この場所は精神を欺く…私は絶えず、夢を見ているのか、それとも起きているのか自分に問いかけていた。
あのおぞましい怪物はその境目を越えられるようだ ― 現実の世界と、夢の世界の境界を。
哀れな犠牲者が奴に狩られるのが見えた、私ほど幸運ではなかったようだ。
帽子に、爪を取り付けた手、酷い傷跡を負った男。
奴が私に気付いた。次に何が起きるのか、予想もつかない。
夢が迫ってくる、私はここで死ぬんだ。
だが、目覚めた。
焚き火の傍で起きた時の場所とは違う。
ただ…この不気味な森の中で目覚めただけだ、あの悪夢の記憶と共に。
今は、寝る事も、起きている事すらも恐ろしい。
概要
『Dead by Daylight』に登場するキラー(殺人鬼)の一人。
2017年10月27日にリリースされたDLC『Chapter VI: "A Nightmare on Elm Street"』にて実装された。
映画『エルム街の悪夢』に登場する怪人「フレディ・クルーガー」その人。
呼称の意味は「悪夢」。
本作でもその能力は健在で、夢と現実を行き来しながらサバイバー(生存者)たちを追い詰める。
人物
プロフィール
本名 | フレデリック“フレディ”・クルーガー(Frederick "Freddy" Kruege) |
---|---|
性別 | 男 |
出身地 | アメリカ |
声優 | Filip Ivanovic(アートディレクター) |
焼け爛れた体に茶色の中折れ帽、赤と緑の横縞セーターを纏い、右手にはめられた手袋型の鋭い鉤爪で相手を引き裂く猟奇的な怪人。“ドリーム・デーモン(夢の悪魔)”とも通称される彼が現れる夢の中で殺された者は、現実にも同じ傷を負って死に至るといわれている。
背景
彼が生きている間さえ、フレディクルーガーの本性を知っている人間にとっては悪夢の怪物であった。
暖かさと優しさのマスクの裏に隠れた、フレディの実際の本性は彼の犠牲者だけが知っていた。
それらの犠牲者が最後に聞かれた時、スプリングウッドの親達はフレディを探し出し、彼ら自身の手で裁きを行った。
彼らはあの夜に炎が怪物を滅ぼし、自分達の子供が遂に安全になったと考えたが、邪悪は強く、生き残る術を持っている。
何年も経ち、恐怖は埋葬され犠牲者達は幸いにも忘れられた。
そして、何とかフレディは戻り、夢はもう一度悪夢になった。
フレディの怒りは自分が不当な扱いを受けた感じた事、つまり、彼の本当の強迫観念であるナンシー・ホルブルックへと向かった。
しかし、彼は彼女の強さと機知を過小評価していた。
彼女の友人であるクエンティンと共に、彼女はフレディを弱体化させ、切り裂き、彼を死に至らしめた。
死はフレディが最初に遭遇したことを望んでいなかったが、なぜ、死が彼を連れて行くと思った?
彼は再び現れ、復讐をした。
それからナンシーへと続く彼の道を塞いだ少年へとフレディは目を向けた。
フレディはクエンティンの夢を侵略し、夜な夜な彼を暴力で満たし、彼の強さと守りを地へと堕とした。
時が来ると、彼は少年にバダム幼稚園の暗い投影に戻させた。
ここで彼は最後の復讐を行うだろう。
彼は幼稚園のホールでそっと少年の跡をつけた。
彼は時間を掛けじっくりと、狩りのあらゆる瞬間を味わった。
これは彼が一番楽しんでいたもの、漂う汗の匂い、恐怖で震える吐息の耳障りな喘ぎだ。
フレディはそれらで少年を弄んだ。
長い廊下の端に少年がいた。
あまりの疲労と恐怖でもう走れないのか? 運命だと諦めたのか?
