「ゼオン… オレは…その力で今までとは違う景色が見れるか?」
「この涙は… 知っている…」
「ガッシュが、オレの憎しみや怒りを全て受け、そして悲しみの涙を流した…」
「その時の… オレが流した涙……」
「オレが指導する」
「どうやったら強くなれるか? その『答え』が欲しいんだろ?」
概要
銀色の魔本を持つ、ゼオンのパートナーである青年。
CVは緑川光。
原作ではガッシュ陣営の仲間に加わるのだが、タイミングがクリア編という原作終盤であったため、プロフィール等は公開されていない。
公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック」でも国籍が「不明」と記されており、他の情報は特に記載されていない。
年齢も明かされていないが、26歳であるアポロはロップスが魔界に帰った経緯を清麿に説明する際、デュフォーを指して「少年」と言っていたため、少なくとも26歳よりは幾分か年下であると考えるのが自然だと思われる(アポロの年齢は作者ブログの質問コーナーにて明かされている)。
本の持ち主としての実力は非常に高く、原作が連載終了した現在でも多くのファンから作中最強クラスと評されるほどの能力を持つ。
現にゼオンと共に初登場した際には、当時のガッシュペアと互角に戦ったアポロとロップスに完勝するという鮮烈なデビューを飾った。
後にファウード編で再登場し、ゼオンとともにファウードを乗っ取り、日本の破壊を画策。
それを阻止しようとするガッシュと清麿とコントロールルームにて直接対決する(戦いで明かされた過去や、戦いを通じた心境変化等はネタバレのため後述)。
人物像
容姿
逆立った髪型が特徴の額の出るアップヘア。いくらか額に髪の毛がかかっている。
彼の異能力を表現した渦巻き状の鋭い目も特徴的だろう。感情を表に出すことは滅多になく、作中全体を通してほとんど無表情。
ちなみに作者ブログによる雷句先生の回答によれば、デュフォーの髪は天然であり、「上に逆立ってはいるが、なかなか柔らかなウェーブヘアーです」とも述べられている。
また、原作版においては両手をポケットに入れているシーンが多い。親指だけを出し、他の指をポケットに入れるという独特な(?)ポケットハンドが特徴的(癖か何かなのだろうか?)。
服装に関しては作中を通して基本的に変わらず、ボトムに裾を入れたシャツにジャケットを羽織っている(一応、原作295話では1コマだけ普段とは違う服装をしているシーンがある。おそらく夏なので上着を脱いだ、あるいは通気性の良い服に着替えたのだと思われる)。
原作やアニメ等、メディアや媒体ごとにカラーリングが異なるので、以下を参照していただきたい。
【アニメ版、一部ゲーム】 金髪・碧眼のカラーリング。服装は瞳と同じ色のシャツに白いジャケット、青いボトム。アニメは放送終了までこのカラーリングであった。 |
【原作】 銀髪。瞳の色は不明であったが、文庫本14巻背表紙にてやや薄い青と判明した。服装は、やや灰色かかった水色のジャケット・ボトム。シャツは白。このカラー登場は、LEVEL218(話数としては218話)とだいぶ遅い。 |
【一部ゲーム、一部カードゲーム】 銀髪・赤目。服装は、シャツは赤く、ジャケットは灰色、ボトムは茶色。ゲーム「うなれ!友情の電撃」やカードゲーム初登場ではこのカラーリングだった。これらは、アニメ基準へと移行していくにつれて見られなくなる。 |
性格
上述の通りほぼ無表情であり、口数も少なく常に冷徹な印象が強い。
「○○、頭が悪いな」が口癖で(○○の所に人物名や「お前」「あいつ」等の三人称が入る)、他の登場人物に対して言ったり、心の中で呟いたりしている。
とはいえ決して理由も無く愚痴を吐いたり罵倒しているわけではなく、言い方こそ棘があるものの常に的確な指摘をしており、後述の能力に頼らずとも優れた観察眼を持ち、非常に地頭が良いことが窺える描写が多々ある。
また、原作ではファウード編終了後から文字通り自らの足で世界各地を旅しており、車やバイク等の移動手段を用いている描写が無いため、基礎体力にも優れている可能性が高い。
直接戦ったアポロは「どんな恐怖がこようとゆるがない」、「心の底に強大な憎しみを隠している」と感じ取っており、ファウード編で明かされた過去は確かに生への執着を失ってもおかしくない悲惨なものであった。
とはいえ(ネタバレのため詳細は後述するが)、原作版ではファウード編終盤の戦闘を経てデュフォーの心にも変化が訪れており、クリア編では口数は少ないながらも人として変化・成長したことを示唆するシーンが描かれている。
