概要
反統合同盟が異星人の大型艦「ASS-1」から得られたオーバーテクノロジーを元に開発した可変戦闘機。旧ロシア系戦闘機の流れを汲み、その特徴を色濃く残している。
統合戦争に於いて人類史上初めて実戦投入された可変戦闘機でもあり、この機体の登場よって統合軍は試作機であったVF-0フェニックスの実戦投入を余儀なくされた。
主なパイロットはD.D.イワノフ、ノーラ・ポリャンスキー等。一般士官用のα型、エース仕様のγ型、試作型無人仕様のΣ型などのバリエーションが存在する他、一撃離脱用のツインブースターなどのオプション装備も開発されている。
実験機であるVF-0とは違い実戦運用を主眼に置いて開発されている為、基礎性能や信頼性ではVF-0を上回る。
VF-0と同じくVF-1 バルキリーがロールアウトする以前の先行量産機である為、熱核反応タービンエンジンは搭載されていない。代替措置として従来のジェットエンジンを限界までチューンして搭載しているが、その性質上宇宙での運用は不可能となっている。
また、局地戦闘機としての性質も備えており、コクピット後方にリフトファンジェットを二基搭載し、これによってファイター形態のままVTOL離着陸が可能。同機構はバトロイド形態でも使用でき、主に瞬間的に機体を加速させる際に用いられた。
頭部には伸縮機構が備えられており、隠密行動時に潜望鏡のようにこれを伸ばして周辺警戒を行う事が可能。
初期の可変戦闘機という事もあって後の可変戦闘機群と比較した場合サイズは一回り大きく、同時に可変機構も複雑だが、VF-0と比較した場合積載量やエンジン出力に余裕があり、火力・装甲の強化に充てられている。
しかし、機体重量がかさみ、燃費が悪化。戦闘可能時間や航続距離は短くなっている他、重量に対して変形用アクチュエーターの出力が不足している為、変形に要する時間はVF-0よりも僅かに長い。
統合戦争後も反統合同盟の勢力圏で生産が継続されており、第一次星間大戦に熱核反応エンジンを搭載した機体が参戦。残存機はその後フロンティア船団で動態保存された機体が発見され、統合戦争当時の伝記を原作とした映画「BIRD HUMAN ~鳥の人~」の撮影に用いられた(一方、対抗機種であったVF-0はVF-25をCG合成して再現された)。
また、可変戦闘機を用いたエア・レース「パンキッシュ・レース」ではVF-17のエンジンを搭載した機体が使用されている他、惑星ウロボロスに於いて、当時の設計図を基に再制作されたレプリカ機が、可変戦闘機を自家用車のように扱うウロボロスの住民達の足として用いられているなど戦後は戦闘以外での活躍が際立っている。
一方、本機は「反統合政府のシンボル」としてのイメージも残り続けており、後に『マクロスΔ』の時代には、同じく反統合政府を掲げるウィンダミア王国によって、ベース機として採用。本機のコンセプトを継承した可変戦闘機としてSv-262が開発された。