CV:津田健次郎
概要
リメイク版月姫に登場した死徒。中ボスという立ち位置としてはリメイク前のネロ・カオスに相当する。
貴族服の上に毛皮のコートを着た白髪の男性。
初登場はアルクェイドと遠野志貴が潜伏していたホテルに眷属を伴って現れて、交戦。その時に真祖の姫君に名を問われてそこで自身の名を明かした。
死徒二十七祖十九位、年齢は400歳ほどと祖としては若く、最近(100年ほど前に)代替わりをしたためかアルクェイド及び聖堂教会は名前さえ知らなかった。
元々は先代である十九位ゼリア・アッヘェンバウムの眷属でⅥ階梯の死徒(下級)であり、Ⅶ階梯以上の死徒(上級)では無いので主である祖を殺せるはずがないのだが、北海に現れたアカシャの蛇の暗躍の果て、主を殺害、代替わりをして祖になった。
その為ロアとその関係者を憎悪している。
彼にとって、人間の血液は暖を取るための霊薬であり、血液失くては我が身は凍死してしまうと述べている。
かつて何名もの死徒二十七祖が集まりフランスの片田舎を壊滅させた「フランス事変」にも彼と思わしき吸血鬼が参加している。
能力
気化熱の如く世界という概念を蝕み燃え広がる蒼い炎と、自身の魔術である灼熱の炎の掌(3000度の超高温)を射出し、剣のようなサイズの大鉈を用いた接近戦も行える。
だが、これはあくまで彼が『正気』から逃げた先の『狂気』による戦い方であり、血液を失い、瀕死の重傷に追い込まれた時、彼は『灼熱の夢』から『絶対零度の地獄』へと目が醒める。
彼が主を殺害して手に入れた原理血戒の性質は『凍結』であり、その能力の本質は極寒の冷気を纏う呪い。その力は強大で摂氏-100℃の猛吹雪を常に吹き散らし、その気になれば街一つを氷漬けにできるほど。
この状態になったヴローヴは、極寒の地獄に囚われているという呪いのせいで歩くことすら困難になるが、それを補うほどのフィールドを覆う氷点下の寒波を操れるようになり、空気中の水分を凍結させて氷の槍として射出したり、自身の周囲に鋭い氷の棘を地面から展開して自身の身を守ったり、愚かにも突貫してきた獲物を絶命させることも出来る。
この寒波自体の通常の自然現象とは異なり、シエルの着用する第七聖典の鎧である「ヴァージンペイン」の対神秘を始めとした極限状態への防御でも完全に防ぎきれないほど。
ヴローヴが宿した呪いは彼を中心とした周辺に働く為、近くにいる生命はその寒さに耐え切れず凍え死んでしまう初見殺しそのものである。
また、死徒になる前はとある王国の騎士であり、正気に戻ってからは主より授けられた『概念武装』である自身の身の丈を大きく超える騎士槍を用い、弱体化しているとはいえ性能としては自身よりも格上の真祖の防御力を、または代行者の第七聖典の1つである『対象が衰弱死しない限り絶対に壊れない』という概念を纏った鎧を一部破壊するほどの刺突をもって両ルートに置いて対峙した両名に大ダメージを与えている。
ちなみに作中の描写で衝撃波とともに総質量7千tを誇るアルクェイドの放った岩盤の雪崩を大槍の一突きで破壊する程のパワーを見せている。
だが最も恐ろしいのは正気に戻ってからの騎士としての経験や技量の数々だろう。
片手を失ってもシエルの巨大な蛇腹剣ブレイド相手に凌ぎを削る様は一流の騎士と評される腕前である。
最も驚異的な描写として一見して普通の人間である遠野志貴の直死の魔眼を一度も見ることなく戦士としての直感だけで脅威と認識し警戒したという点だろう。
その後も身体スペックだけで言えば数段劣る遠野志貴相手に一切油断することなく万全の警戒を行ったという点はまさしく騎士の鏡と言える観察眼と判断力言えるだろう。