※注意!この記事はリメイク版ライブアライブに関する重大なネタバレを含みます!!
な…
なぜ勝てぬ!?
これが我々の運命なのか!?
我々とお前達…
一体何が違うというのだッ!!
CV:???
概要
リメイク版ライブアライブに登場する魔王オディオの姿であり、本作における真のラスボス。
オリジナル版の真エンドでは最後に仕向けられたオディオ達を倒すことでエンディングとなったが、リメイク版ではこれだけでは終わらず、魔王オディオが頭を抱えて突如苦しみだす…
う…
うう…
う…ああ…!!
そして魔王山を揺るがす程のこの世界の憎悪を集積し始めだした。
ポゴ「!!」
おぼろ丸「山全体が揺れている……!」
心山拳師範(レイ・クウゴ)「あのとんでもない力が…どんどん強まってる…!」
心山拳師範(サモ・ハッカ)「フシュ!何が起こってるんだっチ!?」
心山拳師範(ユン・ジョウ)「こ、この渦巻く気配は…!?」
アキラ「この世界のドス黒い念が集まってやがる…!」
高原「まだ終わらねえってのか…!!」
サンダウン「気を抜くな…!」
キューブ(警戒音と共に戦闘態勢に移行する)
があああ…ッ!!!
赤黒い瘴気が吹き出し、魔王オディオは人のものとは思えない咆哮を発した。
魔王など…どこにもいはしなかった
あの時、魔王山頂上にたどり着いても、そしてこの世界のどこにもいなかったはずの存在、物語の登場人物はおろかプレイヤーでも誰一人その姿を見た者がいなかったはずの異形が姿を現す。
ピュアオディオと異なるのはプロセスが目に見えてわかる形、正確には異形に飲み込まれかけている形で権現したと言うべきもの。
戦闘フィールドの一画面におさまらない程の巨大な外見は心臓部となる魔王オディオ…いや、オルステッドを中心に、黒い甲冑の悪魔のような身体に血管のような赤い線が走っており、身体中から赤い炎が放出されている姿となっており、正に魔王と呼ぶに相応しい姿となっている。
その反面、顔を構成している炎から火の粉が落ちる様子は、まるで涙を流しているようにも見える。
取り込まれかけているオルステッドはもはや意識が無くなっていた。
東の山に魔王あり・・・・
邪悪な心 邪悪な力を持ち 邪悪な姿となりて・・・・
全てを憎むものなり・・・・
禍々しいその姿は、全ての悲劇の始まりだった魔王山山頂への隠し通路を塞いでいたもの・魔王山山頂にあった、どのオディオにも当てはまらない謎の魔王像や先程のピュアオディオ戦の背景にいた謎の存在と非常によく似ている。どこにもいなかった魔王、これこそが中世編における真の魔王オディオの事だったのではないかと推察されている。
そして、オルステッドはこの時意識を喪失しており憎しみの権化に囚われているようにも見え、さらにオルステッドの意識を共有というか侵食しているのではないかともとれる。
そして、「Sin」は「罪」「罪業」を意味する単語であり、もしかすると同じ読みの「新(新生)」「真」等も意味するのかもしれない。下記の戦闘曲名同様、日本語と英語の掛け合わせのようだ。
戦闘曲は『GIGALOMANIA』。
そのイントロはなんと公式PV第一弾の冒頭に流れていたものである。この曲は「MEGALOMANIA」「魔王オディオ」「届かぬ翼」の一部フレーズが入り交じったもので、ラスボス戦としては荘厳だがどこか悲壮感を醸し出している曲調である。
そして、戦闘フィールドの背景には、各時代のオディオ達の顔が浮かんでいる。
MEGALOMANIAは「誇大妄想狂」という意味であるが、GIGALOMANIAの方は造語。公式のインタビューでは、「MEGALOMANIAのさらに次」という要望が出されたと明かされている。MEGAをオリジナル版とすれば、それを超えるGIGAの存在で、sinの名前通り、真なる憎しみ=魔王ということだろうか。
戦闘
このバトルでは、本体であるSinオディオと両腕を構成するオディオアームを相手にすることになる。
Sinオディオの攻撃はどれも広範囲かつ強力なものばかりであり、特に厄介なのが本体が放つ「憤怒の絶叫」という攻撃。この攻撃はダメージ自体は低いが範囲がフィールド全域の回避不可能な攻撃かつランダムで状態異常付与となっており、攻撃を喰らったらすぐに回復すべし。(※)
そして、HPを500以下まで減らすとイベントが発生し「呪縛の圧」を発動。なんと、主人公メンバーが強制的に戦闘不能にされてしまう。この戦闘不能はHP0のそれとはことなり、プレイヤーが任意に治療することができない。
