解説
相手選手をぶっ飛ばして突破するドリブル。
原作で日向小次郎が得意とする「直線的ドリブル」にあたる。
限られた容量の中で他のキャラが使えるようにするためか、あるいは文字数の問題でか、テクモ版ではこういう技名になった。
「強引なドリブル」と書かれることもあるが、テクモ版では全作通してひらがな表記の「ごういんなドリブル」。pixiv百科事典でそう書かれていると変換忘れのようにも見えるが、テクモ愛に殉じた表記かもしれないので、直さないでおいてあげよう。
各作品での「ごういんなドリブル」
キャプテン翼(Ⅰ)
この頃は日向専用の特殊能力だった。
日向が相手選手と接触した状態でドリブルコマンドを選ぶと、自動で発動。相手選手をぶっ飛ばして突破する。
キャプテン翼Ⅱ
ここから必殺技になる。
ドガガガガガガ……! と力強い足音を響かせるドリブルは迫力満点。
ゲーム中で最初に“ごういんなドリブル”を繰り出してくるのは、サントスのFWザガロ。ぶっ飛ばし系必殺シュート“ダブルイール”、チームメイトであるDFディウセウの“キャノンヘッド”などもあり、サンパウロの守備陣は散々宙を舞うことになる。
もちろん日向も使う。ごういんなドリブル以外にも、タケシとの必殺ワンツー“とうほうコンビ”を身につけてより器用になっており、容赦なくネオ・タイガーショットをぶち込んでくる。プレイヤーの腕によっては目も当てられない惨状になってしまう。
他の使い手は、次藤、ナポレオン、ガルバン、シャ(韓国ユースFW)、リブタ(オランダユースDF)。
全日本には必殺タックルを持った選手が揃うので比較的対処はしやすいが、ぶっ飛ばされると結構ガッツを削られるので、心臓病のハンデのためガッツ管理に気を遣う三杉が守備に回った際は要注意。
なお、今作からファール判定が導入されたが、これは守備側にしか発生しない。散々ぶっ飛ばされても、反則をとられるのは味方。何かおかしい。(間接フリーキックで済めばボールを手放してくれるので、悪いことばかりではないのだが)
キャプテン翼Ⅲ
今にも激突せんとするかのような、激しい動きを伴うようになった。
メキシコシティとモンテレーの試合では、強化されたカペロマンを相手に日向&若島津の燃費最悪コンビで立ち向かわなければならず、ごういんなドリブルでGKをぶっ飛ばして得点できるかどうかで難易度が大きく変わってくる。
今作から新たに使えるようになったのはロブソンだけだが、ストーリーモードで対戦するビクトリーノはなぜか普通のドリブルにぶっ飛ばし効果がついているので、必殺タックルで対処しなければならない。
キャプテン翼Ⅳ
ただでさえ豪快なⅣのドリブルだが、ごういんなドリブルを使うとさらにアニメの速度が上がり、凄まじい勢いを醸し出している。
ルート次第では、翼、カルロス、コインブラ、ストラットなどのブラジルリーグ選抜メンバーを軒並み吹き飛ばした上で、ライトニングタイガーをゴールにぶち込む日向の姿を拝むことができる。“パワータックル”を持つディウセウが冗談抜きに最後の砦である。
今作では新たにアメリカのMFジャックがこれを引っ提げて登場。MFのごういんなドリブラーは珍しい。
ルートによっては新田も会得する。原作で秋の新人戦で披露していたものが、実用レベルに達したのかもしれない。
また、ペルーのFWオルミーガは、前作のビクトリーノ同様に通常ドリブルでぶっ飛ばしてくる。ディウセウの苦労は絶えない。
キャプテン翼Ⅴ
日向に鈴置洋孝氏のボイスがつき、ごういんなドリブルを使うと「どけェェイ!!」と叫ぶ。そのサッカー選手とは思えない雄叫びは、改めてその異様さを感じさせる。
しかしこれまで猛威を奮ってきた威力がここに来て激減。今作で翼が所属する、レッチェのFWカルネバーレも会得しているが、守備側有利のゲームバランスもあって、あまり役に立たない。
ガルバンに至ってはパワー系ディフェンス技共々忘れ去ってしまった。
一方でシュナイダーが新たに会得していたりもするが、より強力なドリブル技“クライフターン”があるため使用機会はほぼないか。
新田もジョアン監督の指導を受けて、“げいじゅつてきドリブル”を使うようになったので、前作ではルート次第で覚えたごういんなドリブルは影も形もない。
その他
キャプテン翼VSのイングランドJr.に所属しているFWリチャードも覚えている。が、一緒に覚えている“さつじんタックル”のインパクトに霞みがち。
ちなみに今作もガルバン、ついでにロブソンも覚えていない。まだ小学生だからか?
メガCD版キャプテン翼では、次藤のものは“パワードリブル”になり、日向専用技に戻った……と思いきや、なぜか南宇和の石田が習得している。一応書いておくが、彼はテクニックが売りのキャラである。
ボツデータの海外キャラの中では、ナポレオンが引き続き所持しているが、またしてもガルバンとロブソンには与えられていない。
他にぶっ飛ばし効果を持つドリブル技としては、カルツのハリネズミドリブル、ポブルセンの“フレームドリブル”、バンビーノの“ショットガンドリブル”(Ⅳのみ)などが挙げられるが、単純な性能ではみな、ごういんなドリブルの下位互換的な性能に留まっている。いずれの選手も優れたドリブラーなので、バランス調整のためでもあるのだろうが、ごういんなドリブルもまた、完成度の高い技といえよう。
余談
アニメ版第4作が放映された時期には、日向役の佐藤拓也氏がパーソナリティを務める「日向小次郎の強引なラジオ!」と題したラジオが配信された。テクモ版なんにも関係ないのに。密かな影響力が窺える。
多様な表現が可能になった近年のゲーム作品では、原作通り「直線的なドリブル」と表記されるようになった。