私生活
作中では魔物との遭遇や戦闘シーンでの描写が多く、普段の生活に関しては不明な点が多い。
一応、原作167話ではアパートと思わしき建物と内装が1コマだけ映っており、アニメ版の描写も加味すると買い物帰りだと解釈して間違いないので、きちんと住居を持っていることは確定している。
就職しているのかも不明だが、「ファウード編の後に旅をして訪れた村に泊まる際、きちんとお金を払う」「クリア編ではニュースを見た後にひょっこりと清麿の家(=日本)までやって来る」等の描写や、普段の言動や服装からも金銭に困っている様子は一切見受けられないので、少なくとも金銭面に関しては余裕がある方だと思われる。
まあ彼の場合は働かずとも、アンサー・トーカーの能力を活用すれば投資やデイトレード等で時間や場所を問わず大金を稼げるに違いないが……。
また、居住地については公式から明言されていないものの、おそらくオランダである可能性が高い。
根拠としては、
- アポロペアと出会ったのがオランダであり、その際の描写も「これといった大荷物を持っていない」「ホットドッグを屋台で買っており、単に食事を摂るために外出していた最中のような印象を受ける」というものであった。
- 原作167話でデュフォーの住むアパートが映るコマには、「ヨーロッパ」というテロップが表示されている。
- 原作176話にてゼオンが風車小屋の上で記憶を探っており、風車小屋といえばアポロ達と戦った場所を彷彿させる(=国外でファウードを見たゼオンが一旦デュフォーの家の近くまで戻り、住み慣れた場所で記憶を探っていたとも読み取れる)。
- 完全版14巻の裏表紙では水色の自転車を漕ぐデュフォーが描かれている。オランダは自転車大国でもあるので、関連性があるようにも見える(電子版には裏表紙が付かないが、紙書籍版の方で確認可能)。
- ブラゴやバリー達とは違い、ゼオンとデュフォーがわざわざ世界中を巡って魔物を積極的に倒そうとしたり、強者に会いに行く等の行動を取っていた可能性は低い(=アポロと出会った際も海外へ遠出していたのではなく、近所を出歩いていただけとも解釈できる)。
等が挙げられる。
また、上記の裏表紙ではカゴの中にトウモロコシ、ピーマン、肉類、サラダ油、バゲット等が確認できるため、意外と(?)普段は自炊をする方なのかもしれない。
ちなみに自転車には「BIRGDIN BOA……」とメーカーの名前らしきものが書かれており、一部が見切れているが、おそらくこれは(現実世界で)ガッシュの完全版を出版している会社名「BIRGDIN BOARD」を指しており、小ネタだと思われる。
能力
まだアンサー・トーカーの設定が明かされていない原作9巻の時点ですら、実力者であるアポロから「危機回避における機転のよさや、相手を確実に倒す戦闘センスを持つ」と賞賛されており、並の本の持ち主とは異なる強さを持っていることが示されていた。
ファウード編終盤では(少し時間はかかるが)心の力を短時間で相当な量まで自己回復させるという芸当まで披露している。
もちろん、他の本の持ち主でもある程度の自己回復は可能だが、デュフォーはゼオンの最大呪文たるジガディラス・ウル・ザケルガを唱えている途中で心の力が尽きたにもかかわらず、すぐに次のジガディラス・ウル・ザケルガを発動できる程にまで回復させている。
そしてファウード編終盤にて彼の持つ特殊な能力が明かされるのだが、アニメと原作では能力自体が異なる。
どちらであっても過去に研究所で実験体として扱われていたことは(描写の細かさを除き)共通している。
アニメ | 超能力(仮称) | 相手の心を読む(及び相手が次に取る行動を完璧に予測する)、ファウードのコントロールルームの柱を浮かせて動かす(念動力の類?)、感情が昂った時には衝撃波を放つ等、まさしく超能力と思わしき様々な能力を披露した。 |
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原作 | アンサートーカー(答えを出す者) | あらゆる問いに対する答えが浮かぶ能力。 |
尚、デュフォーは先天的にアンサー・トーカーの能力を持っているため、後天的に修得した清麿より熟練している。
アンサー・トーカーについての詳細はアンサートーカーの記事を参照(ちなみに本来であれば「アンサートーカー」ではなく「アンサー・トーカー」が正式名称である)。
過去、及び変化(ネタバレ注意!)