フレディは少年に迫り、腕を広げ、鉤爪で壁を引っ掻いた。
鉤爪の先端はパイプをなぞり、金属の金切り音は少年の不安にのみ加わった。
火花が地面に降り注ぎ、タイル張りの床を覆う液体の中に落ちてきた。
青い炎が花開き、すぐに部屋を包み込みんだ。
クエンティンは、炎から飛び出す、怒りに満ちたフレディの姿に慄いた。
部屋や壁がぼやけ、フレディの地下室へと変わっていった。
もう、逃げ場は無かった。
フレディが彼に向かってゆっくりと近づいた。
彼の恐怖はフレディの望み通りに強くなっていた。 しかし、クエンティンの目は挑むような憎しみに燃え、称賛に値するほどだった。
フレディが鉤爪を振り上げたその時だった。
何か旧く、強大な、闇の存在が現れたのをフレディは感じた。
瘴気が彼を包み、遠くで木の柱が曲がり、軋むような音だけを感じ取っていた。
金属がひしゃげる音が反響している。 不可解で認識することのできない、言語と純粋な恐怖の間に在る存在がいる。
体が落下し、回転したような瞬間の後、フレディはバダム幼稚園へ戻ってきた。
しかし、彼のいた場所ではない。 外見は同じだが、何かが違っていた。
彼は自身の力が増大しているのを感じ、他に目を向けた。 あの少年は消えたが、他の獲物が廊下を歩いてくるのが見えた。
そんなことは重要ではない。 別の人間でも、彼の新しいお気に入りになるだろう。
全ての獲物は、彼の爪の前にひれ伏すのだ。
性能
基本情報
移動速度 | 4.6m/s(通常)、4.0m/s(ドリームスネア設置) |
---|---|
心音範囲 | 32m |
凶器 | 鉤爪の手袋 |
悪夢の中に存在するフレディは、この武器で犠牲者の命を奪う。 | |
固有能力 | ドリームデーモン |
根城 | バダム幼稚園 |
フレディが庭師として勤務していた幼稚園。建造物と仕切りが多く、狭いステージながら索敵が大変なステージ。別名“ガッデム幼稚園”。 |
原作の「悪夢の中で人々を殺して回る」という設定はゲーム内でも忠実に再現されている。
フレディには固有能力「Dream Demon」が与えられており、眠っていない生存者は夢の中にいるフレディを遠くから視認することはできない。近づいてくるにつれてはっきりと視認することができるようになる。そしてフレディに攻撃されると、悪夢の世界「ドリームワールド」へと落とされてしまう。
さらに、リメイク版原作で触れられた「マイクロスリープ(体が眠っていなくても、脳が眠って起きたまま夢を見る)」という設定が取り入れられており、起きた状態で60秒経つと何もされなくても自然にドリームワールドに入ってしまう。
ドリームワールドに入った生存者は視界が悪化し、心音の代わりに方向や距離がわからない子守唄が聞こえてくるようになり、フレディからは体がハイライトされるようになるため逃げ隠れする難易度が上昇する。さらに、フレディが夢の世界に仕掛けた罠「ドリームトラップ」の影響を受けるようになってしまう。
ドリームトラップ
ドリームワールドはフレディの支配する世界である。
悪夢に落ちた犠牲者たちは、フレディの悪趣味な罠によって弄ばれる。
道具ではなく彼の能力であるためフレディは何も持たなくても即座に罠を作り出すことができる。
アドオンによってドリームスネアとドリームパレットのどちらを使うかを切り替えられる。
ドリームスネア
上を通った生存者の足を掴む血だまりを設置する。
血だまりに触れた生存者は叫び声をあげて自分の位置をバラしてしまううえ、
血だまりの上にいると移動速度が低下し、離れても少しの間移動速度低下が持続する。
さらに移動速度低下の効果を受けている間は窓を素早く飛び越えることができなくなる。
クラウンの瓶と似た効果だが、こちらは最大設置数以外に制約がほぼなく、
チェイス中に使っても血の渇望がリセットされないため無駄撃ちさせる対策も効かない。
