概要
真祖とは、富士の噴火前からヴァンパイアであった者たちの総称。並のヴァンパイアとは比べものにならないほどの戦闘力を誇り、作中で行われる戦いは真祖たちの中から、現王ゴアに挑む資格がある者を選定するという目的がある。そのため、彼ら以外のヴァンパイアはあくまで兵隊であり、真祖同士の争いにおいてはオマケでしかない。その人数は『一つの時代につき3人』と定められており、現王ゴア自らが傑出した人間を選び心臓を与えることで真祖としている。彼ら一人一人に掲げる理想と望む世界の形があり、彼らのようにその胸に強い理想を持ち、望む世界の形がある者はヴァンパイアとしての能力が非常に高いことが判明している。
特徴
前述した通り、彼らは全員が圧倒的な戦闘力を誇り並のヴァンパイアでは歯が立たない。作中で並のヴァンパイアが真祖と対等に戦闘を行えた描写はほとんどなく、まともに戦えたとしても僅か数秒であったり、D・ナイトで僅かに影響を与えるに留まる。身体的な特徴としては、彼らの能力値は横並びであり個々でステータス配分に差がある程度であり、勝敗を分けるのはそのパラメータの配分と人間時代からの才能。また、彼らは生物としての完成体であり、並のヴァンパイアのように遺灰物(クレメイン)を喰らったり、人間の血を吸って能力が向上することはない。彼らが自身の能力を上げるには他の真祖を殺し、その心臓を喰らう必要がある。その際、前の心臓の持ち主の能力も引き継ぐことが可能。実際にユーベンの心臓を喰らった日ノ元は彼の『高硬度の小麦を操作する能力』を手に入れている。
該当人物
本作の主人公。金髪碧眼の美少女であり、掲げる理想は『絶対女王制』。作中初めて登場した真祖であり、もう一人の主人公佐神善と行動を共にする。自身を女王と自称し、高圧的な態度が目立つがその根底には他者を思いやり、救わんとする優しさがある。そのカリスマ性から狩野京児をはじめとした少数精鋭のチームドミノを結成し率いている。
その変身体は極めて露出度の高く、コウモリを模したようなもので、作中では『ケツ丸出しの痴女』、『ダイナマイトボディ』、『裸のコウモリの人』などと言われている。
能力は『不可視の念動力』のようなもので、視界に入るものを捻じ切ったり、竜巻を起こして吹き飛ばしたり、瓦礫を操作して操り、トラックなどの鉄塊を鋭い槍状に変形させて打ち出すことも可能。しかしこの能力の真髄は殺傷力ではなく『人命救助』にあり、瓦礫の下敷きになった人間を何十人も救い出したり(本来ならば資格を持ったプロ数人がかりで様々な作業を行ってようやく可能なもの)、毒ガスに苦しむ人々を完全に解毒することができるなど、ミクロ単位で力のコントロールが出来るほどの異常な精密さを誇る。
株式会社ゴールデン・パームを率いる長髪の男性。掲げる理想は『金食礼賛』。作物の輸出入を手掛けており、莫大な富を有する。そのカリスマ性で部下を率いるドミノや日ノ元とは対照的に、部下には戦う見返りとして給料を支払っていることが特徴的で、その配下たちは『報酬金が目的の社員』と『ユーベン自身の理想に共感し付いて行く社長』に二分化されている。常に余裕を持った物腰で行動している野心家であり、『ファハハハハ!!』という独特の笑い方をする。
その変身体は豪華絢爛な金一色の騎士。彼を慕う部下たちすら『なんて成金趣味なの…!?』とドン引きしていた。
能力は並のヴァンパイアでも持ち得る『高硬度の物質を操作する』というもので類似能力者には日ノ元明や芭藤などがいる。彼の場合は金色の小麦を操る能力であり、小麦を用いて剣などの武器や、大掛かりなトラップ、果ては巨大なドームまで形成することが可能。人間時代は騎士であったことや、真祖となってから5、60年の武術の修練を積んでおりその武は人外の域と評されているが、真祖の中では才能に劣る方である。日ノ元からは『凡才』と酷評されていた。
(画像右の人物)
燦然党を率いる褐色肌が特徴的な筋骨隆々の男性。掲げる理想は『公明正大』。典型的な政治家であり、燦然党本隊以外に見せる明朗快活な姿は全てパフォーマンスであり、その本質は民間人や身内以外の部下を愚民と見下し、目的のために使い捨てにするなど冷酷無比。だがその反面身内や血縁者には甘く、側近である葛からは『あれほどの慧眼を持ちながら、身内相手にはここまで曇るか……!』と悔やまれている。
その変身体は光り輝く金剛力士像のようなものであり、巨大な光輪のようなものを背負ってる。全身から常に高熱を放っており、並のヴァンパイアであれば近付くだけで消耗するほど。
能力は『超光』。全身の表面でエネルギーを高速振動させており、光に似た力を操ることが出来る。この性質を利用して指や拳から山をも消し飛ばす超高熱の熱線を放つことが出来る。また、士郎本人が超人じみた身体能力と圧倒的な武才を有しており、徒手空拳においては間違いなく作中最強である。
???
