作品の概要らしい
作者は「まいん(mine_time2010)」氏。なろう系の異世界転生物だが、主人公である功刀蓮弥は94歳という年齢での大往生を迎える事、幼女の神様にお願いされての転生である所が他の作品との導入の違いだろう。
(トラックに轢かれたり、何者かに殺されたりするような転生ではない)
章のタイトルはすべて「~らしい」で締められている。
書籍版がHJ文庫(ホビージャパン)にて2014年11月からから刊行されていた。全18巻(未完)。台湾でも『在異世界開拓第二人生』と翻訳され7巻まで刊行。
2020年11月27日に作者が小説家になろうを退会したため、Web原作は閲覧不可となっている。
主人公のプロフィールらしい
功刀 蓮弥(くぬぎ れんや) 人族 享年94歳。
現在リソース不足の9201-0846-2525-4989へリソース充填の為、界渡り中。
元の世界番号は8190-9735-1414-3878であり、特記する事象なし。
界渡り前は、功刀一刀流第14代当主。
幼少より剣道を嗜み、13歳にして剣術へ移行し、その才能を開花させる。
15歳より、武者修行と称し中国大陸へ渡り黒社会で活動。
刀一本で大人数へ切り込み、生還する様から「剣鬼」の異名で呼ばれる。
黒社会活動中の殺害人数は5年間で912名に及ぶ。
その後、世界大戦に従軍。
4年間の従軍期間中の殺害数は3712名、全て斬殺。
「ブレードオーガ」のコードネームで畏怖される。
終戦後は功刀流の家督を継ぎ、後進の育成や、剣術の普及に尽力。
各地で公演や剣術の実演を行い、功刀一刀流を広く普及させ、国内外に49の道場を持つに至る。
晩年は刀匠として大成し、「華蓮」の銘を持ち、人間国宝に指定。
美食家としても知られ、自身も高い料理の腕を持つ。
94歳と127日目にして、老衰にて死去。
生涯殺害数、5730名。
Web版原作「幕間その2らしい」から抜粋。
現時点では削除されているが、アーカイブには保存されている。→外部リンク
ちなみに上記の生涯殺害数から従軍期間中と黒社会時代の殺害数を引くと1106人余る。この四桁の殺害数は戦後のもの。
うまく隠蔽したのか、犯罪歴には残っていない。
漫画版では多数を斬り捨てた設定はそのままだが、中国大陸に渡った後の、黒社会、大戦中、戦後での殺害数の具体的な人数が削除されている。戦後の活動についても後進の指導や文化面での活動が仄めかされる簡素な表現にされている。
登場人物らしい
- 功刀蓮弥
プロフィール通り剣術の達人としての過去を持つが、その生前の記憶は失われ、18歳程度の精神年齢にされている。
運動神経と要領が良く物覚えも早いが神経質な性質を持ち、有翼の存在を従えた異様な存在であるとはいえ、
鼓膜と精神が耐えきれないと判断するやいなや騒々しい歓迎を中止させるために、幼女の姿をした相手(しかも初対面)に迷いなく前蹴り(漫画版ではアッパー)を食らわせるという行動にも出る。
幼女(創造主)に転生を打診されるが、大往生して死んだのなら更に生きる必要も無いと一度は拒否する。
しかし創造主の必死な説得と、転生先である創造主がつくった世界の一つ「9201-0846-2525-4989」のグダグダすぎる現状と危機を把握したことで彼女の求めを受け入れることにした。
創造主との交渉の末「健康体」「超回復」「酒精耐性」「健啖」「鍛冶」「剣術」「体術」「魔術(適性:風)」
「無詠唱」「高速充填」「術式並列起動」「成長限界突破」「鑑定」「異世界言語」これらの特質を付加された上で18歳の若者として異世界に転生。
この世界最大のエールドラ大陸にある「トライデン公国」で冒険を開始する。
得物は転生初期から持つ不壊の竹刀型アーティファクト。名前は生前のものをそのまま使用している。地の文では「レンヤ」と表記されることが多い。
暴漢に襲われていたシオンとローナを助けた後、公国の冒険者ギルドで身分証を取得し、彼女たちとギルド活動をするようになる。
