「もの喰わぬ生命体など最弱にして下劣‼」
演:藤木孝
概要
野座間製薬の会長を務める老齢の男性。72歳。
一癖も二癖もある会社の幹部たちを一手に纏め上げてひれ伏させる程の手腕と圧力を兼ね備えた人物で、水澤令華や橘雄悟とは別次元で、アマゾン細胞の魅力に取りつかれており、社会に解き放たれてしまったアマゾンたちを駆除することこそが自社の躍進の要だと考えている。
その為に現実が見えていない幹部たちに敢えて駆除の様子を中継して見せつける事で現状の把握を迫るなどの行動を見せている。
また、アマゾンを極秘裏に処分している理由をコストの問題や不祥事の隠蔽ではなく、アマゾン細胞の存在を他社から隠すためといい切ったり、橘雄悟の自信作であるアマゾンシグマを“最弱にして下劣”と批判し、特殊研究開発本部が打ち出した“対アマゾンガス”を雨を利用して街中に散布しアマゾンを一網打尽にするアマゾン駆除作戦『トラロック』をそこから生き残るアマゾンの選別をする行為として評価するなどあくまでも自分の欲求のみで行動するその姿は鷹山仁から「一番おかしいのはアンタ」と批難される程にどこか狂気じみたものを感じさせるが…?
以下ネタバレ
「人を喰らうアマゾン、それを喰らう鷹山仁、そしてその双方を喰らう水澤悠。この街に新しい生態系が生まれたのだ‼」
どうやら二年前に起きたアマゾン流出事件の真相は意図的な物で、それを支持した人物とは他ならぬ天条隆顕自身であることがシーズン1の最終回で仄めかされているが、その真意は不明。
シーズン2では衰弱が進んだ事で病床に臥せっており、寝たきりの状態となっている。しかしアマゾンに対する執着は相変わらずで、令華と共に旧駆除班を裏から支援している。
最終話にてイユの廃棄システムを止める為に4C本部に攻め込んで来た『オリジナル態』こと千翼を一目見る為に令華の運転する車に同乗して現場に訪れる。千翼と交戦する悠や4Cの部隊を見るや4C局長に就いた橘を見上げ、
「意に沿わぬ命を慌てふためいて潰そうとは相変わらず見苦しい。 一体何を恐れる?」
と酷評する。さらに、
「ある命がある命を脅かすのは自然の摂理だ。 脅かされない命は、弱い。」
と続ける。これに対して黒崎は車の窓ガラスに血がべったり付いた手を突き反論する。
黒崎「ほぅ〜。本当に言えますかねぇ? 自分が喰われても。」
すると天条は迷う事なく応える。
「ふん、願ってもない事だ。」
この返答は流石の黒崎も衝撃だったようで、千翼の壮絶な生き様を見た後の札森との会話でもそれが見てとれる。
4C本部から去る際には
「行こう。人に、アマゾンは早過ぎたようだ。」
全く満足のいかない様子の表情で呟いたのだった…。
どうやら、シーズン2における「人間がアマゾンを一方的に殺す」という情勢は天条にとっては失敗だった模様。
この事から、「人間の天敵を作り出して新たな生態系を作り出す」事が天条の願望あるいは目的の一つと考えられるが、現在のところ真相は不明である。