概要
頭部と両胸に1つずつ顔を持ち、両手の先端は獣の牙のような反り返った形のドリルになっている。
胸の顔の目から放たれる光線は光子力ビームを押し返し超合金Zを一撃で粉砕する威力があり、胸の顔を本体から分離させて多方向から同時に攻撃することも可能。
その他、頭部の五本角には敵を痺れさせる震動波を発する機能があり、両手のドリルにも超合金Zを貫く威力にくわえ、ゴムのように伸縮させてムチとして使えるギミックが備わっている。
デザイン原案は、石川賢。
胸部の二つの顔、両腕の牙状のドリル、個性的な頭部などの基本デザインは同じだが、両腕の上腕部と、肩部及び胸部装甲が一体化している(メイン画像の漫画版デザインの肩装甲を、下方まで伸ばして二の腕と一体化すれば、原案デザインに近くなる)。
そのため原案においては、「胸部の顔は、腕および胸部を覆う装甲に取りつけられている」ようにも見える。
決定稿ではこの腕と胸部・肩部の装甲などをアレンジし、原案の上腕部装甲を、肩と肘とに分割することで「腕を動かしやすく」「胸部の顔は、胸に直接付いているように」デザイン変更を行った。
作中の行動
ちなみにメイン画像は、漫画版とテレビ版の折衷となっており、デザインは漫画版、カラーリングはテレビ版(テレビ版のデザインは下画像)に準拠している。
テレビ版
第92話(最終回)「デスマッチ!!甦れ我等のマジンガーZ!!」に登場。
地下帝国との最後の戦いで激しく消耗した光子力研究所およびマジンガーZにトドメを刺すべく、暗黒大将軍の命を受けてビラニアスとのタッグで出撃。
機体の修理が終わっておらず、パイロットの兜甲児も重傷のため全力を出せないマジンガーZを、先行して出撃したダイアナンA・ボスボロットもろとも大破させた。
(ただし劇場版『マジンガーZ対暗黒大将軍』では、万全の状態で出撃したマジンガーZが手傷を負いながらも4体の戦闘獣を撃破しているため、TV版でもマジンガーZが万全の状態であれば勝てたかもしれないと言われることもある)。
続けて光子力研究所を襲撃するが、駆けつけたグレートマジンガーには武器が通用せず、グレートブーメランで首を切り落とされる。残されたボディは胸の顔を分離させて反撃を試みるもサンダーブレークでまとめて破壊された。
漫画版
テレビマガジンで連載されていた漫画版でもビラニアスとのタッグで登場。
Dr.ヘルとの戦いを終えてしばしの平和を享受していた甲児たちの油断をついて襲い掛かり、TV版と異なって万全な状態であったマジンガーZを一方的に痛めつけて敗北に追い込み、戦闘獣の圧倒的強さを見せつけている。
その他にもTV版との主な違いとしては
- 終始人語を発することがなかったTV版と違ってセリフが存在する。一人称は「われ」あるいは「わがはい」
- 頭部の顔が人間のものに近くなっているなど、全体的にデザインが変更されている
- 胸の顔は光線を発しない代わりに光子力ビームをも弾く盾になる
- 震動波で超合金Zにヒビを入れることができる
などが挙がる。
突如出現したグレートマジンガーにビラニアスを倒された際は激昂し、ビラニアスの仇を討とうとグレートに挑むもののマジンガーブレードで一刀両断され、亡骸はブレストバーンで焼かれた後グレートタイフーンで吹き散らされた。
OVA版
OVA『マジンカイザー 死闘!暗黒大将軍』にも登場。カイザーに一蹴されるモブ敵の一人という扱いだが、ビラニアス以外の戦闘獣との競演を果たしている。
ちなみに、このOVA版グラトニオスのデザインは、原案の「胸部と肩部装甲が一体化」というデザインに近く、肩と胸部を大きな外装に覆われ、その胸部の表面に胸の顔が付いているように処理されている(腕は細長く、肩部装甲の下から伸びている。前腕部の曲がった牙状ドリルの形状も、原案デザインにまた近い)。