ベン・トー
べんとー
概要
2008年2月より刊行され、現在本編8巻+短編集2巻(5.5巻および7.5巻)が発売されている。
本編には毎巻「~~~弁当 ○○kcal」というようなサブタイトルが付いている。
2011年秋にアニメ化されたほか、コミカライズ版3作品が存在する。
内容は、半額弁当を求めてスーパーで争い合う"狼"と呼ばれる者たちの戦いを描いたバトルコメディ。
ギャグ調のパートも多いが、全体としては強い信念を持った者たちが譲れないもののために争う熱血シリアスストーリーである。しかし、その譲れないものが半額弁当だったり、戦いの場所が『おさかな天国』流れるスーパーマーケットであったりするせいで、シリアスがシリアスにならない、というタイプのコメディ。
Gガンダムに近い、といえばわかる人はわかるだろう。
作者の趣味であるSEGAネタが豊富。
びゃあああうまいいいとかイ゙ェアアアアなど、ネット系のネタも豊富。
また、作中で度々登場する「SEGAのゲーム機」「大塚製薬SOYJOY・ポカリスエット・カロリーメイト」等はメーカー公認である(よく間違えられるが、「日清どん兵衛」は公認ではない。ただし実際にはメーカーの協力を得ていることをアニメ版ネットラジオでキャストが言及している)。
ストーリー
ある日スーパーの半額弁当を手にしようとした高校生、佐藤洋は気づけば地面に倒れていた。
やがて彼は知る。
礼儀と誇りを持って半額弁当を奪い合う、"狼"と呼ばれる者たちの世界を。
登場人物
佐藤洋(さとう よう)
主人公。私立烏田高校一年生。
寮住まいで家からの仕送りによる貧乏生活を送っていたが、ひょんなことから"狼"たちの戦場に出くわし、その世界へ足を踏み入れていく。
生来の頑健な肉体と諸々の欲求にピュアな性格でメキメキと実力を伸ばしてゆくが、不本意な『変態』の二つ名が広まりつつある。提案者は二階堂。
反面、その実力を認められ『カペルスウェイト』の二つ名をある狼より贈られる。
SEGAのゲームが大好き。一方、チェスやオセロのようなテーブルゲームはサッパリ。
CV:下野紘。
槍水仙(やりずい せん)
洋と同じ烏田高校に通う二年生。HP(ハーフプライサー)同好会部長。
厚底ブーツから繰り出される華麗な足技により"狼"の中でも一目を置かれる凄腕。クールだが、優しさも持ち合わせている。
二つ名は『氷結の魔女』。
テレビゲームはサッパリだが、チェスやオセロのようなテーブルゲームは得意。
CV:伊瀬茉莉也。
白粉花(おしろい はな)
洋と同級の一年生。極度の腐女子なメガネっ娘。ガチムチ系のBL小説「筋肉刑事」(マッスルデカ)を鋭意執筆中で、洋はその行動の多くを小説のネタのモデルにされている。
洋と同じ日、同じスーパーで初めて半値印証時刻(ハーフプライスラベリングタイム)に迷い込む。
抜け目なく躱し隠れる立ち回りから洋よりも半額弁当の取得率は高いが、戦闘能力は高くないため『月桂冠』を奪取した経験はない。
CV:悠木碧。
著莪あやめ(しゃが あやめ)
洋と同い年の従姉弟。洋とは実の姉弟のようにして育つが、通うのは別の「丸富大学付属高校」。
母がイタリア人のため金髪で、グラマラスな肢体のメガネっ娘。二つ名は『湖の麗人』
洋と同じSEGA党で、そのゲームの腕前は彼を上回る。
CV:加藤英美里。
白梅梅(しらうめ うめ)
主人公・佐藤洋の同級生でかつ学級委員長。そのうえ1年生なのに生徒会長まで務める。
友人である白粉花を友人以上に溺愛しており、花とよく一緒に行動している洋を何かと目の敵にしている。几帳面で淡々としているが非常に高圧的な性格で、洋には事あるごとに理不尽過ぎる暴力と制裁を加えている。
アニメ版では彼女が登場するシーンには必ずアフリカンな専用BGMが流れる。
CV:茅野愛衣。
二階堂連(にかいどう れん)
丸富大学2年。片方の耳にピアスをつけたホスト風ファッションの青年。
庶民経済研究部に所属し《ガブリエル・ラチェット》なる組織を率いる。洋に《変態》の二つ名をつけた張本人。
アニメ版ではスズキのバンディット1200S(黒)、バンディット1250S(黒)らしきバイクが愛車。
CV:興津和幸。
金城優(かねしろ ゆう)
元ハーフプライサー部部長の烏田高校三年生。現在は退部しておりスーパーにあまり顔は出さないが、稀にスーパーに出没し、洋の成長を心待ちにしているような描写がされている。
『魔術師』(ウィザード)の二つ名を持ち、数多の"狼"の中でも『最強』と謳われる。
CV:宮野真守。
茶髪
