで繋げて海産物をはじめとする物流を容易にするなど経済活動にも大いに貢献している。
身も蓋もない言い方をすればア○ナのなにかなかった未来(悪い意味で)。
ユナには商才があったが、王子様はいなかった。
くまクマ熊ベアーとは、そんなユナが居場所を見つける物語である。
能力
現実世界のお金を神様が異世界のお金に換金してくれたこと、くまセットのチート性能、更に元々ゲームをかなりやりこんでいたこともあって特に苦労はしておらず、数々の常識はずれのチート能力からついたあだ名はブラッディベアー。冒険者としてのランクはCで、Aランクに昇格できるチャンスはあったが目立ちたくないとして見送っている。
戦闘では魔法をメインに戦う。ただし、クマをイメージすると効果が上がるというおかしな特徴がある。また、武器の扱いも上手いのだが、素手で十分強いのであまり使わない。
悪く言えばテンプレなろう系主人公だが、かわいい。設定でも黒髪ロングの美少女 (さらに言えば、異世界に来た経緯も「転生」ではなく「転移・召喚」のため、地球にいた頃から美少女だったことになる)。異世界で最初にあったフィナが見惚れてしまうほどで多くの人から褒められるが容姿に自信にないことと本人は鈍感な為、「お世辞」「子供の言うこと」とスルー、髪も伸ばしているわけではなく、床屋へ行くのを面倒くさがって放置した結果らしい。
引きこもり生活が長く家庭環境も後述の通り壊滅的だったため家事全般、特に料理が得意で、異世界でプリンやピザといったジャンクフードを作り出している。ここもテンプレ。
…が、そこは株で一生分の財産を築いた女。その商才を生かし、上記の料理が異世界で評判になったことを受けて自身がオーナーとなってレストラン経営をしている (ほぼ同年代な従業員であるカリンからは「他人を自主的に動かすのが上手い」と経営の才能を非常に評価されている)。
また一時期漫画家になるために絵の勉強をしていたために絵がうまく、デフォルメの概念がないことを利用して「くまさんと少女」という絵本を書いている。
チートの塊のような彼女だが、それらのほとんどはくまさんセットの力によるものであり(新たにスキルを入手しても、セットに付与される。セットなしで使いこなせるのは「異世界言語」と「異世界文字」のみ)、セットが無ければ中身は幼児体系の元ひきこもり少女であるのが唯一にして最大の欠点。そのため、どんなに目立ってもくまさんセットは常に着用している。
(尤も、先述の通り、商才には非常に長けているので悪い輩に目をつけられない限りは、「やり手女社長」のような生き方もできなくはなさそうだが)
なお、くまさんセットなしでは魔法は使えないものの、入浴などの魔石の力を発揮しないといけない日常の場面で困っている描写はないので、彼女自身に魔力がないわけではないと思われる。
ちなみに、なろう系主人公にしては珍しく、同性からやけにモテる代わりに、異性からは恐ろしいぐらいにモテない。
服装
先述の通り、くまさんセットなしではほぼ無力に等しいため、常に着ぐるみ+パペット&クマ靴を着用している。また着ぐるみの頭部はフルフェイスではなくフードタイプになっているが、視界の妨げにならないどころかフード越しでないと使えないスキルもあることや自分の顔への自信なさなどから深々と被って顔を隠すことが多い (書籍版最初の挿絵では口元しか見えない状態が描かれていたが、それ以降の挿絵やコミカライズおよびアニメ版では顔が隠れない程度の被り方しか描かれていない)。
また、着ぐるみの中はどんなに汚れても汚れず、汗や匂いも付かない「クマの下着」を着ているのだが、パンツにはクマがプリントしてあるクマさんパンツであり、これを見られることを何よりも恐れている(同性であっても)。
作中では、パーティーや海水浴などのどうしようもない場面でドレスや水着などのTPOを弁えた格好をしたことはある。
以上のように、非常事態以外は服装に無頓着なため劇中でファッションセンスを問われる場面では絶望的に自信ない様を露にする (ただし本人に自信がないだけで、実際には彼女がデザインした水着が好評だったりもする)。
なお、異世界に来る前、現世での引きこもり時代の描写ではパーカーにショートパンツという格好をしていた。
また、VRMMOのアバターは銀髪ツインテールで身長もちょっとだけ高めにしていた。
家庭環境
実家は会社経営をしており彼女もお嬢様なのだが、父親は三兄弟の末っ子で出来の悪いドラ息子、母はそんな男に玉の輿当で近づいてきたという屑親。上記の通り、実の娘に恥ずかしげもなく百万単位の小遣いを貰っていることからも推して知るべし。そんな両親に「とりあえず一人は作っておこう」といったノリで産み落とされ、親戚から親ごと疎まれてきた過去を持つ。
幸い、会社のCEOたる父方の祖父が唯一味方してくれたことで、彼の家で肩身の狭い思いをすることなく生活している。
とはいえそんな家庭環境で荒まないわけもなく、祖父の家にいたころから不登校の引きこもりであり、曰く「学校はバカの行くところ」。株取引の才能があったことが裏目に出てしまったと言える。
両親からは当然登校を促されるも、それが自身の世間体のためでしかなかった二人はユナ叩きつけられた手切れ金一億円で引き下がってしまう。
ユナはこれでついに両親に愛想を尽かしたのか、あるいは今後二人が今後自分に金を無心することを見越したのか、自分を置いて嬉々として海外旅行へ行った隙に祖父を後見人にして正式に両親と絶縁。「祖父の目の届く範囲にいること」を条件にハイテクマンションへと引っ越し、以後は引きこもり生活を満喫しながら本編冒頭へと至る。
困っている子供に見て見ぬ振りができないのも、このように自分が親や周囲の大人に愛されなかったことから来ている。
異世界に来てからも、異世界のため未成年や保護責任者の概念はないが、一応クリモニアではティルミナが、王都ではエレローラがそれぞれ保護者代わりとなってユナの面倒を見ている (特に、エレローラからは代わりどころか本気で養子に迎えようとするぐらいに気に入られているが、ユナは自分を養子にすることでクリフの苦労が増えることが確定的との考えから断っている)。
関連項目
ぐだ子・・・異常なまでに同性からモテる者つながり
アルジェント・ヴァンピール・・・こちらも同性からモテまくるなろう系主人公。ただし、こっちは前世は男。
メルニボネのエルリック・・・こちらも専用装備がないと無力。ただし、こちらは装備に振り回されて破滅していく悲劇の主人公。
球磨(艦隊これくしょん)・・・容姿が似ており、クロスオーバーイラストがいくつかpixivにも投稿されている。「クマ」繋がりと言う点もある