…さて、アタシの糸に繋がれたアンタは… 操り人形… ってところかね?
概要
主な任務は暗殺などの隠密行動。
人物
見た目は一見すると妙齢の人間の女性。長身かつスレンダーな肢体に、切れ長の目と光のない瞳が印象的なクールビューティー。
服装はかなりセクシーで、上半身はビキニのようなトップスに蜘蛛をあしらった上着を羽織っただけ。下半身は蜘蛛の糸で出来た様なスカートに紫のタイツという、かなり目のやり場に困るカジュアルな格好。
組織の仕事はきちんとこなすが、あまり感情や表情を表に出さない。マイペースでめんどくさがり屋ではあるものの、姉御肌なクールビューティーとしての一面も。
黒芒楼に居た理由も、「城が黒くてカッコイイしアタシによく似合う。」というなんとも適当な理由だが、後に「居心地よかった」「快適な住処といいヒマつぶしが手に入った」とも語っており、未練とまでは言えないものの、黒芒楼に対する思いはそれなりにあったのかもしれない。また、仲間の火黒の事や牙銀の事をよく理解しており、戦況についてかなり的確な意見を言うなど、極めて冷静な一面も持つ。
年齢は他の幹部達とともに不詳だが、火黒を若造扱いしているため、最低でも300歳~400歳以上と推定される。
能力
蜘蛛を使った傀儡の能力を持ち、対象の動きを操作するなどの芸当が可能。多くの部下を的確に統率し、犠牲も最小限にとどめる優秀な女頭領である。
その実力は黒芒楼の統括者である白からも高く評価されており、蟲を入れられることがなかった希少な人物。
実行部長を務めるだけあって戦闘力は高く、周りと比較してもレベルの高い妖。
魔除け用の松戸平介の札を簡単に溶かすほどである。
その他にも、全身黒ずくめに不気味な仮面をつけた人型の部下を大量に使役している。知能は低いのか、「キー」としか言えない。この部下は相手を糸で拘束することで造ることが可能であり、その時の彼女の発言によると、対象が元々持っていた能力は残っている様子。
動向
松戸平介を襲撃する役割を担い、彼の魔除けや部下達を全く寄せ付けずに松戸を追い詰める。しかし、松戸は逃げるふりをして紫遠を結界の中に追い込んでおり、紫遠はまじないのかかった銃で殺害されそうになる。
松戸
「この銃も弾も改造した上で丹念にまじないをかけてある。君らみたいのにもきくようにね。」
紫遠
「人間には効くの? じゃあそれでいいか…」
密かに蜘蛛の糸を忍ばせており、松戸を操って銃をこめかみに向けさせる。
松戸
「ひ…」
パンッ
白に任務完了を報告するも、松戸の死に際に違和感を感じており、それについては「面倒だから」と黙っていた。
二度目の烏森襲撃にも参加し、火黒と同じ人皮を着ていたため追ってきた良守に正体を明かして拉致しようとするが、良守が自ら捕まったため近くにいた影宮を「人数合わせ」として連れ去った。拉致後は良守を尋問するが、そこに実は生きていた松戸が加賀見とともに現れ、加賀見の強大な力を察して撤退した。
その後は白の敗北と黒芒楼の崩壊を受け、潮時と感じて立ち去ろうとするが…
紫遠
「…何だって?」
碧闇
「いつも使ってた出口、外で夜行とかいう奴らが張ってんだよ。」
「俺のこの千珠眼でいい出口探してやるからさ、紫遠、あんた用心棒ってことで協力しないか?」
「俺はここで得たノウハウを使って、もっといい奴に取り入るぜ。」
そこへ碧闇が現れ、夜行を躱すために紫遠は取引を持ちかけられる。ずる賢い本性を現し、ゆくゆくは次の仕え先を見つける算段を立てていた碧闇の話をしばらく聞いていたが…
紫遠
「ふーん… そりゃ無理だな。お前、浅はかすぎるから。」
「どうせ白にも、簡単に蟲入れられたんだろー?」
碧闇
「な、お前だって…」
紫遠
「フリだよ。お前、アタシと同等だと思ってるのが腹立つんだよなー。白だってもっとまともな口のきき方してたぜー。」
「傀儡の力でアタシが負けるかよ!」
密かに忍ばせていた蜘蛛で碧闇の自由を奪い、そのまま糸で部下にしてしまった。
そして出口へ向かう途中、藍緋の飛ばした綿毛の一つを手に取ると、微笑みを浮かべて自身の髪に飾る。
「あばよ。」
最後は部下達を引き連れ、崩壊していく黒芒楼を去っていった。