概要
第二次世界大戦において、1941年に北アフリカ戦線に投入されたイギリス軍の巡航戦車である。カヴェナンターという同じ巡航戦車も並行して開発されていたが、こちらは問題が多く戦線にはごくわずかしか投入されなかった。
巡航戦車の機動力でドイツ軍を驚かせたが、Mk.I当初は5人乗りであったがMk.IIからは機関銃塔が撤去されて4人乗り、Mk.IIIで主砲を強化したため3人乗りに変更され、戦車長が砲手を兼任しなくてはならなくなってしまった。
また搭載しているリバティエンジンは構造上脆弱だった上に、戦場が砂漠のため冷却の問題もつきまとった。
しかも本国で船積みする際に冷却液を入れずに自走させるという馬鹿なことをやったせいで、アフリカへ届いた時点ですでにエンジンの冷却系が傷んでいる車両も多かった。
さらに速度を向上させようと現場でリミッターを外した(故障の原因になるので禁止されていた。だが最高速度が43km/hから60km/hにまで伸びるので現場では禁令が華麗に無視された)ために余計に故障が多発し、「36時間重大な故障を起こさずに稼働すればそれは奇跡」とまで評された。
このように多くの問題点を抱えており、戦力としては不安が多い戦車であったが、装甲や火砲に改良を加えながら、北アフリカ戦線でドイツ軍と戦い続けて、最後の戦いであるチュニジア戦まで戦って勝利に導いた。「十字軍」という名称の戦車が、ドイツ軍のアラブ地方への侵攻を阻止したという、なんとも皮肉な話である。
その後、クルセーダーは後継のクロムウェルやM4シャーマンに更新された。
登場作品
テレビシリーズでは雑誌の表紙や背景などでMk.IIが登場していたが直接使用される場面はなかった。
劇場版からMk.IIIを聖グロリアーナ女学院が使用。ローズヒップ等が搭乗。ちなみに同作では『クルセイダー』表記。
ローズヒップ搭乗車は照準器が赤色に塗装されている。PS4/Switch版ゲーム「ドリームタンクマッチ」ではローズヒップ搭乗車はステータスが異なり、スピードに特化している。その為横滑りしやすく「この戦車だけ操作性がイカれている」とまで称される。
Mk.Iがトリニティ総合学園の備品及び水着版ヒフミの搭乗兵器として登場。また、不法に流通したものが敵としても登場する。
シリーズ皆勤の戦車。いずれも「クルセイダー」表記。
初代PS「コンバットチョロQ」にはMk.IIIが登場。作戦2「激震の地雷原」と作戦3「SOS!大列車強盗」に登場する。
速度性能が高めで耐久力が低い序盤の敵タンク。
PS2「新コンバットチョロQ」にはMk.IとMk.IIIが登場。Mk.Iは初期選択可能。
Mk.Iは「爆撃の閃光都市」で友軍タンクとして登場。街中にも駐留している。
Mk.IIIは「越えろ!大防衛線」で友軍タンクとして登場する。
いずれも同軸機関銃タイプ「T」カテゴリーの武装を装備でき、Mk.Iは車体機関銃タイプ「B」カテゴリーの武装も装備できる。
GBA「コンバットチョロQ アドバンス大作戦」ではMk.IとMk.IIが登場。「クルセイダー」、「クルセイダーII」名義。
「アーマードカノン」と「山岳戦闘型タンク」で再現可能。
ピンポイント攻撃に適したアーマードカノンとその名の通り山岳での戦闘に適した山岳戦闘型タンクを備えるタンクで、Mk.III巡航戦車と共に序盤の敵タンクとして多く登場する。
敵タンクとして登場する際にはMk.Iはレーザー攻撃を無効化する「Mブラックホール」、Mk.IIは遠距離攻撃武器の「Sミサイルポッド」と電撃攻撃を無効化する「サンダーロッド」を備えている。
またミッション01「はじまりの戦場」で救助対象となるクリーク王国軍の将校ブリテンも同型であり、増加装甲の「カッパーシールド」を装備している。