概要
CV:中村悠一(リメイク版)
ルクレチア王国の剣士。
長剣を携え、胸部と関節部にプレートアーマーを装着した金髪の若い男性。
親友のストレイボウとともに王国主催の闘技大会へ参加し、見事優勝した褒賞として姫であるアリシアと婚約を結ぶ。
順風満帆にすべてが上手くいっているかと思われたが、その夜、かつてルクレチアを脅かし勇者に倒されたはずの魔王の手によってアリシア姫が攫われてしまう。
国民たちからの「勇者の再来」という期待を背負い、オルステッドはストレイボウとともに魔王の潜む山へとアリシアを助ける冒険に旅立つ。
性能
初期の知力は2と低いが、ぐんぐん伸びていく。元々、有能な剣士なので力(攻撃)と体(防御)は申し分なく、素早さ・HPも優秀と隙が無い。同じ戦士タイプで“勇者”と呼称されたハッシュと同じ剣技を使いこなすが、眠らせる“ムーンダウン”や広範囲の敵の手足を封じてしまう“インケイジ”など、技巧的な技も得意。必殺技はハッシュが会得して魔王を倒したと言う伝説の技“デストレイル”だが、属性が悪であり、しかも物語の展開を考えると皮肉めいた部分もある。
また、意外なことに魔法系の装備を身につけることができず、ストレイボウやウラヌスの初期装備である「モルガンローブ」はハッシュも装備可能だが、オルステッドだけが装備不可能。完全な「戦士専門」の装備ラインナップになっている。
※以降の項目は本編の重大なネタバレを含みます。先にゲームをプレイしてから読み進めることをお勧めします。
その顛末
先代の勇者であるハッシュと、その仲間ウラヌスの力を借りてやっとの思いで魔王の討伐に成功する。
しかし、倒した魔王は偽者。さらに共に付いて来てくれたハッシュは直後に病魔に蝕まれて壮絶な吐血と共に死亡、しかも直後に発生した魔王山の崩落によって、親友のストレイボウまで失ってしまう。
その夜···助けられなかったアリシアから心の声が届く。危機を察知した彼は夜中に飛び起きると、玉座には、夢に見た、アリシアを手にかけようとした魔王の姿があった···。
今度こそ魔王を倒す。剣を構えて一閃。確かに手ごたえがあった。しかしそれは···ルクレチアの王だった。
騒ぎを聞きつけた大臣に、彼こそが本当の魔王ではないかと濡れ衣を着せられ、死罪を言い渡され牢屋行きになる。それを救ったのは、同じく幽閉された、かつての勇者ハッシュの友・僧侶ウラヌスだった。ウラヌスの命がけの魔法で牢屋を脱出した彼は、アリシアを助け出して全ての疑いを晴らすため、再び魔王山へ——。
しかしそこにいたのは、落盤で死んだはずの親友ストレイボウだった。
ストレイボウがどんなに努力しても、いつもその上をいくオルステッド。そんな彼に対してストレイボウが抱いていた劣等感による憎しみは、彼の想像を超えていた。魔王像の仕掛けに気づいた時、その憎しみが一気に爆発し、オルステッドを出し抜いて自分がアリシアを救い出そうと画策する。そして、あたかも魔王山の罠かのように魔法で地震を起こし、落盤事故を偽装。さらにオルステッドに幻覚を見せることでルクレチア王を魔王と勘違いさせ、王殺しの汚名を着せる事にも成功した。だが、それでもここまで辿り着いたオルステッド。そんな彼を、ストレイボウはついに「引き立て役からの脱却と日陰者人生への決別」の決意のもと、始末しようとする。
なんとかこれを撃退するが、今度こそ、親友だったはずのストレイボウはこときれてしまった。しかも、婚約者だったはずのアリシアまでも、先に助けに来たストレイボウに心移りしていたのである。そしてアリシアに全てを否定されて罵られた上に目の前で自殺されることになる。
友と信じた者に、そして愛した女性にまで裏切られた。同じ人間に裏切られたオルステッドの人間のとしての心は遂に破綻。さらに思い返せば、本物の魔王はいなかった。魔王がいないということは、勇者としての存在意義もなくなってしまったことになる。
とうとう、彼は全てを失った。
そしてこれまでの全てのシナリオに共通していた「オディオ」の名前を冠する者はここまで何故か出てこなかった。
私には···もう何も残されてはいない···
帰る所も···愛する人も···信じるものさえも···
魔王など···どこにもいはしなかった···
ならば···この私が魔王となり···
自分勝手な人間達にその愚かさを教えてやる···
私は今より···オルステッドなどではない···(※)
わが名は··· 魔王··· オディオ···!!
