CV:津田健次郎
いやいい。蟲に聞く。
概要
作中に登場する妖の一団・黒芒楼の統括者として組織を実質的にまとめている。
人物
良くも悪くも相手の容姿や素性に対する関心が薄い人物で、無感情気味。
本人も自身の感情の乏しさには多少思うところはあるが、それについて言葉を選ぶ気があるのか否か怪しい言動をたまにとってしまうため、一部の友人や妖からはその点を皮肉られていることや咎められることもしばしば。そして、それは自身の体の改造や変異に対する抵抗感の薄さにも多かれ少なかれつながっている。
ただ、他者に対する善意や情がないかといえば、そうでもなく、体調不良などによって異能が弱まった者に対して、見返りを求めずに自ら足代わりになるといった行動もみられる。
能力
戦闘手段は、自身の体内で飼っている蟲を用いたものや、相手に対する問いかけなどを条件とする呪いの類など。自身の体の変異や、痛みなどに対する恐怖感や関心が乏しい割に、時折強かな策を無表情で講じて、相手の反撃手段などを減らす頭脳も武器。
作中の動向
烏森の偵察に白羽児と監視者を遣わし、深手を負って帰還した監視者から情報と人皮を抜き取って処分した。
烏森の情報を集める中、藍緋の提案で烏森へ姫を連れて行くが、良守達の奮闘による予想外の苦戦と姫の体調不良を受けて撤退した。
その後は黒芒楼に乗り込んできた松戸平介と対決。悪魔を使役する彼との激戦の末に致命傷を受ける。
蟲の如く冷徹な男の過去
本名は白沼(しらぬま)。実は松戸の友人で加賀見リサの夫。
不老不死を望んだ妻・リサのために、実験を繰り返すが失敗。その時得た知識と技術を元に、左の頭から腕にかけて無数の蟲により構成される妖仕様の体になり、実年齢は79歳だが体の成長は止まっている。しかし、「完全なる妖に至れていない人間(妖混じり)」であるため、松戸からは「何もかも中途半端」と評されている。
最期
松戸との戦いに敗れた後、傷が癒えているのに気づいて目を覚ます。そのまま姫のもとへ向かうが、衰弱して老いた姿となってしまった姫からは「来ないで!」と拒絶される。
白
「出ましょう。こんなジメジメした所はお嫌でしょう?」
そのまま姫を背負い、崩れゆく黒芒の地を歩き続ける。姫は最後の力として黒芒楼をかつての金色の芒野原へと変える。
姫
「すごいでしょう。私だってまだこれくらいは出来るんだから…」
白
「あなたがすごいのはよく分かっていますよ。最初に会った時から_」
白は初めて姫に会った時の事を振り返る。半妖の身体となり従えた蟲と共に黒芒楼へ乗り込むが、姫の相手にならず一方的に叩きのめされてしまう。そのまま尾で拘束されるが…
姫
「あら、あなた、複雑そうに見えてまっさらなのね。」
「力を求めて来たつもりのようだけど… あなたの望みは力じゃないわよ。」
白
「な… それは… 」
姫
「自分で考えなさーい。」
意外なことを告げられた白は姫のそばに仕えるようになるが、それでもその時は答えがわからなかった。
白
「ようやく分かりました。」
「私は… 人になりたかったんですね。」
最後の最後に答えを理解した白は、人間らしい人間を見ると心がざわめいたこと、それは不快感から来るものだと思っていたが実際は違っていたことを明かす。
白
「烏森… 献上出来ませんでした。申し訳ありません。」
姫
「馬鹿ね… 私はわがままを言うのが好きなだけよ…」
「せっかく傷治してあげたんだから… 逃げれば… い… のに…」
急激に衰弱した姫は、とうとう人の姿も維持出来なくなって狐の姿に戻ってしまう。
姫
「人間て… 本当にお馬鹿さん…」
白
「はい。」
最期は崩壊していく黒芒に巻き込まれ、姫と共に消滅した。