ポゴ「あ…」
おぼろ丸「む…無念…」
心山拳師範(レイ・クウゴ)「ごめんよ…ジジイ…」
心山拳師範(サモ・ハッカ)「お師匠…さん…」
心山拳師範(ユン・ジョウ)「お師匠…様…」
サンダウン「クッ…」
高原「ここ…まで…か…」
アキラ「ちき…しょう…」
キューブ(起動音は弱々しくなり、そして停止する)
そして、最終編で編成していなかったメンバー3人が現れ、第2形態へ移行する。
ポゴ「あい~~ッ!!」
おぼろ丸「明けぬ夜はない…!」
心山拳師範(レイ・クウゴ)「ジジイ、ユン、サモ…見てなよ!」
心山拳師範(サモ・ハッカ)「お師匠さん、ユン、レイ…オラたちに力を!」
心山拳師範(ユン・ジョウ)「お師匠様、レイさん、サモさん!今こそ僕達に力を!」
サンダウン「守って…みせるさ!」
高原「最強は…俺達だ!」
アキラ「無理を通してみせるッ!!」
キューブ(仲間たちを守るような、勇ましい起動音が聞こえる。)
編成してないメンバーを育てていないと、直前の7連戦もそうだが苦戦するので注意。
この辺りになるとSinオディオの胸部に囚われた彼が、輪郭がかろうじてわかる形で飲み込まれていく。
再びHPを500以下まで減らすと、メンバーにかかっていた呪縛が解除され、最初で最後の7人フルメンバーによる第3戦に突入する。
但し、この際には、回復や補助の技は使えない。例えば、キューブのハイスピードオペやアップグレードは使えないようになっている。また、ここでは攻撃を仕掛けずに「パス」しても場面が進行する。
この時、パーティ一覧を開くと7人全員が表示されるが…何故か一つ空欄がある事が判明する。
「…!」
「おまえ…たちは…」
「私…は…?」
攻撃を続けると、憎しみから解放されるようにオルステッドとしての意志を取り戻し始め、殆ど心臓部に飲み込まれていた彼がどんどん露出し始める。
この時、出現して初めてSinオディオが言葉を口にする。
我は…オディオ…
我は…死なぬ…
憎しみは…消えぬ…!!
…その声はオルステッドと全く同じ声だった。オルステッドはやはり魔王そのものになってしまったのか…?
そして、再び「呪縛の圧」を放ち主人公メンバー全員が魔王の前に倒れてしまう………ついに世界中から集まった強大な憎悪の力に7人にはこの罪のオディオの暴虐を止める術がついに無くなった。
……もはや全滅かと思われたその時であった。
「私…は…!」
なんと、自我を取り戻したオルステッドが自力でSinオディオの肉体から脱出し、地に落下した。そして解けぬ「呪縛の圧」により立ち上がれなくなった7人達を目の当たりにした中、たった一人でSinオディオとの戦闘に突入。
言ってみればかつて信じていたルクレチアの人間達に裏切られ、失望し、憎しみに、魔王の幻想に堕ちた彼が逆に今度は自身の本来の自我と意思・使命を思い出して、憎しみたる象徴のオディオ達に対して反旗を翻したようなもの。彼は既に魔王オディオなどではなく、8人目の主人公として本来の姿で最後の役割を担う時が来たのである。
この時、戦闘中のインフォメーションでパーティ一覧を見るとオルステッドが8人目として入っている。
本来ありえなかったはずのオルステッドと魔王オディオの対決の構図が現実世界の時代を越えて28年目に再誕したライブアライブに起きたのである。最後の最後にして、オルステッドは本当の意味でプレイヤーの元に戻ってきた。
リメイク版パッケージイラストには本来は最後の敵・魔王となる運命の彼が他の主人公と共に描かれていたのも…PVで8人目の主人公として紹介されていたのもまた、伏線であったのだろう。
オルステッドはSinオディオと対峙したその時、手にする剣の切っ先を迷わず魔王に向けた。
ここにきて初めてオルステッドが他の主人公たち同様にオディオの名を冠する魔王を討ち果たす形になる。
オルステッドのオディオに放った最初にして最後の一撃が魔王を一閃したその時、魔王は断末魔の叫びを上げ瘴気として霧散し消滅した。
思い出した…私は……
その後のエンディングはオリジナル版に準じたものだが、カメラワークがオルステッド側に立ったものになっており、これはオリジナル版とは逆の視点となる。これだけでもプレイヤーが受ける印象はかなり違ってくるのではないだろうか?
