ワシの理想、自分の体は傷つかず思い通りに動かせ尚且つ一方的に相手をいたぶる。
ノヴァ「さ…最低の発想だ!」
概要
ダイの大冒険終盤に登場する死霊型モンスター。超魔生物の三体目であり、地上に残った戦士たちが最後に戦った相手でもある。
キャラクター紹介によれば名前は「超魔ゾンビ ザボエラ」。
妖魔士団長のザボエラが最後っ屁として作り上げた巨大な超魔生物で、魔界のモンスター兵団全てに改造を施し、その死骸を魔法力による超魔合成したキメラである。
胸部にザボエラが乗り込み、魔法力によってモビルスーツのように動かす。
名前はなげやりだが実力は高く、地上のノヴァ、ロン・ベルク、クロコダインらといった戦士たちを圧倒する実力を見せつけた。
基本戦法は巨体を活かした肉弾戦。魔法や飛び道具は使わない。また両の手の甲には長剣ボーンスキュルが仕込まれており、これを武器として使う。
最大の特徴はそのフィジカルの強さ。
数多のモンスターの死肉を超凝縮した体はゴムのように柔らかく、打撃や斬撃を受け流すのには最適で、内部の操縦者にはほとんどダメージが無く、並みの呪文にも強い。
また、ザボエラの創り出した猛毒により、仮にその肉壁を貫いたとしても武器は腐食して役に立たなくなる。
単純なパワーであっても、高い身体能力を持つクロコダインに押し勝つ腕力を持っている。
強固な装甲とパワーに機動力を持たせて蹂躙するという理屈は戦車のコンセプトと同じなため、上記でザボエラ本人が言っている通り、「自分の肉体は一切傷つかずに思い通り動かせ、なおかつ一方的に敵をいたぶれる能力」としてはまさに最適といえる。
とはいえ、その素材が味方のモンスターの死体、さらにそれを確保するために重傷を負っていた味方を殺害しているあたりはノヴァの「最低の発想」の非難は止む無しである。
改良点
以前ザボエラの息子ザムザが超魔化した際には、「過剰に回復させられすぎると細胞が壊死する」という欠点があり、過剰回復呪文(マホイミ)や閃華裂光拳に対して弱かった。しかし、この超魔ゾンビに関しては生体活動が停止している身体のため通用しない。
圧倒的な強さであったがそれ以上の力を持ってすれば破壊できるようで、最終的にロン・ベルクの「星皇十字剣」に打ち砕かれた。
しかし星皇十字剣とてロンの両腕に致命的な傷を負わせるものであり、それほどの力をもってしないと打ち破れなかった超魔ゾンビの強さを証明するものでもあろう。
敗北後、ルーラも使えないほど魔法力を消耗していたザボエラの様子から、難点として操縦には膨大な魔法力を用いるらしい。そのため作動中は呪文を使えないようで、超魔生物と同様の問題点が復活してしまっていたことから、まだまだ改良を必要とする余地がある。
自己保身と合理主義の権化であるザボエラの性格と「前回の課題をすべてクリアして初めて改良と言う…!!」と宣う科学者としてのスタンスを考えると、ミストバーンに切り捨てられなければこの場で使用するつもりのなかった試験品だったと見られる。
由来
本キャラは1994年の週刊少年ジャンプで行われた「オリジナルモンスター大募集」のコーナーの「三条賞」に選ばれた公募キャラ「ハイパーザボエラ」がモデルとなっている。ちなみに「堀井賞」は大魔宮動力炉の番人・ゴロア、「稲田賞」はキルバーン所蔵品のジャッジが該当。
余談
超魔ゾンビは、第二話に登場したバロンが乗り込んだキラーマシーンとまったく同じコンセプトの敵である。ハドラーが討たれたことで活動を停止していたが、司教テムジンの改造によって魔法力で動くようになっており、強靭な装甲によってあらゆる攻撃を弾き返してしまう。