概要
新潟県十日町市にある越後妻有里山現代美術館MonETで開催されていた大地の芸術祭に展示されていた作品で、同芸術祭の基幹展示物の一つであった。
暗室の中を走行する鉄道模型に光源を取り付け、周囲に置かれた物品や彫刻物を壁に投影して映す幻想的な作品であった。
しかしながら、2022年4月21日、後述する事故により大破し、公開停止となってしまった。その後修復不能と判断され、そのまま展示を終了。その名の通りロストした作品となってしまった。
事故
2022年4月21日、修学旅行で同美術館を訪問していた新潟市内の中学生一行のうち数名が、当該作品を破壊、別の生徒が教員に届け出た。破損が悪ふざけによるものなのか、誤って立入禁止区域に侵入してしまったことによるものなのかは不明だが、美術館を所有する十日町市は警察に器物損壊容疑で告訴するとともに、当該生徒を管理・監督すべき立場にあった引率教員の雇用主たる新潟市に対し、損害賠償を請求する方針を公表した。
本件に関しては、SNSを通じて拡散、物議を醸し、「中学生にもなってこんな大人気ない行為をするのはおかしい」「悪ふざけによるものなら、そのような家庭教育を行っていた両親の責任であり、新潟市民の血税が賠償金になるのは納得できない」などの不満が各方面から噴出した。
一方、作者であるクワクボ氏は、作品の修復について前向きな姿勢を示しているほか、「誰でも若いうちはちょっとした失敗をする。一線を越えていたかもしれないが、誰かに怪我を負わせたわけではない」「生徒たちがうちなる不満や怒りや欲望をさまざまな違った形で表現できるように支えることが重要。これはアーティストの力ではどうにもならないので、大人や学校、友達や地域の人たちの協力が必要」と、自らの作品を壊した中学生に対しても思いやりある発言を公開しており、それ故に彼の人徳の高さを評価する市民も多い。