概要
『鎧闘神戦記』における天使の郷ピースクラフトの姫。翼の色は桜色。
本作においては守護天使ミリアルとの血縁は一切無い。
平和を愛する性格だが、暴力で他者を虐げる悪意には敢然と立ち向かい、守護天使ヒイロの親父ギャグにも鉄拳をお見舞いする。
「天使の姫の血は復活の贄となる」というバロックガンの野望の為、オズワルド軍に狙われることとなる。
ヒイロと共に下界に降り立ち、オズワルド軍に蹂躙されるユニオン族の為に尽力した。
戦いが激化する中、傷つきながらも正義の為にオズワルド軍に敢然と立ち向かうガンダム達を思いやる優しい涙により、彼らを真の姿である鎧闘神へとソウルアップさせた。しかし、皮肉にもその事がバロックガンに「リリーナの力は本物であり、自身を目覚めさせるにはまたとない贄である」ということを見出させる結果となってしまう。
ヒイロがバスターソードの力を使いこなし常時騎士ウイングガンダムでいられるようになると、4大ガンダムと共に機兵の谷に向かう。この時は陸路を動きやすいよう、EW版リリーナの服装に似た男装を行っている。
オズワルド軍との戦いが熾烈を極める中、堕天使ドロシーにより攫われてしまい、遂にバロックガンの操縦者として無理矢理詰め込まれ、一糸まとわぬ姿にされて生体コアにされるという辱めを受ける。この際に漫画版ではお前実はリリーナじゃなくてキャスリンかサリィだろというくらいのご立派な物を露にさせられている。
なお、掲載誌は良い子の雑誌コミックボンボンである。
かくしてバロックガンのパーツにされたリリーナ姫は、天使光を吸われるだけ吸われ全裸を仲間たちの前に晒し、干からびていきながら、あまつさえ平和を守るための祈りの力を殺戮に使用されるという、持ちうる尊厳を全て集めて引き裂いて踏みにじってドブ川に投げ捨てるかのような恥辱と拷問を受けることとなった。
もう一度書くが、掲載誌は良い子の雑誌コミックボンボンである。
だがリリーナ姫はミリアルとヒイロの決死の特攻により、バロックガンから引きはがされる。
そして2人と究極合体を果たしたことで超鎧闘神ウイングとなり、バロックガンを撃滅。
最後は無事にミリアル・ヒイロ兄弟と分離し(もちろん服は元通りになった。よかったね)、スダ・ドアカワールドへと帰還した。
漫画版ではヒイロとミリアルも一緒に戻っているが、新カードダスでは改心したバロックガン(と、ついでに巻き込まれたドロシー)と共に合体してサンボーンとなったため、姫とはここでお別れとなった。
リリーナ姫はサンボーンの御子として生まれた(決してヒイロやミリアルとドロシーの子というわけではない。断じてない)マリーメイアを引き取り、2人でピースクラフトで暮らしている。
リリーナとマリーメイアが写った最後のカードの名前は「天使の涙」であった。
このようにSDガンダム外伝の中でも特に悲惨な目に遭ったヒロインであり、FC版で敵と間違えられて騎士ガンダムに斬られたフラウ姫と並んであんまりな境遇と言われる。
が、そんな悪に思うがままの道具にされていた彼女が、最後は自らの意志で自らの力を振るい、信じあえる仲間とともに平和を守り抜いたという点においては、またSDガンダム外伝のヒロインの中でも極めて異色な存在と言える。というかラスボスを倒したヒロインはリリーナ姫くらいのもんである。
それは、原作で様々な挫折と悲しみを乗り越えてなお平和の為に立ち上がり続け、一切MSに乗ることなく自らの手で恒久平和を掴み取ったリリーナ・ドーリアンとも並ぶ数奇な運命であったと言える。