「僕は行くんだ! ホーエンハイムの所に! あいつの所に…父さんの所に!!!」
注意・誘導
●原作及びアニメ二期(FA)版→エンヴィー(鋼の錬金術師) 【CV:高山みなみ】
概要
ダンテとホーエンハイムの間に生まれた息子が水銀中毒で死に、それをホーエンハイムが人体錬成で蘇らせようとした結果生まれたとされるホムンクルス。
性別は男性で、一人称は僕もしくは俺。
この性別が男性という設定はあくまでこのアニメ版のみのものである事に留意。他作品では不明もしくは無性別である。
2003年版放送当時の原作において、まだ真の姿が出ていなかったため既に判明していた変身能力以外には特別な力は持っていないが、単純な身体能力そのものがずば抜けており、素手で殴打しただけで石畳を粉々に叩き割る怪力を見せた。
原作よりもホムンクルスとして古株である為か常に飄々とした態度は大物を思わせるが、虐げられる側に立つ覚悟はないようで想定外の事態には原作以上に狼狽しがち。
苛つくとすぐに手が出る性質であり、虫を潰すように平然と一般市民を殺害する。新入りのラースはよくサンドバッグにされていた。
父に捨てられた恨みからその息子であるエルリック兄弟を強く妬んでおり、TV版最終回でエドを殺害した後、ホーエンハイムを追うため龍の姿になり門の向こうへと旅立った。
他のホムンクルスとは違って人間になりたいとは全く思っておらず、むしろ全ての人間を憎みいずれは世界を滅ぼそうと考えていた。
直接戦うシーンがほとんどないダンテに代わり戦闘面におけるラスボスという見方もできる。
正体は作中におけるホムンクルスの象徴であるウロボロスや嫉妬の悪魔のリヴァイアサンのような龍の姿。
前述の「実在人物を蘇らせようとして造ったホムンクルス」という設定とは食い違ってしまうが、これは本人が正体として表し作中の重要なファクターとなった「ホーエンハイムそっくりな顔の青年」が本編の事件の根幹と致命的に矛盾してしまっている事から、仕方なく設定を変更したものと思われる。
続編である劇場版『シャンバラを征く者』では龍の姿で登場し、エドと戦うことになるもののトゥーレ教会が空から発射したロンギヌスの槍(ただの銛砲)により捕縛され、最期はホーエンハイムに『扉』を開くための対価にされ、父と共に消滅した。
劇中では詳しく描写されていないが公式書籍によるとトゥーレ教会の拷問によって精神が崩壊しており、父の手によって引導を渡された事すら理解しているか定かでない。
ぶっちゃけると暴走したグラトニーとほとんど同じ役割と扱い。
話の通じない連中に因縁をつけられ散々痛めつけられ狂わされた挙句、数百年の妄執を果たすどころか妬み続けた弟の幸せの踏み台として、父の手で錬金術世界への片道切符にされ死亡するという、自業自得……もとい、今まで他者に向けてきた理不尽な暴虐への報いが全て返ってきたと言えるものの、己の本質への救いを得た原作に比べてあまりにも悲惨な末路を迎えた。