上述の通り、研究所にいた際の詳細、及びファウード編での顛末も原作とアニメで異なる。
アニメ→原作の順で記載した方が記事としての後味も良くなると思われるので、ここではそのような順番で解説していく。
アニメ版
アニメ版においては、そもそも研究者達がデュフォーに対して何を目的として研究や実験を行っているのかが不明瞭であり、研究所自体も岩山の上に建っている(=どう見ても極寒の地ではない)等、設定そのものが原作とは異なっている。
研究所での扱われ方も原作と大きく異なっており、口を塞がれた状態で椅子に縛られていたり、謎の液体で満たされたカプセルの中で息苦しそうにしていたりと、明確に身体を傷付けられている描写がある。
実験体と思われる死体が何人も転がっている部屋を見せつけられるシーンもあり、デュフォーの他にも既に被験者がいたという点でも原作と異なる。
また、ゼオンと出会うタイミングも研究所から脱出した後ではなく、「研究所に潜入したゼオンが研究者達を倒して扉を蹴破り、監禁されていたデュフォーを助ける」という流れとなっている。
ファウード編でのガッシュ戦においても、ガッシュや清麿の諦めない心に「恐怖」こそ抱くものの、原作における「ガッシュの涙を見て自身も涙を流す」「ゼオンの変化を感じ取る、ゼオンから別れ際に言葉をかけられる」等の変わるきっかけとなった描写が無く、残念ながら原作のような変化や成長の兆しが見受けられない顛末となってしまった。
原作版
幼い頃、デュフォーは研究者からアンサー・トーカーの能力を目をつけられ、とある場所にある研究所で少年「D」と呼ばれ、数年に渡り非人道的な研究の実験材料にされていた。
こちらに関しては、脳を調べる装置のような物を付けられているシーンはあるが、デュフォー自身が脳や身体を痛めつけられているような様子は一切無い。
また、研究者の台詞から察するに、「アンサー・トーカーの能力自体を解明したい」というよりも「アンサー・トーカーの能力を利用して、戦争で用いる様々な新兵器を効率的に開発する」といった目的の方が中心だったと思われる。
研究所では幼いデュフォーに同情し、話し相手にもなってくれていた女性研究員「ミス・グレース」もいたのだが、何年目かに殺害されてしまった(作中では死亡したと明言されていないが、研究者が「ミス・グレースはいなくなったよ。もう君と会うことはない」と暗に殺害を仄めかしており、研究者の悪質なやり口や目的を踏まえれば殺された可能性が高い)。
そうして何年も実験で成果を上げ続けた後、遂に研究所からの脱出を許可される(外部サイト等では「家族と再会することを希望に協力し続けた」と記載されている場合もあるが、デュフォーがそのような台詞を言っているシーンは一切無く、それだけがモチベーションだったと断言まではできない)。
だが脱出に必要な問題を解いた後、外に広がっていたのは街並みどころか人すら見当たらない北極の地であった。
研究者達はアンサー・トーカーの能力を危惧し、必要なデータを獲得し用済みとなった後は、北極の研究所ごと爆破する予定だったのだ。
しかも絶望的な状況に追い打ちをかけるように、研究者からモニター越しに、
「そう… 最後に教えてあげよう」
「君のお母さんだがね、彼女はお金欲しさに君を我々に売ったんだよ。1万ドルというはした金でね」
「死ぬ前に君の最大の謎が解けたね」
「おめでとう… 『D』…」
と告げられ、壮絶な笑みと共に涙を流す。
すぐさま研究所も爆発し、凍死が避けられない状況に陥ったものの、直後に魔界から北極に降り立ったと思われるゼオンと出会い、北極を脱出(原作28巻の扉絵にて、ゼオンのマントに乗って北極を飛び立つ様子が描かれている)。
このように悲劇的な体験をしたためか、自分の命にも執着を失ってしまった。
なお、それまでの出来事やこの時の事は彼の中で決して消えない憎しみの獄焔として今もなお燃え続けている(現にロップス戦ではアポロから胸中の強烈な憎しみについて指摘されるだけで状況を顧みずジガディラスを撃ち込もうとする程の逆鱗となっている)。
