概要
模擬試合を得て機体の制御術式が完成した事で単座型に仕様変更&グレードアップが成されたツェンドルグの制式量産機。(カラーリングも孔雀色からメタリックブルーに変更されている)
これにより一般の騎士にも扱うことが可能となった。
ただし各部を量産向けに調整こそされているが、魔力転換炉を二基使用する仕様は変わっておらずコストの問題は据え置きのまま。
また単座型となった結果騎操士の負担も増大しており、人馬型の操縦に長けた騎操士の育成が課題として残っている。
実際、これを配備された銀鳳騎士団第三中隊の訓練時間が他の隊よりも遥かに掛かっているにも関わらず、その練度は十分とは言い難いと言われたほどである。
この問題を解決するために、乗馬と変わらない感覚で操縦出来る補助機構や一部動作の自動化といった改良も行われている。ただし、配備直後の教導を担当したアディの感覚に由来する指導で難航していたりする。
漫画版ではアニメ版と同様に両肩にラウンドシールドに似た円形の盾を採用している。
戦闘力こそ折り紙付きなのは模擬試合の時に証明されてはいたものの、上記の問題と「輸送機」としての有用性への疑問もあり、当初は銀鳳騎士団と王都への少数だけに配備を止められていた。
(また同期の新型であるカルディトーレの存在も少なからず影響している)
しかし殻獣(シェルケース)の群れの一斉移動による事変において、輸送機としての力を最大限に発揮したことで森都(アルフヘイム)防衛に成功。
この一件によってその有用性を改めて認められ、各地の戦力の見直しが図られる形で余剰化した魔力転換炉を転用、増産される運びとなった。
後に、この機体が街道を輸送機として運用される姿がフレメヴィーラにおいて日常の光景となっている。
銀鳳騎士団ではヘルヴィ・オーバーリが指揮を執る第三中隊の主力機として運用されており、ヘルヴィ機のみ隊長機である事を現す角飾りが施されている。
またツェンドルグに搭乗した双子にも受領されており、アニメ版ではツェンドルグのカラーをそのまま引き継いでいるが胸部に施されたカラーリングで判別が可能(キッド機が青、アディ機が赤)。
専用機は存在しないが、エルネスティも操縦出来るとの事(恐らく直接制御と思われる)。
その後に勃発した大西域戦争(ウエスタン・グランドストーム)においても、その起動力と輸送力をもって活躍している。
また、魔力転換炉の二基搭載により出力が高いことを生かし、飛空船(レビテートシップ)の機関部に接続して動力炉代わりに使用するという方法も取られたこともある。
だかキッド機は四方楯要塞(シルダ・ネリャク)の戦いの際、新生クシェペルカ軍本陣に特攻する飛竜戦艦(ヴィーヴィル)を撃破する為に突撃、墜落する戦艦と運命共にする形で破棄され大破した。
キッド機の残骸は回収されて、修復したのか、新造したのかは不明だが、後の浮遊大陸編でもキッドの愛機として登場している。
因みにWeb版のみの設定において、双子の機体は「ツェンドリンブル・キール」と「ツェンドリンブル・アーロ」という専用機にカスタマイズされている。
※ただし、あくまでこの名称は設定で語られたのみであり、web版本文中ではそのような描写はなく、通常機のままと思われる。
また後の世に登場したシルフィアーネは、この機体構造を元に作られた派生機。
同じ魔力転換炉二基搭載もこの機体からの流用である。