この時、オリジナル版では壊れた像の前に立っていた主人公達が、リメイク版ではオルステッドと向き合いながら会話を交わす事になり、感慨深いシーンとなる(主人公によってはオルステッドに歩み寄り、慰める、または胸ぐらを掴んで説教する)。
関連タグ
ライブアライブ 魔王オディオ ラスボス
最終編 憎しみ オルステッド
サルーイン、バイアス・ヴラド:リメイク版にて更なる形態が用意されたRPGのラスボス。特に前者の追加形態は、特定の条件を満たした場合にのみ登場するため、RPG全体で見ても屈指の強敵となっている。
プロビデンス・ヤミノヒトミ:本体・二つの手が共通するラスボス。ちなみに前者が一番Sinオディオに近く、邪神でありある人物の絶望と憎しみを糧にしていた巨悪である。
シュロウガ・シン…sin(罪)の名前を持つ強化形態。
闇の帝王:グレートマジンガーのラスボス。こちらもSinオディオ同様に炎のような怪物である為、オマージュ元ではないかと思われる。
余談
Sinオディオとの決戦BGM「GIGALOMANIA」はおそらく造語である。これまでのボス曲「MEGALOMANIA」は誇大妄想という意味で、自身がまるで全能であるとか支配者であるとかの妄想を持ち信じこんでいる様を指す言葉。「MEGA」よりも上の「GIGA」として「超誇大妄想」としたニュアンスだと思われる。
そしてライブアライブはSFC版は16メガビット、リメイク版は5ギガバイトというソフトの容量だったりするのでそれをネタにした可能性もある。
リメイク前の作品において、キーボードでアルファベットでORSTEDとかな入力モードとして打ち込むと『らすとかいし』となる事が一部で語られていたが、時田氏によると全くの偶然であり意図したものではないと語っているほか、 このリメイク版においては「Oersted」というスペルが当てられた他、ゲーム上でも新たな役割が与えられ明確に否定された形である。
オリジナル版と異なるのは7人が7体のオディオ達を蹴散らすとそれぞれの石像が破壊される点である。おそらくこれがSinオディオの権現のトリガーになっていたと思われる。
なお、真エンドを迎えた後にはタイトル画面にも変化が……?
時田氏によれば、このSinオディオに連なる一連の流れはサプライズとして入れたという。
(※)さらに余談
Sinオディオとの最終決戦は上記のようにまさにクライマックスに相応しい燃える展開で、設定的にもピュアオディオをも超える最強の魔王として演出されているが半分以上はイベントバトルのような扱いとなっており、実際に戦ってみると前のオディオフェイス~ピュアオディオよりかなり弱い。
その理由として、
- ピュアオディオのHPは2032だがSinオディオは1600しかない。しかもイベント発生の関係で実際はもっと低い。
- オディオアームのHPも600とオディオアイより低く、大抵は1、2発攻撃を集中して当てればすぐに倒せてしまう。
- そもそもピュアオディオ戦は前哨戦も含めればマウス(1440)アイ×2(800×2)と、総合HPは5000を超えるが、sinオディオは本体のみに集中すれば良いので実際に減らすべきHPは1/3もない。
- アームも含めてHPが低いのにピュアオディオよりも防御や回避が低く、さらに本体の速度も遅いので攻撃頻度が低い。アームを倒すと余計に遅さが目立つ。
- ピュアオディオには一切の耐性や弱点がないが、Sinオディオには弱点があるのでそこを突けば簡単に大ダメージを与えられる。
- アームの攻撃は範囲は広めだが全体的にやや控えめな性能で、威力が低く厄介な特殊効果もない。
- 本体の攻撃もピュアオディオよりは性能が控えめで、アームの存在ありきなものになっており、アームがなくなると極端に弱体化する。アームの喪失を補うようなパターンの変化もない。
- 近距離技の「憤怒の息吹」は正面にしか攻撃できず射程が短い。当たっても特に厄介な特殊効果もない。
- 最強技の「憎悪の波動」も正面しか攻撃できない上に溜めが長く、ダメージもそこまで大きくない。