また、上述の短時間で心の力を回復させる能力は、この時の憎しみを想起する事で行なっている。通常であれば自身の心の傷を自分で抉り出すに等しい行いだが、超人的な精神力で繰り返し行なっている。
そしてファウードのコントロールルームにて本格戦闘した際には、ゼオンの最強呪文『ジガディラス・ウル・ザケルガ』とガッシュの『バオウ・ザケルガ』の二度目の打ち合いの際、自分の憎しみを受けて悲しんだガッシュに対し、無意識のうちに涙を流す。
結果として自分から心の力を注ぐのを止めてしまう形となるが、この時ゼオンも制御されたバオウに対し負けを認めていた事で術の打ち合いに負け、マントで庇われるも、ゼオンの本に火が付いてしまう。
魔界に帰る直前のゼオンから「お前の流した涙の答えを探せ」と「生きてほしい」という趣旨の言葉を受け取り、デュフォーも了承。
その後、コントロールキーが壊れて暴走するファウードからガッシュ達が手早く脱出できるよう機器を操作して助け、ファウードが無事に魔界へ帰った後はゼオンに言われた涙の答えを探すため旅に出た。
1か月後、旅の途中で偶然訪れたアフリカの村に一泊。
その際に、難病を患った子どもが死ぬ事を嘆き悲しむ村人達の泣き声が安眠妨害だった為、「子供が治れば泣き声も無くなる」と考え、必要な材料を教えた上で自ら処置を施し、病気の子どもを助けた。
翌朝には子どもの安否も確認せず、まだ日も昇らない内から次の村へ向かおうとするが、「あの子の病気が治った」と感激しながら追いかけてきた村人に呼び止められる。
村人との会話の中で、「ゼオンという昔の知り合いとの約束だから生きているだけだ」と答えたところ、村人からも「私とも約束してほしい!! あんたは生きなきゃいかん! 死んではならん!!」と告げられる。
「なぜだ?」と問うデュフォーに対し、「あんたはあの子に、我ら村の者達に、愛を与えた」と真っ直ぐな目で返す村人。
「愛なんかない。ただ治しただけだ」と無表情で告げるデュフォーに対しても、
「だが、あの子は愛を感じている。村の者達も、お前のやったことに愛を感じている」
「生きて、また村に来てくれ」
「私はまだまだお礼を言いたい。何度でも… 何度でも!!」
と、涙を流しながら述べる村人。その涙を見て、かつてガッシュと自身が流した涙を思い出していたところ、村人は「見ろ… お前は… あれだ!!」と遠くを指し示す。
そこにあったのは、今まさに昇り始めたばかりの、温もりに満ちた光を放つ朝日であった。
朝日の光を浴びたデュフォーは、
「そうか… そうか…」
「オレはあいつらに… 愛を受けていた…」
「ありがとう… ガッシュ…」
「そしてオレの家族、ゼオン…」
と、作中で初めて感謝の言葉を口にし、ガッシュ戦以来の涙を流すのであった。
その後は原作30巻で再登場。
クリアとの戦いを報道で見たらしく、突如清麿の家に来て、ガッシュ、ティオ、キャンチョメ、ウマゴン、ブラゴ並びにそのパートナーたちが強くなる方法を教え、指導する役割を担う。
このとき頭部(脳の数ヶ所)を指で刺激して感受性を鋭くしたり、各々に指導の概要を説明。その後も清麿が驚くほど熱心に練習メニューの考案や指導へ取り組んだ。
清麿からこれほどまでに協力してくれる理由を聞かれた際も、「魔界にいるゼオンを死なせたくないから」と答えており、確かな変化を清麿も感じ取っていた。
クリアとの戦いが終わった後は、作中で初めての爽やかな笑みを浮かべ、また一人旅に出た。
別れ際に清麿も「デュフォーはきっと、これからの人生を楽しめると思う」と感じ取っており、魔物の戦いやゼオンとの出会いを経て確かに変わったことが示されている。
そして原作最終話でも、ゼオンから届いた手紙を手に笑顔で空を見上げている。
関連タグ
金色のガッシュ!! 金色のガッシュベル!! アンサートーカー
ゼオンとデュフォーペアの、ファン内での呼称。
2人の魔本が銀色であることから。
高嶺清麿(彼と同じアンサー・トーカー)