概要
『緊急取調室』は、テレビ朝日系列の木曜ドラマ枠で放送されているテレビドラマシリーズ。主演は天海祐希。
失敗の全責任を負わされた刑事・真壁有希子が、左遷先の「警視庁捜査一課 緊急事案対応取調班」(通称・キントリ)で一癖も二癖もある犯人たちと対決する刑事ドラマである。S1の第1話から第5話までの話は真壁中心だったが、S1第6話以降からは他のメンバーがメインの話も登場する。基本的に一話完結だが並行して真壁の夫・匡の殉職の謎にも迫る。S2からは取調べとその対象との駆け引きや心理戦が中心の原則一話完結のストーリーとなった。
2014年、2017年、2019年、2021年に1st、2nd、3rd、4thシーズンがそれぞれ放送され、2015年、2022年にはスペシャルドラマが放送された。
2023年には「完結編」と銘打ち映画化が決定。同年6月に公開予定で、"現役内閣総理大臣への聴取"というシリーズ史上最大スケールの物語が描かれる模様。
登場人物
緊急事案対応取調班(通称・キントリ)
- 真壁有希子(演:天海祐希)
経歴:国立警察署強行犯係[ep 1]
→ 警視庁特殊犯捜査係(SIT)主任(S1第1話)
→ 緊急事案対応取調班(S1第1話 - S4)
→ 警視庁刑事部捜査第一課特殊犯捜査係(SP2)
→ 緊急事案対応取調班(SP2)〈S4でチームは解散したが、一時的に復活〉
→ 警視庁刑事部捜査第一課特殊犯捜査係(SP2)
刑事。階級は警部補。SIT在籍時に関わった事件で犯人を説得している最中に、相馬が独断的に犯人を狙撃してしまう騒動の責任を負い、犯人への交渉役をしてきた経験を買われ、梶山により現職へ抜擢される。刑事と婚姻関係にあったが、8年前に殉職により死別してしまう。その経験から殺人を許していない。
S2以降、事件解決後には捜査記録のファイルにタイトルをつけている。
取り調べに入る前など、気合いを入れる時には自らの両頬を叩く。「面白くなってきたじゃない!」が口癖である。
またS4最終回にてチームは解散となったが、SP2にて再度集まることになった。
- 梶山勝利(演:田中哲司)
経歴:緊急事案対応取調班(S1 - S4)
→ 警視庁捜査一課(SP2)
→ 緊急事案対応取調班(SP2)
管理官。階級は警視。警察組織の階級主義や、縄張り争いのしがらみに苦慮する一方、出世も目論む中間管理職。冷徹な判断力と要領の良さで出世を重ねてきた。決断力で部下を引っ張る男。
かつての戦友という理由で真壁をキントリに連れてきた。
S2からは事件の特性を鑑み、誰を取調の担当をさせるのかを決定する役目も担う。
S2の時点より妻と離婚協議中で、S3第5話時点で離婚が成立。学生時代は山岳部に所属していた。
事案をキントリに持ってきた際に「皆さん、出番です!」というのがお決まりである。
- 玉垣松夫(演:塚地武雅)
経歴:警視庁捜査支援分析センター
→ 緊急事案対応取調班(S3)
→ 警視庁サイバー犯罪対策室(S4)
→ 緊急事案対応取調班(SP2)
刑事。階級は警部補。画像解析のエキスパート。愛称は「タマちゃん」。
中田とは警視庁の将棋部で親しくしており、彼の退職に伴い欠員が出たキントリに異動する。S4時点では再び異動しているものの、キントリには暇なとき顔を出しており、そのスキルを買われて事件に関する情報収集も任されている。
- 生駒亜美(演:比嘉愛未)
経歴:警視庁警務部訟務課
→ 警視庁刑事部捜査第一課
→ 緊急事案対応取調班(SP2)
刑事。階級は巡査部長。警視庁内の女性の社会進出を願う人物で、その思考から「女ではなく女性と言え」という言動等から、有希子たちと意見が衝突する事が多い。真面目でプライドが高い性格。
- 酒井寅三(演:野間口徹)
経歴:警視庁刑事部捜査第二課
→ 警視庁刑事部捜査第一課
→ 緊急事案対応取調班(SP2)
刑事。階級は警部補。冷静でニヒルな性格だが、子供が6人いるので子供の相手は得意。
元緊急事案対応取調班(キントリ)のメンバー
- 中田善次郎(演:大杉漣)
経歴:緊急事案対応取調班(S1 - S2)
→ 退職(S3)