- 回復技の「憎しみの連鎖」は回復量が微々たるもので、プレイヤー側の火力に対抗できず、そもそもプレイヤーに被害がない。
- 最も厄介とされる全体技の「憤怒の絶叫」はダメージ自体が大したことがないため、上記の技の範囲外に逃れていればこの技のみを誘発させられる。
- 7人同時参加のあたりでSinオディオへターゲットを向けるとこの時何故かSinオディオのHPを始めとしたステータスのインフォメーションが表示されない(この時点で完全にイベント戦闘である事がわかる)。さらに各キャラクターの技が選択後すぐに発動するようになっている(例えばアキラのホーリーイメージは発動まで時間がかかるが、この場合はすぐに発動する)。
- 通常はキャラが戦闘不能状態の時にさらにダメージを受けるとその戦闘から離脱して著しい戦力低下が起きてしまうが、Sinオディオとの戦闘ではイベントの関係でその仕様が撤廃されているので離脱を気にせず回復や攻撃ができてしまう。
といった点が挙げられる。
むしろ最終編各地に隠れ住むエリアルシリーズの装備を守るボス達の方がよっぽど苦戦するだろう。
普通にプレイし最終編各地のダンジョンを探索して最強武器を集めて各キャラの最強技を覚えるくらいに育てられれば余裕を持って勝利できる程度の強さとなっている。
最終編開始直後に仲間を集めるだけでロクに探索せずラスボス戦へと直行するくらいで少し苦戦するといったところである。
事実上の8連戦のトリを務めていることや、ピュアオディオ戦からは引き返すことができなくなるため、最後の最後で詰み要素にならないように意図的に弱く調整されていることが分かる。
ただし、Sinオディオに敗北でもハルマゲドンが発動する為、最終編は7人を少なくとも適正レベルまで育てないと「呪縛の圧」を使われるまでもなくやられる危険性もある。
結論から言うと「どこにもいなかったはずの魔王=形無き憎しみ」「依代となるものがないと権現できなかった」「オルステッドを核にしようとしていた」ところからも強大な力を持ちながらも完全な存在ではなかったとも言える。
メタな話としては、確かにSinオディオはRPGの戦闘のシステムやボスとしてはそのままの印象だと弱いが、本当のヤバさは『イベント戦闘』を逆手にとった掟破りなその能力である。7人がどんな最強技をぶつけても絶対に倒す事ができない本体、回復不可能な強制戦闘不能技を持つ事である。
そして、最凶たるSinオディオの本当の弱点は中世編の世界設定の元となったオーソドックスなRPGにあるお約束と言うべきもの…すなわち「魔王は選ばれし者(その物語の主人公)に倒される末路」だったのかもしれない。オーソドックスなRPGのお約束というべきものを中世編の最後の最後でアリシアにおいて破綻させ、絶望で勇者の心を壊し、自身を倒せる者を憎しみの力で支配し、例えオルステッドが魔王として倒されても真なる憎しみそのものはリメイク前では実質的に倒されてはいなかった。と言えるだろう。
なお、オルステッドがトドメを刺す際の技は他の7人揃いラウンド同様にどれでもいいのだが、ジャンプショットでやると丁度オルステッドが囚われていた部位に攻撃する為、トドメの演出としては結構様になるのでやってみるといいだろう。
デストレイルでトドメを刺したい場合、中世編でLv16以上まで育てて習得させておく必要がある点には要注意。
ちなみに、デストレイルは悪属性ゆえに耐性を持つSinオディオには本来ならば相性の悪い属性である。
…つまり、ハッシュの技だったコレは真の魔王には分が悪すぎるものだったと言える。
また、このSinオディオ戦はオルステッドを救うのではなく、オルステッド自身が一体何者であったか・憎しみの感情に赴くままに引き起こした過ちによる所業を思い出させ、怪物にまで変貌させる強大な憎しみに終止符を打つものだったと言えるだろう。
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