概要
銀河辺境のブリージンガル球状星団にあるウィンダミア星系を統治する王政国家。主星である惑星ウィンダミアは、惑星ラグナより800光年程離れており、フォールド断層(次元断層)に囲まれた宙域に位置する。
2027年、ウィンダミア星系に来訪した新統合政府と国交を結ぶが、条約の内容を不平等と見たウィンダミア側は次第に新統合政府への反感を募らせていき、数十年後の2060年において独立戦争を仕掛ける。しかし、次元兵器が投入された事で多くのウィンダミア人が犠牲となり、それを機に長期の休戦期間となる。この次元兵器の投入によって現在も惑星ウィンダミアでは時空の亀裂が残っており、ウィンダミア、新統合政府の双方は、それぞれ相手の陣営が使用したと主張を憚らず、真相に関しては明らかになっていない。
それから7年の年月の間、ウィンダミアでは他星系との交流及び地球文化の禁止といった閉鎖的な鎖国方針に出ていたが、一方で密かにヴァールシンドローム(以下ヴァールと表記)に関する研究及び実験を行っており、また王国精鋭部隊である「空中騎士団」は、ヴァールの予防・鎮圧を目的とする企業複合体「ケイオス」に対し、度々攻撃を仕掛けている。
そして、ヴァールを利用したマインドコントロールを完成させたのを機に、惑星ランドールにおいて新統合政府に対する再度の宣戦布告を宣言。同時に惑星ヴォルドール、惑星アンセム等といったブリージンガル球状星団に属する惑星をヴァール発症者の新統合軍兵士達を利用する形で制圧した。
開戦直後は戦力的にウィンダミア側は圧倒的に不利に立たされており、これに対してヴァールによって操られた新統合軍の兵士達を積極的に利用。新統合軍側は仲間同士で殺し合いを強いられ、いつかは自分達も同様になる不安から、精神的・心理的に追い込まれている。
ウィンダミア王国制圧下の星では、プロトカルチャーの遺跡がウィンダミア軍によって完全に占領されており、そこに存在する天然水とウィンダミアで栽培されているウィンダミア・アップルの双方を地元の人間達に摂取させる事で、体内でヴァールを誘発させる成分であるセイズノールを合成させ、マインドコントロールできるヴァール発症者を意図的に増加させている。開戦以前にも、ウィンダミアは遺跡の天然水とウィンダミア・アップルを新統合軍内で流通させており、新統合軍兵士達の中にヴァール発症者が不自然に多かったのも、その為である。
一方、ウィンダミアはヴァール発症者に対し、人権を無視する仕打ちを平然と行っており、その扱いは奴隷や家畜も同然であった。ウィンダミア人であるフレイア・ヴィオンですらも、その事実を目の当たりにして大きなショックを受けている。
その後、先代皇帝であるグラミア・ネーリッヒ・ウィンダミアの死後は、彼を暗殺したロイド・ブレーム(本人曰く「安楽死」)が主戦派に転じ、実質的にその実権を掌握。遺言に従うと称してブリージンガル球状星団外も含めた全銀河規模での新統合政府打倒を目指し、プロトカルチャーの正当な後継者として「大銀河文明」を樹立すると宣言する事になり、ウィンダミア側の方針は、一気に過激化していく事になった。
ウィンダミア人
ウィンダミア人の外見に地球人と大差はそれ程無いが、身体能力は地球人に比べて非常に高い。最大の特徴では、頭部に「ルン」と呼ばれる触角の様な器官が存在し、感情の起伏に併せて動いたり発光する(その為他種族と異なり感情が読み取りやすい)。
また、男と女ではルンの形状や本数が異なり、男は星状ダイヤの形で2つ、女はハート状の形で一つ存在する。ちなみにルンを凝視されたり触られてしまう事は、ウィンダミア人にとってかなり恥ずかしい事とされている。
一方、ウィンダミア人は老化が非常に早い傾向があり、平均寿命は30年と、地球人に比べるとかなり低いものとなっており、10代前半であるフレイアでさえも、ウィンダミア人としては既に「行き遅れ」であったらしく、彼女がリンゴ農家の家に嫁がされようとしていたのもそれが理由である。老化の証として、皮膚に所々ひびが入って白く剥がれる現象が起こるのも特徴的。
地球と国交するまでの間、それまで他種族との交流が無かったウィンダミア人は、自分達の命が他種族に比べて短命であるという自覚は全く無かったらしく、その事実を知って以降は自分達の寿命の低さに悲観する者が現れるようになる。
それに反動する形で、ルンが無く、能力も低い身でありながら、寿命や技術力だけは高い地球人に対し、ウィンダミア人達は羨望や嫉妬、そして憎悪や差別意識を抱く者が増えていったとされている。
更には学生時代のロイドが「滅亡寸前であったプロトカルチャーが最後に創造した人類種とされている自分達ブリージンガル球状星団の民こそが、プロトカルチャーの正当な後継者…つまりは銀河の統率者」であるという選民思想の強い論文を発表した結果、ウィンダミア人の大半は自分達こそが優良人種で銀河の全てを統率すべきであると信じて疑わない歪んだ選民意識とプライドに取り憑かれる事態となってしまった。
王国の関係者
王族・国民
空中騎士団
協力者
ベルガー・ストーン