概要
英語ではパイソンと呼ぶが、ギリシア神話に登場する大蛇ピュートーンに由来。
- ニシキヘビはボア科の亜科とする説もあるが、
環境省では特定動物リストの見直しで、現在は独立した科=ニシキヘビ科として分類。
体は太くて長く、蛇の類でも最大級の種を含み、全長は2mから10m近くにまで及ぶ。
体色が派手で、黄褐色の地に赤褐色や黒褐色の斑紋をもつ種が多い。
オスの肛門の両脇に後肢の痕跡があり、肉食性。
一部では、メスが産んだ卵を自らの身体で巻き付け、保護する行動が知られている。
多くのニシキヘビ属は特定動物に指定されている為、現在ペットとして飼育する事はできない。研究目的でも、特別な許可が必要。
ニシキヘビの危険性
ニシキヘビ属は最大9.9mの公式記録を持つ、世界最大の蛇である。アフリカからインド、インドネシア、スリランカ、フィリピンなど分布が広く、人間と接触する機会も多い。
インドネシアでは人が行方不明になった後で太ったニシキヘビが発見され、
腹を裂くと人の死体が出てきた事があり、これらは最大種アミメニシキヘビによるものである。
その原因として、樹上生活を送るアミメニシキヘビが森林開発で住処を追われ、餌に困って人を襲ったのではと推測されているが、詳細は不明。こうした事件は1年に1度の割合で報告されている。
ニシキヘビによる人身事故を総合的に見れば、多くは飼育個体が脱走して起こしたもので、
被害者の死因はいずれも噛み付きによる失血か締め付けられての窒息である。
日本でもペットが脱走する事態は珍しいものではない。2021年5月にも横浜市で3.5mのニシキヘビが脱走し、周囲に警戒を呼び掛ける等、飼育者の管理意識やモラルが問われている。