万年竹(ゲゲゲの鬼太郎)
まんねんだけ
概要
ゲゲゲの鬼太郎シリーズに登場する竹の妖怪。
人間を竹林に迷い込ませたり、生気を吸い取る能力を持つ。
生気を吸われた人間や妖怪は竹人間に姿を変えられてしまい、万年竹の傀儡と化す。
竹人間に襲われた者も竹人間となり、街に一体でも出現してしまえば人間世界は万年竹の傀儡が増殖し続ける地獄と化してしまう。
生気を取られた者を元に戻すには、万年竹本体が埋められている土で掘り返して根元にある生気を解放する必要がある。
解説
水木大御所氏著書の妖怪辞典などの記述によれば、1万年生き長らえた竹が妖怪と化した存在で、外見は竹藪に生えている普通の竹と変わらないが、竹藪に入ってきた人間を術にかけて道に迷わす。
そして旅人が疲れ果てて眠っている所にやって来ると、枝のような手を伸ばして生気を吸い取ってしまいという恐ろしい妖怪だとされる。
ただし様々な術を行使する際は手を使うので、この手を折られることが弱点となっているという。
ちなみに竹にまつわる怪異は各地に伝わっているらしい。
原作
初出は1980年代マガジン版第1話(アニメ第3期第74話)『妖怪万年竹』より登場。
長い年月を経て妖怪化した古竹の化け物。枝で人に襲いかかる、もしくはタケノコを食べさせ、人間や妖怪の生気を奪い取り“竹人間”に変えて操る力を持つ。
またその本体は人間の使う工具はおろか、鎌鼬の刃ですらも歯が立たない程の強度を誇る。
とある富豪の屋敷工事で住処である竹藪が切り崩された事に怒り、主人である竹の精に操られて次々に潤び戸を竹人間へと変えていた。
原作や妖怪千年物語では本体は一切動くことは無く、言葉を話す事も無いが、上述した凄まじい強度の為に切り倒す事ができず、鬼太郎を追い詰める。ちなみに百年前にも暴れ回ったらしいが、その際は火で焼き払い事態を沈静化させたらしいが、現代では大火災になる危険性から実行はされなかった。
最後は鬼太郎に操っていた竹の精を突き止められ、彼女が降参した事を受け活動を停止し、根元に溜めていた今まで奪った世紀を介抱した事により、竹人間にされた人たちも元に戻る事ができた。
3期
3期では竹の精と同一の存在という設定となっており、屋敷の地下から真の姿を曝け出して暴れ回り、その硬さと多数の竹人間たちの数の暴力で鬼太郎を追い詰めるが、最後は根の部分が柔らかい事に気付いたシーサーに齧られた後に鬼太郎のオカリナ剣で唐竹割に両断されタケノコに退化した。ちなみに外観からは分かりにくいが本作では女性という設定となっている。
4期
4期では第10話「怪奇! 妖怪万年竹」に登場。本体では男性という設定となっており、親しかった少女エリが幼くして命を落とした事に嘆き悲しみ、彼女住んでいた屋敷を守る為にそこに近づく人々を竹人間へと変えていた。
最後はエリの魂が自分の傍に宿っており、100年後には彼女が生前望んでいたように、自分の近くで若竹に転生すると目玉おやじに諭され、怒りの矛先を収めて竹人間たちを介抱した。
6期
6期では第45話「真相は万年竹の藪の中」に登場。
今期では樹齢1万年を超える巨大な竹が妖怪と化した存在という設定。
声優の西村氏が、4期にてぬらりひょんを、5期にておどろおどろや百々爺を担当していたこともあって、強敵感も強い。
自身が棲んでいる竹藪の所有者である金井大吉(CV:青森伸)と心を通わせていたが、偶然、彼が左腕の痣を持つ何者かに殺害され、その遺体を埋めている現場を目撃した事を切っ掛けに人間を憎むようになり、竹藪に足を踏み入れた人々を無差別に襲撃して竹人間へと変えていた。
さらに大吉の息子の雅彦(CV:半田裕典)の妻・清美(CV:小堀友里絵)が竹藪を観光地として売り払おうとしたことに激怒し、売却に反対する雅彦と共謀して脅して追い払おうと画策していた。
しかしねずみ男に呼ばれてやって来た鬼太郎に雅彦の細工を見破られた為、竹人間に彼等を直接襲わせるという強硬手段にシフト、清美やねずみ男を竹人間へと変える。
雅彦に連れられてやって来た鬼太郎と対峙し、竹の葉を針のように成したり鋭い根を放ったりして攻撃を仕掛け、硬い体で『髪の毛針』や『リモコン下駄』を弾き返すなど、戦いを有利に進め、遂には根を鬼太郎に絡みつかせて同化しようと目論むも、逆に鬼太郎に妖気を吸い取られ、今まで奪った人間たちの生気を放出して敗北。竹人間へと変えていた人たちも無事に元に戻る事ができた。
戦いの後、先述した事件の真相となぜ人間たちを憎むようになったかについての経緯を鬼太郎たちに語るが、雅彦の「この竹藪は父の代わりに自分が守るから、もう人間を襲わないで欲しい」という彼の説得に心打たれ引き下がり、清美も土地の売却をあきらめた為、事件は無事に解決した。
「こんな竹藪、最初からどうだっていいに決まってるじゃないですか。」
6期ネタバレ注意。
「おかしいじゃないか。僕は息子だ!全部僕のものにならなきゃいけないんだ!」
「目障りな親父は死に、財産は全て僕のもの。そして…真相は文字通り、藪の中だ!!」
雅彦こそが大吉を殺害した真犯人にして、この話の全ての元凶。
事件解決後、彼の様子に違和感を覚えた鬼太郎から追及された雅彦は態度を急変させてその邪悪な本性を曝け出し、左腕の痣を見せ付けると事件の真相を語り出す。
動機はお家物事件お約束の、財産。篤志家だった大吉は生前から貧しい人々に寄付し続けていたのだが、自分の死後も残りの財産を寄付することにしており、それが元で殺されることになってしまったのだ。
そんな雅彦に罪を償ってもらいたい鬼太郎は、彼が人間として裁かれるようにするため自首を進めるが、その相手が完全に油断しきって竹藪から出る前に事件の真相をべらべらと喋った事で彼を見捨てることに(鬼太郎は彼が犯人ではないかと睨み、さりげなく万年竹に真相を伝える為に、万年竹のテリトリーである竹藪内で彼を追求した可能性もある。)。
そして雅彦は激昂した万年竹に捕まり、
竹人間に変えられながら深い竹藪の中へと引きずり込まれることで、自分の失踪の真相と共に文字通り闇に葬り去られるという因果応報ながらも非常に残酷な末路を辿ることとなる。
悲鳴をあげながら闇の中へと消えてゆくその姿を、鬼太郎と目玉おやじは冷たい目で見ているのだった。
だが、雅彦がこの凶行に及ぶまで何があったのかという詳しいことは明らかにされていない。
彼の人間としての救いようのなさが、元来のものだったのか、それとも大吉が寄付し続けていることに反発し続けている中で生成されてしまったものなのかということも…
だからといって殺人が正当化される訳では無いが、それらの真相や彼の行く末も今となっては「万年竹の藪の中」である…