「人間て… 本当にお馬鹿さん…」
プロフィール
年齢 | 不詳 |
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分類 | 土地神 |
CV | 松井菜桜子 |
概要
漫画『結界師』に登場するキャラクター。烏森を狙う妖の組織「黒芒楼」の主であり、城のある異界「黒芒(くろすすき)」の土地神でもある。
部下たちからは「姫」と呼ばれ、外部の者からは「黒芒の化け狐」と呼ばれる。
年齢は不詳だが相当な高齢で、足が動かず歩くことができない。
そのため普段は城内の一室(寝所)にて、延命装置という名の枷(首輪・足枷・尻尾枷)に繋がれ治療を受けている。
人物
容姿
普段の姿は九尾を持つ若い女性。白目がなく不気味な印象。
向かって右半分が黒色、左半分が白色の着物を、胸元を乱しながら着ている。
動かない足にはたくさんのひび割れがあるのが確認できる。
性格
側近の白からは「振るまいはただのワガママ娘」と言われており、「ワガママを言うのが好き」という自覚もある。
全てを楽しいかつまらないかで判断しており、退屈を何よりも嫌う。つまらないと判断すれば他人の話はまともに聞こうとせず、楽しければ自分の城さえ壊れてもいいと考えるほど。
それでも自分に長く仕えた白は大切な存在になっていたのか、終盤では松戸平介との戦いで傷ついた彼の身体を治している。
能力
今でこそ衰弱しているが、土地神だけあって元々の力は凄まじく、かつて自分に挑んできた白を完膚なきまでに叩きのめした。
白が幹部の大半を蟲により従えていることを考えれば、彼を倒したその力は相当なものであるとわかる。アニメでは雷のようなものを落として攻撃した場面もある。
土地神としてはそこそこ名が知られているようで、無色沼のウロ様の側近・豆蔵にも認識されていた。本人曰く「長く黒芒の地に住んでいたらいつの間にか主になっていた」とのこと。
また、相手を尻尾で包み込んで能力や思考を読むことができる他、自らの力を与えることもできる。
良守に使用した際には「黒芒楼を潰す」という彼の意思を読み取り、「いっそ潰した方が楽しいかも」と考え力を与えた。これにより良守は、城内の経路や妖たちの扱いがわかるようになった。
作中の動向
白ら部下たちが烏森を手に入れる計画を立てる中、衰弱の激しさを案じた藍緋の提案で烏森に連れて行かれる。
久し振りに外に出られたことを喜んでいたが、烏森では力が戻るどころか体調が悪化し、やむなく撤退する。アニメでは長引く外の戦闘に業を煮やして自ら攻撃を仕掛けるが、烏森のものと思われる不思議な力により苦しみ出した。
姫が烏森に長居できないとわかったため、白らの計画は「姫を烏森の主に据える」ことから「烏森の力を奪う」ことにシフトしていく。
終盤では城が崩れていく中、部屋から這って抜け出し、捕まった閃を探していた良守と遭遇。捕虜と勘違いされ、延命装置を外される。
そして前述の経緯で彼に力を与え、敢えてそのまま行くように言った。
姫
「あら。あの坊や、私が預けた力、使い切っちゃったわ。」
「やっぱり変な子。壊す為にあげたのに守る為に使って… 」
「あー、寿命縮んじゃったわー…」
そして、良守が発した謎の力によって火黒が消滅した頃、城の深奥で一人呟いていた。
黒芒と主の最期
姫
「白… 何よ、もうこの城終わりよ! あっちに行って役立たず! あんたに用はないわ! 来ないで!」
崩れゆく城の中で白に発見された際、何故か姫は執拗に白を拒絶する。
姫
「見ないで…」
それは延命装置が外れたことによる急激な衰弱で、既に小さな老婆の姿になっていたからであった。しかし、そんな姫に白はある言葉を投げかける。
白
「出ましょう。こんなジメジメした所はお嫌でしょう?」
そのまま彼に連れ出され、崩れゆく黒芒の地を背負われて歩き続ける。
白
「ずいぶん… 小さくなってしまいましたね…」
姫「フフ… バカにして… もう少しぐらい出来るのよ、すごいこと。」
残った力で城をかつてのような一面のすすき野原に変え、すすきを一本白に手折って貰い、白との会話に戯れる。
白
「烏森… 献上出来ませんでした。申し訳ありません…」
姫
「馬鹿ね… 私はわがままを言うのが好きなだけよ…」
「せっかく傷治してあげたんだから… 逃げれば… い… のに… 」
最後の力を使ったことで人の姿を維持することも出来なくなり、ついに狐の姿に戻ってしまう。
姫
「人間て… 本当にお馬鹿さん…」
最期は白に背負われたまま、黒芒と共に消滅した。