概要
BLEACHの主人公・黒崎一護と準主人公・朽木ルキアのカップリング。
一ルキと表す場合もある。
読み切り版及び、連載された同作品は、死神・朽木ルキアが人間・黒崎一護に死神の力を譲渡することで始まる。
一護は死神となり、死神代行として悪い霊・虚(ホロウ)から家族や仲間、人間を護る為に戦っていく。
二人の関係は、護り護られる関係ではなく、共に戦おうとする場面が多いが、一護とルキアが共闘した事は原作漫画では一度もない。
ルキアも一護に「護られるために来たのではない」と言っている。
同じように大切な人を自らのせいで失くしたという自責の念。雨の記憶。悲しい過去を乗り越え、成長していく様子が原作で描かれている。
死神代行篇
ルキアのサポートを受けつつ死神としての心構えを少しずつ身に付けていく。
その中で、整霊(いい霊・プラス)や一護と同じく霊の見える者(ドン観音寺、石田雨竜)、尸魂界に関わる者(コン、浦原喜助)と出会い死神として皆を護るために戦うと決意を固めていく。
一護の部屋の押入れでルキアは居候することになる(家族にも友達にも内緒である)。
また一護の過去、母親の死に深く関わる虚・グランドフィッシャー戦で一護とルキアの間には出会った当初から比べ、相手に対する信頼や絆が生まれている。
この時にルキアから言われた言葉を破面篇の終盤で、一護は自分の父親・黒崎一心に『うけうり』『言われて随分楽になった』と、語っている。
滅却師(クインシー)・石田雨竜が一護の前に現れ、誇りを懸けた勝負を挑んでくる。
石田の使った虚用の撒き餌に釣られ、膨大な数の虚が現れる。
一護は石田に怒りを感じつつ、虚との戦いに奔走する。
現世に大虚(メノスグランデ)が現れ、王族特務の管轄であるメノスを一護は斬り、追い帰した。
ルキアは尸魂界にこのことが伝わり、一護の身が危険に及ぶのを避けるため、黒崎家を出て行く。そこに尸魂界から刺客がやってくる。ルキアの幼なじみ・阿散井恋次と、ルキアの義理の兄・朽木白哉だ。彼らは、ルキアを捕らえ、能力を奪った人間を殺しに来たと告げる。
石田の助太刀があったが、恋次に倒されてしまう。
ルキアが出て行ったことに気がついた一護は、恋次達に立ち向かうが、白哉に倒されてしまう。トドメを刺そうとした白哉と、引き下がらない一護の間にルキアは割って入り、尸魂界に連行されてしまう。
「また、護られた」と雨が降りしきる中、一護は悔しさで叫ぶ。
浦原との修行で、再び死神の力を取り戻した一護は、チャド、石田、織姫、夜一(猫)と共に尸魂界にルキアを救出に向かう。
尸魂界篇
尸魂界に乗り込んだ一護たちは、様々な人(空鶴、岩鷲、流魂街の住民、兕丹坊)の協力もあり瀞霊廷に進入。
一護たちは旅禍と呼ばれ、死神たちとの激しい戦いになる。
その戦いの裏で、ルキアの処刑しようと企てる藍染たちが行動し始める。
作中で度々描かれる、ルキアの過去に関わる人物・志波海燕と、ルキアの贖罪の記憶が掘り下げられる。そして一護に対する「運命を捻じ曲げてしまった」という悔いる想いが、花太郎の口から一護に伝わる。
力が発展途中の一護は、班目一角、阿散井恋次、更木剣八という強敵たちと死闘を繰り広げる。が、剣八と相討ちになる。そこで一護は、夜一に助けられる。
ルキアの元に、花太郎、岩鷲が到着。助けようとしたところに白哉が現れ、岩鷲は重傷を負う。花太郎に刃を向けようとする白哉をルキアは止めようとする。
そこに夜一の道具を借りた一護が、空から登場。一度目の再会である。
この時の橋の上でのやり取りは、実に二人らしいものである。
今の一護では白哉に勝てないと考える夜一は、一護を強制的に眠らせ卍解を習得してから戦うと宣言。
ルキアではなく自分を連れ帰った夜一に一護は怒るが、夜一は卍解を習得しなければ白哉に勝つことは出来ないと諭す。
ルキアの処刑の日程が早まり、焦る夜一だが、一護は諦めていなかった。一護に敗れた恋次も、ルキア救出のために一護と共に卍解の修行に入る。
ルキアの処刑が始まり。ルキアの様々な想いが描かれた。
現世組、死神たち、そして一護への感謝の想いを抱き、覚悟に目を閉じるルキア。
その眼前に、一護が現われルキアを無事救出する。二回目の再会である。
この時の二人の会話は、相手への強い感謝、そして一護の成長が窺える。
ルキアを恋次に託し(この時、一護は恋次に向けてルキアを投げていた)、一護は白哉との最終決戦に臨む。
掟を重んじ、自分の妹を救おうとしない白哉に一護は真っ向から対立。
ルキアを救うために、白哉倒すために手に入れた力・卍解を披露する(この一護対白哉の回は、19ページフルカラーで作品が掲載され、19巻にフルカラーで収録されている。のちに行なわれたベストバウト(人気対決投票)では一位になっている)。
互いの強い信念をぶつけ合い戦う。そして白哉は一護に敗れ、掟を重んじる自らの胸のうちを一護に語った。
尸魂界篇の終盤では、藍染の陰謀が明らかになる。
ルキアの魂魄には浦原によって「崩玉」というものが隠されていた。
ルキアの死刑を廻る戦いは全て、藍染の企てで崩玉を手に入れるためのものであった。
