バルカン(惑星)
ばるかん
バルカンとは、太陽系12番目の惑星。
概要系
水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星の他に存在するといわれる幻の太陽系12番目の惑星。ローマ神話の火の神ウゥルカーヌス(Vulcānus)に因んで命名され、日本国内では英語読みのバルカン(Vulcan)の名称で呼ばれている。
あくまで仮説上の天体であり、19世紀にパリ理工科大学の天文学講師ユルバン・ルヴェリエがバルカンの存在を提唱したのがはじめとされる。
水星の公転軌道の近日点は、水星が公転するごとに移動するのだが、古典物理学に基づく移動割合の計算値と観測値の間には、単なる誤差としては説明できないほど大きな食い違いがあった。そこで、水星よりも内側を公転する未発見の惑星が存在し、この惑星が水星の近日点移動速度に影響を与えているのではないかという仮説が考えられた。この仮説上の惑星はヴァルカンと名付けれれた。
その後の観測で、予測された軌道にヴァルカンとおぼしい天体は発見されず、計算値と観測値のずれについても相対性理論を採り入れた計算では計算値が観測値と一致することが示されて水星の近日点移動の謎は解決され、ヴァルカンが実際に見つからなかったことに加えてそもそものバルカンの存在を仮定する根拠も消滅したことでヴァルカン仮説は否定された。