概要
暖かい海の沖合表層に暮らすマンボウの仲間。クサビ「フグ」とは言うものの、およそフグには見えない珍妙な魚(一応フグの親戚ではある)。
他のマンボウどもがいずれも2~3メートルくらいある巨大魚なのに対し、コイツは50センチから1メートル程とだいぶ小柄。
また体型こそ「マンボウ型」だが普通のマンボウより細長く、くさび形を思わせるのでこの名がついた。ただし縦に薄い体型は他の連中と同じ。
最大の特徴は口が縦に開く事。
水の抵抗を減らすための進化だと考えられ、マンボウ科どころか全ての魚のなかで唯一クサビフグだけがもつ特徴。口を閉じると唇がちょうど水を割く形になる。
そこまでして得た泳力は相当なもので、尾びれもないのにサバ科の面々に迫るスピードで水中を砲弾のごとく泳ぐ。そのためマンボウが好むクラゲよりも素早く、栄養価が高いイカなどの獲物を捕らえることができる。
外洋に適応したフグであるマンボウ科の中でも、深海魚よりの生活をするマンボウに対してクサビフグは表層を回遊する生活を選んだ種だといえる。
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アマシイラ…外洋に適応したニザダイ類