宅配便などの小口積み合せ貨物輸送とモーダルシフトををすべく2003(平成15)年に製造されたJR貨物の動力分散式貨物電車。車両の製造は日本車輌製造、川崎重工業、東芝の3社。ちなみに直流区間専用である。
現在、佐川急便が1列車貸切輸送する形で運用しており、コンテナの所有者も佐川急便となっている。なお、運行区間は東京貨物ターミナル(JR東海道本線貨物支線。東京都品川区)~安治川口(JR桜島線。大阪市此花区)間である。
2005年度鉄道友の会ブルーリボン賞受賞車両。(これは貨物車両で初の受賞となった)
編成
先頭2両と最後尾2両がユニット編成の電動車、中間の12両は2両を半永久連結したユニット編成の付随車の計16両編成となっている。また、形式につけられる記号は英字となっている。各ユニットは先頭車を除き密着連結器を採用している。(先頭車、最後尾のみ自動連結器)
電動車
シングルアーム型のパンタグラフを各電動車に1基ずつ搭載しており、専用コンテナ(長さ31ft)を1つ積載できる。VVVFインバータ制御の1C1M方式。インバータの素子にはIGBTを採用している。
Mc250
運転台つき電動車。主幹制御機は左手ワンハンドル式マスコンを採用。パンタグラフは運転台の上に1基ある。
M251
中間電動車。Mc250とユニット編成を組んでいる。パンタグラフは付随車寄り側に1基ある。
付随車
専用コンテナを2つ積載できる。
T260
東京寄り付随車
T261
大阪寄り付随車
最大運行速度
JR西日本管内では車両規定の制約により、コンテナが満載にならなかった場合は死重(単なる重り)をつんだ事業用コンテナを積載する。
表定速度は91㎞/hと高く、これは東海道本線の東京~大阪間を走破した歴代の列車で最速となった。(これまでは特急こだま号が最速記録【表定速度約85km/h】を保持していた)
余談
通常、JR貨物の機関車の所属表記は所属機関区の頭文字1~2文字の差し込み式プレートで表示しているが、M250系は電車ということで電車と同じく所属区の電報略号を車体に表示している。
ちなみにM250系は大井機関区所属であるが、車体表記は『貨東タミキク』となっている。これは電車・気動車・客車・貨車に表示される所属表記では最も長くなっている。
なお、『東タミ』の表記自体は一部のコンテナ貨車の所属表記では東京貨物ターミナル駅常駐として扱っており、『キク』(『機関区』の電報略号)をつけることで、東京貨物ターミナル駅に同居している大井機関区を表すことになった。