創造主同様「ゲーム的なシステム」の恩恵を受けており、必要に応じて視界の下の方に「ヘルプ機能」が表示され、ある必要な情報を取得したり、自分の機能、スペックについての操作が行える。
- 創造主
背中に一対の翼を持つ金髪女性の姿をした天使めいた存在を多数したがえる存在。見た目は幼女である。
異世界に転生する権利が与えられたと称して蓮弥を自分のもとに召喚。
部下たちにクラッカーを使わせ、さらに楽器演奏と手拍子も添えようとしたところを相手の前蹴りにより中断される。
ハイテンションかつ騒々しいノリは部下たちに疎んじられており、前蹴りされた後もあまり心配されなかった。
異様な過去を持ち、初対面で攻撃してきた相手を「思想的に逸脱した部分がない」と評する底知れない精神の持ち主。
世界を創造する力を持ち、部下の「天使」たちと共に様々な世界を創造しているが、その世界に住む膨大な霊魂ごと作り直したりすのは過労死するほどきついらしい。
自身の創造した世界の「9201-0846-2525-4989」の危機を救わせるため、「8190-9735-1414-3878」生まれの強者・功刀蓮弥に白羽の矢を立てここに送り込む。
中空にパソコンの画面に表示される「ウィンドウ」のようなものを浮かび上がらせ、それを介する事で様々な法則の操作を行える。
- シオン・ファム・ファタール
剣士見習い。メイン画像の人。相棒のローナと共にゴブリンの集落の調査をしに来ていたところを、調査中に協力相手であった筈の「傭兵王国」の素行の悪い兵士に絡まれ襲われかかっていたところを蓮弥に助けられる。
- ローナ・シュバリエ
僧侶見習い。シオン同様トライデン公国の冒険者ギルドに所属する。愛称は「ロウ」。自分たちを助けた蓮弥に惹かれているのか、初対面で「ロウ」呼びしてもらいたいと想っていた。
癒しの法術を使用できる。
- ギリエル
功刀蓮弥の監視役としての役割を創造主から任じられた天使。やることはあくまで監視と活動の評価のみ。
地上でレンヤに随伴したりはしない。着任にしたがい「ギリエル」という名前が与えられている。
命名と同時に一般的な金髪の天使から、黒髪に変えられ、18才の「やや控えめ」な体型の姿に変化させられた。
創造主は天使に固有名詞を与えることを敢えてしていないため、異例なケースとも言える。名を獲得したギリエルには自我の変容の兆しが訪れている。
- フリッツ=ルストブリッド
蓮弥が冒険者として活動を開始した都市ククリカにおける冒険者ギルドの副支部長。
嫌味で性格は最悪。シオンとローナとも知己だが、彼女達が仲間に襲われそうになった出来事すら嫌味の種にする精神性のため生理的嫌悪の対象となっている。
- カリル=ヴァリエール
ローナの友人であるククリカの魔術師。
世界観らしい
舞台らしい
- 8190-9735-1414-3878
功刀蓮弥の出身世界。所謂「現実世界」に相当する。
- 9201-0846-2525-4989
平面状のお盆型の世界。縦横ともにユーラシア大陸の二倍はある「エールドラ大陸」等が海に浮かぶ。世界総人口は1000万人程度。
水は陸地にある河川から流れ出るが、世界の端からは水が滝のように落ち虚空へと消える、ムダの多い設計となっている。
魂が輪廻していく摂理が存在している。転生のたびに知識や経験は白紙に戻るが嫌悪のような感情は残るのか、この世界にいる怪物に食われたりした魂の中にはこの世界に再び生まれたがらず別世界に行ってしまうものがあり、そのため霊魂のリソースが足りなくなる事態となっている。
解決しようにも創造主は五人の管理者にその権限を譲渡しているため、思い通りに手を出すことができない。
強引にやろうとするとエールドラ大陸の八割が海に沈む羽目になるという。
- エールドラ大陸
9201-0846-2525-4989最大の大陸。東部は人族、西部はエルフ族、南部は混合部族(獣人)、北部は龍族、中央部は魔族が支配する。
形状はほぼ正方形の中央部の四つの面に幅広の木の葉が生えたような塩梅である。