スネアを使うフレディを相手に同じ場所で粘り続けることは不可能である。
また、通り道に仕掛けることで鳴子のように居場所を知らせる効果もあり、
地下への入口に仕掛けられると救助はさらに困難になる。
ドリームパレット
板がある可能性のある地形に偽物の板を設置する。
偽物の板は目視で見分けることはできず、倒すこともできるが
倒してもフレディはひるまないしすぐ消えてしまうため、倒すモーションで隙ができてしまう。
パレットを使うフレディを相手にする場合、心強い味方だった板が時として敵となる。
悪夢から脱する為に生存者は「覚醒している生存者と合流し、起こしてもらう」「スキルチェックを失敗し、その衝撃で覚醒する」「強調表示された目覚まし時計を使う」のどれかを強いられる。
さらに、フレディには未修理の発電機に対してワープを行う第三の能力「ドリームトランジション」を持つ。ワープには4秒かかり、ワープする発電機からは血が噴き出すため奇襲には使えないが、徒歩キラーの弱点である機動力を補う強力な能力。クールタイムが長いのが欠点だが、ドリームワールドに落ちた生存者が多いとクールタイムが短縮され使いやすくなる。
メメント・モリは生存者をゆっくりと立ち上がらせ、背後から鉤爪で体を貫くというもの。他の殺人鬼のメメントと比較するとスタイリッシュさがいくらか強調されている。
なお、このキルモーションは原作でも登場している。
PERK
Fire up
発電機の修理が進むと行動速度(移動速度ではない)が上昇する。パレットの破壊速度だけでなく、発電機の破壊や担ぎ上げ、窓枠越えの速度も上昇する。
窓枠越えを速くするパークは2018年7月現在、Fire upとクラウンの固有パークのBamboozleのみ。
Remember me
オブセッション状態を生存者のうち誰か1人に付与し、その生存者を攻撃する度にゲート開放時間が5秒ずつ延びていく。ノーワンとの相性は言わずもがな。
ちなみに「Remember me」というPERK名は原作由来。わざと被害者をすぐ殺さずにいたぶる原作のフレディを象徴するセリフでもある。
Blood Warden
脱出ゲートが解放された後に生存者をフックに吊るすと一度だけ発動する。ゲートがエンティティに塞がれ、生存者は60秒間ゲートから脱出できなくなる。さらに、ゲート内にいる生存者をオーラ表示する。
脱出ゲートの前で待機する不届き者に絶望を叩きつけることができるお仕置きパーク。
「エンドゲーム・コラプス」の残り時間がギリギリになってからこれが発動すると
もはや脱出手段はハッチしかない。そして、1分で鍵を探すのはまず不可能である。
アドオン
原作の「幼稚園の庭師兼管理人」という設定を踏襲し、幼稚園や庭師関連のアドオンが多数ある。しかし中には明らかに幼稚園児の私物も混じっており、彼の紳士性も垣間見える。
評価
長所
起きている状態では遠目からの索敵がしにくく、奇襲を受けやすい。
ドリームトラップで眠らせた相手とのチェイスを優位に進めることができ、
どんなに遠くにある発電機でもワープできるため防衛力も高め。
突出した強さこそないが、索敵・チェイス・機動力と全方面に優れた万能型のキラーである。
短所
眠っていない生存者を相手にするとほとんど無能力のキラーになってしまう。
遠くから視認できないとはいえ見えないだけで心音はするし、パークにも反応する。
発電機ワープによるフェイントはできるが、クールダウンが長いため乱発はできない。
眠った状態でも修理や治療への影響は小さいためフレディが近くにいないなら起きなくてよく、
修理された発電機にはワープできないため、ゲート通電するとワープを封じられてしまう。
このため、いかにプレッシャーを与えて重要な発電機を守っていくかが重要になる。
関連イラスト
関連タグ
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