本名不明。西区で最も二つ名に近い"狼"。洋のことを「わんこ」と呼ぶ。
烏田高校三年生。大変良い乳をしているらしい。
原作中では一度も顔がイラストとしてかかれていないが、複数の人間から美人である事が言及されている。
そのため、アニメ版では対面していても前髪で目元が隠れていたり、洋の視点を表したスケベなカメラワークでその豊かな胸元しか画面に映されない等の演出がされている。
『シーリーコート』の2つ名が囁かれるようになった後は、もっぱらそちらで名を呼ばれている。
CV中村繪里子。
石岡勇気(いしおか ゆうき)
洋の幼馴染であり、残念な友達。
木和田輝(きわだ てる)
全てが謎の人物。
用語
狼
半値印証時刻(ハーフプライスラベリングタイム)に誇りをかけ、暗黙のルールを守り半額弁当を求める者の総称。
過去の時代には「騎士」と呼ばれていた。
二つ名
力ある狼に付けられる通称。また、実力が伴わずとも外見や行動の特異度によってはそれに伴い二つ名が付けられる場合がある。
月桂冠
特別な半額弁当の事。他の弁当とは一線を画し、半額シールもスーパーそれぞれに固有のものがつけられる。
アニメ
david productionの製作で全12話が2011年秋季に放送された。
原作からの変更点は、
- 著莪あやめが割り箸を使って戦う
- 店に名前が付いている
など。
スタッフ
原作 - アサウラ(集英社スーパーダッシュ文庫刊)
イラスト - 柴乃櫂人
シリーズ構成 - ふでやすかずゆき
キャラクターデザイン - 平田雄三
総作画監督 - 平田雄三/杉本功
弁当作画監督 - 片山貴仁
プロップデザイン - 岩畑剛一/森木靖泰
美術設定 - 長澤順子
美術監督 - 海野よしみ
色彩設計 - 大西峰代
撮影監督 - 山田和弘
3Dディレクター - 平将人
編集 - 廣瀬清志
音響監督 - 明田川仁
プロデューサー - 高野貴志/兼光一博/石黒達也/梶田浩司
アニメーションプロデューサー - 笠間寿高
アニメーション制作 - david production
製作 - HP同好会
主題歌
オープニングテーマ
- 「LIVE for LIFE 〜狼たちの夜〜」
作詞:松村龍二 作曲/編曲:佐々倉有吾 歌:愛美
- 「Treasure!」(第4話のみ)
作詞:宮崎まゆ 作曲:岡本健介 編曲:山田高弘 歌:著莪あやめ(加藤英美里)
エンディングテーマ
- 「笑顔の法則」
作詞:Satomi 作曲/編曲:川崎里実 歌:槍水仙(伊瀬茉莉也)
なお、最終話ではOP曲とED曲が逆転している。
各話リスト
サブタイトルは原作ライトノベルのサブタイトルと同様のものである。
話数 | サブタイトル |
---|---|
1 | ネバれ、納豆オクラ丼ぶっかけチーズトッピング弁当 440kcal |
2 | サバの味噌煮弁当 674kcal |
3 | 大盛りチーズカツカレー 1080kcal |
4 | 豚肉生姜焼き弁当 852kcal |
5 | 北海道の鮭を使ったあら汁 326kcal |
6 | 特製ザンギ弁当 795kcal |
7 | オムっぱい弁当 752kcalとロコもっこり弁当 1100kcal |
8 | たっぷりニラハンバーグ弁当 765kcal |
9 | 西洋和風幕の内詰め合わせ重 2910kcalとほっこりおかゆ弁当 340kcal |
10 | それは昔祖母の家で食べた温かで優しい味わい。心にも体にも優しい和の料理。梅とちりめんじゃこご飯と季節の野菜たっぷりの煮物弁当 480kcal |
11 | ポカリスエット 125kcal |
12 | 国産うなぎ弁当 790kcal |
コミカライズ
現在3作品が存在する。
ベン・トー zero Road to witch
ジャンプSQ.の付録冊子「SDMPスーパーダッシュ漫画プログラム」において2011年5月~10月まで連載された。単行本全1巻。
佐藤と白粉が烏田高校に入学する1年前、高校生になったばかりの初々しい槍水を主人公とする、原作の外伝コミック。
作者は原作イラスト担当の柴乃櫂人。柴乃櫂人の漫画デビュー作となった。
ベン・トー another Ripper's night
隔月刊誌スーパーダッシュ&ゴー!にて創刊号(2011年11月)より連載されている。単行本はまだ発売されていない。「ベン・トー zero Road to witch」に引き続き、柴乃櫂人が製作。
著莪あやめが主人公。半値印証時刻に狼たちが何者かに切りつけられた上、半額弁当が消えるという事件に著莪とHP同好会が挑む。