燦然党との決戦にて、日ノ元士郎の口からその存在が明らかになった第4の真祖。作中では一切行動を起こしておらず、士郎からも『奴は何もせん。』と断言されていた。判明している容姿は、無数の天使の羽のようなもので身体を隠しており、本体の姿は口調から女性であること、そして月桂冠のようなものを被っているということしか分かっていない。その姿はまるで某ゲームのラスボスの片割れのようである。この人物の存在により、ドミノこそが選ばれざるイレギュラーな真祖であることが判明した。
その性質は『ゴアを神と崇め、自身を救世主(メシア)と自称するナルシスト』。日本を救う代わりに最終国防兵器レギオンという兵器を自分に譲ることを志月国防事務次官に提案。彼と手を組み、邪魔者が消えた今こそ、自身の神話を創造すべく動き出した。
ドミネコによく似た柄の猫を連れており、何か関係があるのかは不明。
Re・ベイキング(戴冠式)
真祖にだけ許された奥義であり、自身の戦闘パラメータを再配分し1VS1用に特化させるというもの。索敵能力や防御力をパワーやスピード、再生力に回すことで大幅なパワーアップをすることが出来る。だが、デメリットも存在しており『Re・ベイキングを成すまでに行った溜めに応じた制限時間がある』ということ、『溜めを行っている際はヴァンパイアの力を使用できないこと。』、そして何より『他のヴァンパイアからの横槍に弱くなる』ということである。作中でもこのデメリットを突かれ、真祖たちは追い詰められている。
ユーベン
彼のRe・ベイキング体は彼の元の変身体にマントと光輪が備わっており、スピードとパワーが元の倍以上となっており、武の才能では大きく上回っているはずの日ノ元を圧倒してみせた。パワー、スピード、再生に他のステータスを集中させたものとなっている。発動するまでの溜めには4時間必要。
ドミノ
ユーベンの心臓を喰らった日ノ元への切り札として使用された。この技は彼女が編み出したものであり、溜め時間はユーベンの半分の2時間で済むが持続時間はあまり長くない。そのパラメータは彼女の能力の長所であった射程・範囲・精度の全てを攻撃に回し、守備・索敵を速度と再生に加算したものとなっており、異常な速度と攻撃力を誇る。なんと真祖2体分の力を持つ日ノ元と互角に渡り合うことが出来る。その姿は怪物そのものであり、ドミノ本体は巨大なコウモリのような姿に変化して、背中から鋭い牙を持つ2対の触腕が発現しておりそこから殺戮用に変質させた超音波を放つ。そして音速以上で超音波を纏うという芸当すら可能な正真正銘の化け物。そして特筆すべきは魔弾と呼ばれる一撃で、日ノ元に決定打となる一撃を与えることすら可能で、その攻撃力は作中最高クラスである。さらに、2つの形態を持ち合わせており、近接戦闘時には翼や触腕のパーツを腕に纏わせ巨大な爪を持った人型に変化出来る。
日ノ元士郎
部下たちが命を賭して稼いだ数秒で完成させたRe・ベイキング。ユーベン、ドミノのものをたった2度見ただけで再現してみせた。ただ本人も自覚している通り所詮は猿真似でありパラメータの配分も滅裂である。姿は元の変身体が左半身が白色、右半身が黒色になった彼の光と闇という強烈な二面性を端的に表現したものになっている。
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