刑事。階級は警部。少年課出身。愛称は「(ホトケの)善さん」。穏やかで物腰も柔らかい。19歳年下の妻がいる[ep 6]。学生時代は父親の事情で高校へ通うことができず定時制学校を卒業している。
犯人には誠実に対応して「情に訴えて落とす」。が、S1第6話でかつて少年課で純朴な少年だったがすっかりひねくれてしまった北原健には激怒した。
真壁には異動当初から好意的に接していた。
S3では警察官を退職しているが、彼の意志は他のキントリメンバーにも引き継がれている。(なお、この設定になった理由はS3放送前の2018年に大杉氏が逝去したことに伴うものである。そのため、S3では追悼テロップが出されていた。)
またS4で登場した山上の父親でもある。
- 菱本進(演:でんでん)
経歴:緊急事案対応取調班(S1 - S4)
→ 運転免許試験場免許課 主任(SP2)
刑事。階級は警部補。マル暴出身。短気で素行が悪く口も悪い。真壁を「おばはん」呼ばわりしているが、「菱やん」と呼ばれており、ボケとツッコミのような間柄となっている。愛称は「菱さん」。宮城県出身。腰痛の気がある模様。
主に小石川と組んで「おだてと脅し」を使い分けて犯人を落とす。
過去にモンタージュ捜査に参加した経験があり、犯人の似顔絵作成に長けている。拳銃の腕前も優秀。
- 小石川春夫(演:小日向文世)
経歴:警視庁捜査第二課(10年前)[ep 9]
→ 緊急事案対応取調班(S1 - S4)
→ 警察学校 教官(SP2)
刑事。階級は警部。同僚にはドライに接し、私生活では息子がいたが仕事にかまけてるあまり、会話を全くせず何も知らないまま事故で亡くなった。皮肉を言うが、真壁の実力は認めている。キントリ一の頭脳派。愛称は「春さん」。
菱本と組んで「飴と鞭」で犯人を落とす戦法が得意。
被疑者には柔らかく接するが、その間にも鋭い人間観察を行っている。
警視庁刑事部捜査第一課一係
- 渡辺鉄次(演:速水もこみち)
一係主任。階級は巡査部長(SP2では警部補に昇進)。監物と合わせて「モツナベコンビ」と呼ばれる。恐怖心や駆け引きの機微というものを持たない怪力男。上司である監物の命令ならば、どんなことでも従順に従う。
捜査第一課に異動してきた山上の教育係になる。
- 監物大二郎(演:鈴木浩介)
経歴:警視庁刑事部捜査第一課一係(S1 - S4第6話)
→ 警視庁溜池警察署刑事課(S4最終話)
→ 警視庁刑事部捜査第一課一係(SP2)
一係長。階級は警部(SP2では警部補に降格)。熱い正義感を持つ反面プライドが高く、遺体など凄惨な現場を目にすると吐き気を催したり、すぐ物に当たる度量の小さい男。爪を噛む癖がある。自分たちが検挙した犯人を横取りしていくキントリに対して敵意を抱いており、その実力は認めているものの相変わらず「俺たちはパシリじゃねぇ!」が口癖である。
ある事件で犯人を確保する際に警告なしで発砲したことが原因で異動処分を受け、キントリの面々に渡辺のことを託して去ったが、事件に関する情報提供のため再び真壁たちの前に姿を見せる。
- 山上善春(演:工藤阿須加)
経歴:警視庁警備部航空機警乗警察官(S4第1話 - 第6話)
→ 警視庁刑事部捜査第一課一係(S4第7話 - )
階級は巡査部長。中田の息子だが、幼少期に両親が離婚しているため母方の姓を名乗っており、真壁にも中田との関係をキントリのメンバーに口外しないよう念を押している。人情派で知られていた父と違い警察組織に忠実。
後に、捜査第一課に異動になる。
警視庁
- 磐城和久(演:大倉孝二)
経歴:警視庁刑事部 部長(SP1 - S3)
→ 警視庁副総監(SP2)
警視庁刑事部 部長。階級は警視監。郷原の後任。国民からの信頼が出世への基本と考え、キントリの常軌を逸した落とし方に頭を悩ますが手柄もあげるためには利用せざるを得ないとも理解している。梶山のことをライバル視しており、離婚調停の事実を知った際には嬉しそうな表情を見せるなど何かにつけて嫌味な態度をとっているが、S3で彼が行方不明になった際には捜索隊に対して必ず見つけ出すよう指示し、部下として大切に思っている一面も見せた。