ルキアの魂魄から崩玉を抜き取り、尸魂界に宣戦布告した藍染は、市丸ギン、東仙要を連れ虚圏へと消える。
平和が戻った尸魂界で、ルキアは自分の過去と向き合い、志波家へ謝罪に行く。
当然現世に帰るものだろうと思っていた一護は、そこでルキアから「尸魂界へ残る」と聞かされる。
破面篇
尸魂界に残ったルキアと別れ、一護たちは現世へと帰還する。
程なくして、平子たち仮面の軍勢(ヴァイザード)たちが一護たちに接触してくる。
一護は白哉との戦い以降、急激に内なる虚が進行。精神の主導権が奪われる危機に瀕していた。そこに破面が現世を襲撃する。内なる虚に戦いの邪魔をされ、仲間達を護れずに落ち込む一護の下へ尸魂界から死神たちが派遣される。
ルキアとの再会を果たした一護は、ルキアの叱咤激励という名の飛び蹴り、往復ビンタを受け、虚退治に連れて行かれる。ルキアの喝を受け一護は立ち上がる。
強くなって、必ず仲間を護ると宣言する。
また、ルキアは一護との再会後、一護の家族を上手いこと言いくるめることで黒崎家公認の居候となり、再び一護の部屋の押入れに身を寄せるようになる。
死神代行消失篇
霊力を失った一護はルキアの存在も感じ取れなくなる。
その17ヵ月の間、一護はチャドも見ていられなかったと称するほどやさぐれていた。
銀城の誘いに乗り、死神の力を取り戻すため一護は修業を開始し、完現術を身につける。
しかし銀城の目的は一護の完現術を奪うことであり、仲間も月島により洗脳され一護は万事休すとなる。
絶体絶命のその時、一護の体を貫く刃があった。振り返ると、そこには17ヵ月ぶりに見るルキアの姿が。
小説版によるとルキアは一護に死神の力を取り戻させるため浦原にかけあい、たくさんの死神の
霊力を刀にこめることに成功していた。また一護が敵の誘いに乗るはずがない!と恋次に猛抗議していた。
ルキアの助太刀により死神の力を取り戻した一護。和やかな雰囲気に包まれるかと思いきやしょっぱなからとび蹴りをくらい、いつもの喧嘩が始まる。
一護を助けにきたのはルキアだけではなかった。恋次、白哉をはじめ剣八や一角、日番谷も現世に赴いており一護の決断をみとどけにきた。
FadetoBlack 君の名を呼ぶ
2008年冬に公開された劇場版第3弾「Fade to Black 君の名を呼ぶ」はある事件をきっかけに記憶を無くしたルキアを救うため、一護が瀞霊廷を奔走するというBLEACHの原点回帰ともいえる一護とルキアの絆をクローズアップした映画である。
内容の素晴らしさは元より
「あいつは俺の世界を変えた奴だ」「ルキアと俺は繋がってるんだ!」など
数々の一護の恥ずかしい台詞を聞くことができる。
この2人が好きな人は、是非一度観ることをお勧めする。
終盤のハグは必見。 (最も、倒れ込みそうになったルキアの体を、一護が受け止めたといった形だが。)
なお、「君の名を呼ぶ」の題名の通り、劇中一護がルキアの名前を何度も呼んでいるのだが
94分の映画本編の中で、53回もルキアの名前を呼んでいる。
なお、原作者の久保帯人氏は、この劇場版の制作に関わっているが、インタビューの中で、一護とルキアの関係について聞かれた際、「二人はただの友達というわけでも、恋愛感情があるわけでもない。これだけ近くにいて、恋愛に発展しないのも珍しいですよね(笑)。」と語っており、更に、「一護が『ルキアは大切な仲間だ』と言うシーンがあるんですけど、そのセリフが二人の関係をよく表していますね。」とも語っている。
久保氏は、一護とルキアの間に恋愛感情がないとはっきり言い、一護にとってルキアはあくまで「大切な仲間の一人」であるということが、久保氏の言葉から判明した。
もしこの時のルキアの立場が、(特に)破面篇で一護の方が惚れていると見れる場面が割と顕著に出ていた相手であり、後に一護と結ばれることとなる本作『BLEACH』のヒロインにあたる井上織姫だった場合、或いは、仮にだが一護がルキアに惚れていた場合、「俺はあいつに惚れているんだ!」や「俺はあいつが好きなんだ!」とはっきりと言うか、そういったことを言いそうになって照れて口籠ってしまうかのどちらかの可能性があるが、一護は原作や劇中で一度もルキアに対して「惚れている」「好きだ」等の言葉は使っておらず、そういったことを言いそうになって口籠ったような場面も見受けられない。
また、一護は織姫や夜一、乱菊などのスタイルの良い女性の前では顔を赤くしたりと、意外と男子高校生らしい行動を取っているが、ルキアに対しては、彼女の男勝りな性格とスレンダーな体型もあるかもしれないが、ルキアに対して赤面している描写が全くと言っていい程ないあたり、やはり一護はルキアのことを異性として見ていない模様。
同様に、ルキアの方も、一護に対して赤面することは全くなく、むしろ義兄にあたる朽木白哉に対して赤面することが多かった。
また、劇中で記憶を失っていたルキアが自力で(少なくとも)思い出しかけた相手は、ルキアの幼馴染で、彼女にずっと想いを寄せていた人物であり、後にルキアと結ばれることとなる阿散井恋次であった。
ルキアは誰かに対して弱音を吐くことはあまりしないが、作中で(ほぼ)唯一弱音を打ち明けていた相手が恋次である。