演・日本語吹き替え:小栗旬
概要
モンスターバースシリーズ第4作『GODZILLAvsKONG』の登場人物の一人で、前作『キング・オブ・モンスターズ』にて殉職したMONARCHの幹部・芹沢猪四郎の息子。レン・セリザワとも呼ばれている。
大手テクノロジー企業「エイペックス・サイバネティクス(APEX CYBERNETICS)」で主任研究員を務めており、CEOであるウォルター・シモンズの右腕的存在でもある。
父・猪四郎が己の命と引き換えに救ったゴジラが、5年後の2024年に突如としてフロリダ州・ペンサコーラにあるエイペックス本社を襲撃したことから、対怪獣用兵器開発のための新エネルギー獲得のために地下空洞世界への調査を計画、元MONARCHの地質学者ネイサン・リンドに協力を申し出た。
※以下、劇中重大ネタバレ注意
エイペックス社がギドラの頭部を用いて開発した対怪獣用兵器・メカゴジラの開発に大きく携わっており、操縦者も務めている(ギドラの頭蓋骨内部に作った操縦席で、精神リンク・テクノロジーによってメカゴジラを操作してきた)。
前述した地下空洞世界への合同調査を持ちかけた理由は、既存のエネルギー資源ではメカゴジラは最大出力の40%しか出せないため、ゴジラ達怪獣の生命の源である地球の核のエネルギーを利用しようと企んだからであった。計画は成功し、調査に赴いたウォルターの娘・マイアよりエネルギーのサンプルが香港支社にいる蓮達のもとへ送られてきた。
だが、副反応のリスクを考慮して慎重に実験を重ねてから使用すべきと主張する蓮に対して、成功を確信したウォルターはこれを一蹴してすぐに起動するように命じる。その結果、連の危惧したとおり、その強大なエネルギーでDNAコンピュータが自我に目覚めてしまい、メカゴジラは制御不能となり暴走してしまう。蓮自身も、まるで異物を排除するかのように逆流してきたエネルギーの直撃を受けて感電死するという悲惨な末路を遂げた。
最期まで自分の組織とメカゴジラに都合のいいように利用されていたのであった。
余談
『GODZILLAvsKONG』は監督のアダム・ウィンガードの判断で、撮影した人間シーンの殆どが劇中では削除されており、蓮のキャラクター性もあまり深く掘り下げられなかった為か全体的に影が薄く、父親や怪獣達にどのような感情を抱いていたのかも不明なままで死亡する。それに加えてメカゴジラを操縦してスカルクローラーを殺害した際には明らかに殺戮を楽しんでいるような狂気的な言動や呆気ない最期を遂げた為にただの小悪党に見えたのか「小栗旬の無駄遣い」や「本当に芹沢博士の息子なのか?」と苦言を漏らす視聴者もいた。
一応、海外で発売されているノベライズ版では、その補完として、父・猪四郎との複雑な親子関係が明かされている。
それによると、MONARCHでは優秀な科学者として多くの同僚から慕われていた猪四郎だったが、この手の人間にありがちな「仕事を優先して家庭を顧みない父親」の典型だったらしく、蓮の養育は妻に任せきりで、夫婦仲も冷め切っていたらしい。当時の蓮は幼いながらも父の仕事の重要性に理解を示していたが、内心ではいつか自分達にも関心を持ってくれることを望んでいた。
しかし蓮が18歳の時、母が他界したことで、親子仲は完全に決裂することになる。猪四郎は結局その時も仕事を優先し、妻の死に目はおろか葬儀にすら顔を出さず、実家に戻ってきたのは当時高校生だった蓮がたった一人で執り行った葬儀が終わった二日後という始末であった。
これ以来、芹沢親子の亀裂は決定的なものとなり、猪四郎はそれを埋めることなく2019年に殉職した。
蓮が本作でこのような所業に至ってしまったのは、怪獣達に執着して自分達家族を顧みなかった父への復讐、求めてきた父の関心を全て自分から奪ったゴジラへの嫉妬と憎悪があったのでは、と多くのファンは推測している。
最終的には上司のウォルターを裏切り、彼が真の黒幕として君臨するのが、当初のシナリオだったらしい。しかし、「野心と過剰な自信のせいで自分たちが作りだした兵器の制御を失うという筋書きのほうがしっくりきた」ために、今の形に落ち着いたのだと言う。
また、小栗は朝日新聞のあるインタビューの中で「自分の英語力が十分ではなかったために、当初予定されていた展開が書き変えられ、それに伴い自分の出番が減らされたことが悔やまれる」といった趣旨の発言をしていたため、小栗が英語を使った演技に慣れていなかったことも要因の1つになったものと考えられる。