創造主から管理権を譲渡された5人の管理者がいるが、彼らは暇つぶしにこの大陸を舞台とした陣取り合戦をしている。
管理者たちと創造主の意思疎通はいまいち上手くいっておらず、管理者たちは現状を把握せず創造主から言われても世迷い言と一蹴する有様である。
レンヤの派遣は管理者たちへの説得を続け、やがては成功させるまでの時間稼ぎでもある。
用語らしい
- 天使
創造主に創られた部下たち。最初のほうは色々と個性をつけられていたが、途中から面倒になりある程度の雛形をつくってからそこからコピーするような創造過程となった。
その結果、みな似通った容姿の、金髪の人間女性のような形態となっている。背中には一対の翼を持つ。
創造主との関係は絶対的なものではなく、自我は薄めだが主が攻撃を受けても心配しなかったり、彼女のテンション高すぎるノリについていけなかったりもする。
- リソース
「資源」などを意味する語。本作では各世界の中を循環する霊魂等にも用いられる。死体からは失われる一種の生命エネルギーとも言える。
生物が生きているだけでもその生体から拡散され、世界に広がっていく性質を持つ。特定の人物に「リソース」をさらに添付する事で能力の底上げも可能。
蓮弥の使命の一つは、これが不足した「9201-0846-2525-4989」に転生し、旅して回ることでこれを世界各地に撒いて補充する事である。
- アーティファクト
各世界の住人には作り出せない遺失工芸品。創造主から権限を与えられた「管理者」が生み出したものが下界にこぼれ落ちることがある。
蓮弥には「破壊不能」の性質を持つ竹刀型のアーティファクトが渡されている。
- 魔石
ゴブリンなどの魔物の体内にある結晶体。魔術工芸品の動力源として使用される。魔物の種類によって一定の性質があり、討伐依頼においてはこれを持ち帰る事が依頼達成の証明とされる。
- 魔物
魔石を体内に保有するモンスター。殺して魔石を抜いても、その死体は動き出しアンデッドとして活動し始めるため、討伐と死体の処理はセットで行われる。
アンデッド状態でも頭を潰せば活動を止めることは可能。魔石採集や処理中にアンデッド化して害をなさないようあらかじめ潰しておくのも手である。
- 冒険者ギルド
大陸各地の冒険者たちの前に依頼を提示し、受領した者にその仕事を配分するギルド。人族勢力地を中心とした大陸の複数の地域に影響力がある。
ギルド発行の身分証カードは、竜族や魔族相手でもなければ他種族にもある程度は通用し、大陸の約7割で有効である。
原作者が差別発言したらしい
2018年5月にテレビアニメ化を発表したが、原作者がtwitterで本作執筆前にしてきた、中国を「虫国」「蟲国」、韓国を「姦国」「姦国という世界最悪の動物」と呼ぶ等の差別発言が発掘され炎上。
生前に中国の黒社会で活動し、世界大戦で3000人以上を斬ったという主人公の設定についても問題視された。
問題の記述らしい
主人公が戦争に参加していたであろう年代と、膨大な人数の人斬りを行った事から日中戦争で非戦闘員を大量殺害したと解釈された。
日本は第二次世界大戦当時、日中戦争も継続しており(この戦争を含む大東亜戦争、太平洋戦争は第二次世界大戦の局面の一つである)日本刀が猛威をふるったのは中国であった。
史実においては中国において民間人、捕虜も殺害することで日本刀による大量斬殺(一説には100人以上)を行った日本軍人についての証言がある(参考:この証言を元に上記の解釈を支持するサイト)。
また、主人公の従軍期間中の斬殺人数である3712名という数字が、1937年12月に起こった南京大虐殺を彷彿させるという。
これらの論証を裏付ける事実は原作に提示されていないが、主人公が南京大虐殺の犯人であるという認識は、騒動から数年前の日本の署名掲示板にて冗談めかしながらも語られており、作品を貶めるための恣意的なデマと言い切れるものでもない。
上記への反論らしい
