※「ホオジロザメ」タグもほぼ同数使われている。
特徴
亜熱帯から亜寒帯まで、世界中の海に広く分布している。特にアメリカ合衆国や南アフリカ共和国、オーストラリア、ニュージーランドの周辺海域、地中海等で多く見られ、日本近海にも分布する。
主食にイルカやオットセイ、アザラシなどの海産哺乳類を好み、魚類や海鳥も捕食するほかクジラの死骸を食べることもある。
天敵は人間やシャチ、ほかの肉食性のサメ(共食いもおきる事がある)。
襲撃事故
映画『ジョーズ』のモデルとなって以来、悪名高き人喰いザメというイメージが多くの人に定着した。
実際にホホジロザメはサメのなかでも襲撃事故の報告が多い。そして襲われれば、捕食者としての能力の高さもあって被害者が死亡する割合も高く、助かっても足を食いちぎられるなど深刻な事態となることが珍しくない。こうした理由から一時は乱獲され、結果として絶滅危惧種となっている。
しかし、海で生活する魚類であるホホジロザメの主食は、あくまで同じ海に住まう海獣類。当然、好んで人間を食べるわけではない(脂肪の塊である海獣に比べれば人間は食料としての効率が格段に悪く、積極的に狙うほどの価値がある獲物ではない)。
…ではなぜ人間を襲うことがあるのかといえば、大好物のアザラシと見間違えるのが原因らしい。サーフィン板等の上で腹ばいになってパドリングする人間の動きや、ウェットスーツを着て足ヒレを動かす姿が、下から見上げるとアザラシと似ているためだと推測されている。このため、アザラシではないと認識したのか途中で襲うのを辞めた事例もある。
一方で、そもそもホホジロザメは一撃で致命傷を狙うことは少なく、深手を負わせた獲物を追いかけて失血死を待つ場合も多い。
そのため捕食を中断したとみられる事例も、人間が失血死する間もなく地上に逃げてしまうので食べそこなってるだけ、と言う説もあったりする。
生息域が広く、昼行性かつ浅瀬で生活するというホホジロザメの生態が、人間の活動範囲と被りやすいことが、事故の大きな要因だと言える。
余談
- 鮫を模したラジコンカメラで複数体のホホジロザメを撮影中、同族でないと気付かれたのかカメラが鮫達から集団リンチを受け、破壊されたことがある。
詳しくはWikipediaに譲るが、電磁波に敏感な鮫ならではの光景と言えよう。
- ホホジロザメはその見かけや生態とは裏腹に環境の変化には大変弱く、大海原での生活に特化しすぎて、ある意味閉鎖空間ともいえる水族館での長期飼育は非常に難しい。
アメリカのモントレーベイ水族館では若い個体を120日程度飼育した実績があるが、衰弱してしまい放流している。成体の飼育はさらに難しく、大型水槽(飼育した水槽は最大の水槽ではないが…)を備えている事で著名な沖縄美ら海水族館でも3日しか生存できなかった。これはホホジロザメに限らず、(淡水でも生息可能なオオメジロザメを除く)アオザメやヨシキリザメなど外洋に適応した大型のサメほとんどの種に当てはまる事である。