こうして、かつて勇者と呼ばれた剣士オルステッドはその身と心を人間への憎悪に染め、憎しみの魔王「魔王オディオ」に成り果ててしまうのであった。
中世編において、オディオの名前がここで現れ、まさかの人物が成り果てるという衝撃的な結末で中世編の物語は終わり………いや、ここまでの出来事はあくまでもルクレチアの壊滅の序章にすぎなかったのだ。
それまで喋らなかった彼が、劇中でやっと喋ったのがこの台詞というのが、あまりにも物悲しい。
※…この箇所の「オルステッド」の部分は主人公名が自由に変えられる為、ボイスでは別の言い回しになっている。各々、その耳で何と彼が言っているかを確かめてほしい。
最終編
オルステッドを選んだ場合は魔王山の山頂から再スタートし、各シナリオのボス達をかたどった石像に話しかけ、主人公達を抹殺して歴史を変えていく。彼以外を選んだ場合は魔王山頂で登場し、最終戦に臨む事になる。いずれも魔王オディオを参照されたし。
余談
オリジナル版では漫画家による公式イラストが当然存在しなかったため、ドット絵から描きおこしたイラストが強いて言えば公式イラストという扱いではあった。
FFシリーズにおけるFF1の戦士と姿から髪型に至るまで非常にそっくり。特にリメイク版以降のFF1だと、パッと見がオルステッドに見える。と、いうのも容姿の参考にしたのはFF1の戦士らしい。
あるところで初めて自ら言葉を喋るのは同時期にリリースされたクロノ・トリガーのクロノにも共通している。魔王とのかかわりで変わり果てた勇者という点でも同作のカエルと似通っている。
ちなみにリメイク版ではオルステッドはボイスが付いた為、中世編のラストに辿りつくまで全く喋らないというわけではなく戦闘時のみ掛け声や凄く短いセリフを喋る。ちなみに勝利ボイスだけは無い。
一時期噂になっていた、キーボードでアルファベットでORSTEDと打ち込む場合、かな入力モードとして打ち込むと『らすとかいし』になる事から、伏線の一つかとまことしやかに噂になっていたが、時田氏によると全くの偶然であり意図したものではないそうだ。実際、リメイク版においては「Oersted」というスペルとなっており、...
リメイク版でオルステッドの声を担当した中村悠一氏はTwitterにて、自身のYouTubeチャンネルで「LIVE A LIVEを実況してみたい」と語っていたが、ガイドライン上自分の出た章は実況できないとネタにしていた。実際にはガイドライン上だとラストのクライマックス以外の箇所は実況可能であるのだが、物語が盛り上がる場面で尻切れトンボの形になってしまうためやむを得ない形だろう。
ちなみにファンからの「オルステッドに救済はあるのですか?」といった質問に時田氏は「オルステッドという人間が犯した罪は赦してはならない」といったニュアンスで答えた事がある。
また、中世編は典型的なRPGのお約束を踏襲しているようで末路で破綻するのが特徴だが、同社の作品で「姫を救出する」パターンで有名なのは「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」を真っ先に想起する人も多いが、どちらもそれ自体が最終目的ではない。
あえて言うならば一番近いのは「ドラゴンクエスト4」の第5章であり、次に近いのは「ファイナルファンタジー3」における「水の巫女エリア」関連。
前者は「ある人物の死」が人間への憎しみを倍増させ、後者は「救えなかった故に死んだ」という点である。
関連タグ
紅蓮の魔導師:スクウェアのSFCのアクションRPGのリメイク版での声優繋がり。
小説家になろう(カクヨム):これらに投稿されたファンタジー小説の一種『復讐もの』では、勇者またはその従者だった主人公が、オルステッド同様人間に裏切られて捨てられて全てを失い、魔王へと成り上がる展開の作品が多い。
復讐勇者:上記にあるジャンルの総称。オルステッドはこのジャンルの始まりと言える。
外部リンク
最後の一人
リメイク版でのネタバレがあります!
リメイク版においては、オルステッド以外の主人公を最終編の主人公となる方を選んだ場合、原典通りの展開となるが、まさかの場面でどこにもいなかったはずとされる最凶の魔王が権現する。
この戦いでも引き続き7人の主人公達と最凶の魔王の戦いとなるが、やがてその7人も魔王の恐るべき力を前に倒れてしまう。死闘の果てにはついに戦える者が一人もいなくなった…はずだった。
しかし、そこには最後の一人はいた。
他でもないオルステッドだったのである。
全てを失った者が持つ剣の切っ先は魔王に向けられ、オルステッド最後の一閃が放たれる……!!