史実に基づくベトナム戦争等の従軍歴を設定に持つ、フィクションのキャラは多数存在するが、当然公式発表や明確な描写や記述がない限り、従軍歴=戦争犯罪関与の証拠とはならず、設定や一部の記述や描写、作者や脚本家、スタッフの発言、記述等を否定的に捉えた揚げ足取りや、悪意に解釈した、アンチスレ的な行いや、いわゆるキャラアンチやキャラヘイトの側面も否定できない。
またそもそも、計算上南京大虐殺の時期には主人公は従軍しておらず、参加したとは解釈できない他、拳銃や突撃銃等近代兵器で武装した多数の敵に、刀や体術で無双するという設定のキャラも他作品にも多数存在する。参考:炎上の経緯検証、及び虐殺説への反論サイト)。
炎上したらしい
twitterでソ○ミというアカウントが中国にタレ込んだことで中国で炎上。その内容が日本語版twitterで解説された結果、それが日本でも広がった形である。批判の声は強く、単にソシャゲのガチャについてつぶやいたツイートにも追求のリプライがつく程であった。
作者は手動で過去ツイートの削除もしていたようだが当然これで収まるはずもなく、炎上は継続。
アニメ版のメインキャストをつとめる予定であった声優のtwitterアカウントにも役を降りるように求めるファンの声が寄せられた。
中には、主人公役となる予定であった増田俊樹氏に対し彼の所属事務所所在地から居場所を推測した上で(出演を辞退しなければ)「就地正法(死刑執行、の意)」してやる、と殺害予告を表明する危険なネットユーザーも現れた。
その後声優陣(メインキャスト4名)やその所属事務所から降板した旨が次々と表明され、各種ニュースサイトでも大々的に取り上げられる事態に発展した。
原作者から謝罪コメントは出されたものの具体的な内容には触れず「行きすぎた内容」「多くの方に非常に不快な思いをさせてしまう」「不適切な表現」といった曖昧な文面だったため、これも批判される事となる。
その後、批判された該当箇所のネット版での公開停止や表現の精査を行い、そして一定期間後twitterアカウントを削除する旨が原作者ツイッターで語られた。書籍版についても修正するべき箇所を修正できないか出版社側と話し合うとも表明されたが……
商業展開終了らしい
この騒動を受けて、書籍版を刊行していたホビージャパンは、2018年6月6日にこれまで刊行されていた全18巻の出荷を見送ることを発表した。在庫も無く生産予定も未定という(ソース)。特に最新18巻は2018年5月24日に刊行されたばかりであった。
そして同日夜、アニメ版の公式サイトにおいてアニメ版の制作および放送中止が発表された。
炎上から商業展開終了に至るまでのニュースはめざましテレビでも取り扱われた。
出荷停止、アニメ化中止について「出版社や声優に危害を加える旨の脅迫状が届いたため」とする噂についてはホビージャパンは「弊社に関しては、そうしたものは把握していません」(ソース)と回答している。
2020年3月現在、なろう版は2018年5月21日公開の回で、書籍小説版は18巻で刊行が停止しているが、漫画版は展開が継続しており、コミックウォーカーでの掲載と単行本刊行がなされている。
余談らしい
書籍版の挿絵を担当し、コミカライズの原案協力もしたイラストレーターの「かぼちゃ」氏はメイン画像のアニメ化記念イラストを描いた直後に騒動により仕事を失い、さらに2018年7月7日に西日本豪雨の影響で発生した小田川堤防決壊により被災、命の危険に晒されながらも無事に生還するが自宅は完全に水没、仕事環境もすべて破壊されるという踏んだり蹴ったりな状況に陥っている。その後支援のおかげでどうにか持ち直してきたとのこと。『二度目』以降も小説のイラストを担当していっている。
関連タグらしい
テコンダー朴:作者が上記の炎上騒動のニュースを引用しつつ『アニメ化が中止になった場合は浮いた予算で反ヘイト漫画の金字塔「テコンダー朴」をアニメ化すべき』と宣伝ツイートをした2日後にツイッターが凍結された。