概要
Ver2.4(2022/1/5)で実装された稲妻西部・海祇島の地下に広がる大空洞。
定義の上では稲妻国の一部であるが、テイワットとは独立した単独マップとして扱われる。
しかも、以前登場した金リンゴ群島とは違い、期間限定でない常設の大型マップとなっている。
元々は遥か昔、原生生物に怯えながらも棄民達が細々と生きていた隠れ里。
魔神戦争に敗れテイワットの外「闇の外海」に逃げ延びていた魔神オロバシは、深海で出会った彼らとの交流の末に庇護者となることを選び、最終的には「闇の外海」で得た力をなげうって今の海祇島を作り上げ、民を光ある地へと導いたという。
なお、民が地上に出る際にあえてこの地に捨て置かれ、淵下宮という場所もろとも封印された歴史や知識も多く、彼らの子孫で地上で最も多くの情報を残す珊瑚宮関係者の間でも、淵下宮の具体的な情報は大して伝わっていないという。
Ver.2.5「薄櫻が綻ぶ時」の予告PVでは、何か非常事態が起きるようだが……?
独自システム
「白夜」と「常夜」
海の底にある淵下宮には陽の光は届かず、昼夜の区別がない。そのため特殊な装置を太陽の代わりとしており、この装置を起動する権限を手に入れると、装置の端末がある場所で「白夜(昼)」と「常夜(夜)」を切り替える事が出来るようになる。
淵下宮の仕掛けは基本的に「白夜」か「常夜」のどちらかで起動状態(あるいは操作可能状態)になるように出来ており、必要に応じて切り替えていくことで探索を進めていく。
鍵紋
特定の場所の封印を解除するのに必要なアイテム。「失われし神の瞳」のように近づくとミニマップに表示される。
全部で5種類存在し、場所によっては複数の鍵紋を使わないと封鎖を解除できず、また、この封印もほとんどが「白夜」か「常夜」のどちらかでしか操作どころかまともに視認する事すらできない(操作不能の時は揺らぐ光が見えるだけ)ため、昼夜の切り替えはこちらでも重要な要素となっている。
罪影
「常夜」状態の時のみ現れるおぼろげな人影。人間でも幽霊でもなく「ある人物が淵下宮で過ごした最後の日」の記憶や人格がこの地の特異な性質によって再現された分身のようなもの。意思疎通も可能で一部の者は旅人たちに依頼を出してきたりもする。
元となった人物の時代もその後もそれぞれで、希望を胸に地上に旅立った者、何らかの事故に巻き込まれた者、かつての歪んだ国政の犠牲となった者など、話を聞くだけでもこの地の歴史を色々と知ることができる。
注意点
- 転落注意
淵下宮の後半部分は、宙に浮かぶ大小さまざまな島から構成されている。島の外に落ちてしまうと、秘境などと同様にHPや元素エネルギーを減らされてリスタートとなってしまう。風の翼をうまく使って島や途切れ途切れになっている足場をつたっての移動が多くなるので転落には注意しよう。どうしても落ちそうになったら、ワープによる避難も手。
その一方で、一見すると断崖絶壁と思いきや、下に宝箱のある足場があったりすることも。
- 宝箱について
単独マップではあるが稲妻領内扱いのため、宝箱を探知できるアイテム「雷のトレジャーコンパス」が使用可能となっている。以前に追加されたドラゴンスパインがモンド領内なのに何故かコンパスが使用不可だったので、こっちも使えないと早合点しないように。
ただし、宝箱が普通に置いてあることは少なく、仕掛けを解いたり、周囲の敵を一掃するまで封印状態のものがほとんど。数は非常に多いので、雷の印入手のためにもなるべく多く入手したい。
- エネミーレベル
もちろん、ヒルチャールを始めとしたフィールドエネミーもいる。
しかし、層岩巨淵と並び、どの地域よりも(ver3.4時点で最新の地域であるスメール北西部の砂漠よりも)エネミーのレベルが高い。原則としてその世界ランクでの上限レベルのエネミーがうろついている。舐めてかかってはいけない。
- 限定イベント「三界道饗祭」
Ver2.5の期間限定イベント「三界道饗祭」では、闇に包まれた淵下宮を探索していくのだが、実はこのイベントのマップは通常の淵下宮とは別マップ扱いであり、イベントの途中でもワープで通常の淵下宮に行くことができてしまう。淵下宮でやり残したことがあったり、イベントにちょっと疲れて気分転換したい時などにはいつもの淵下宮に立寄るのもいかがだろうか?
その他
- モチーフは古代ギリシャ・ローマ。探索で分かる当時の人々や施設の名前もそれに準ずるが、放棄直前は地上との交流もそこそこにあったようで、鳴神式と呼ばれる稲妻準拠の名前も残されている。
- 土地としての性質上、七天神像が存在しない。ただし地図をアンロックできる場所はあるのでご安心を。
- 地上ではとうに失われた、テイワットという世界の根幹を考察できる情報があちこちに散りばめられている。情報を集め考察してみるのも面白いかもしれない。
- 千年単位の昔に放棄された地であるはずなのだが、今でもそこら中に爪痕をつけて回っている大冒険家と思しき名前が彼の地の書物には残されている。他人の空似か、それとも……。(もっとも、件の人物は人間より長命な種族であることがイベントで明言されているため、同一人物であっても説明が付くことは付くが)
- 時々奈落をマンタに似た浮遊エイが回遊しており、エイに触れると元素エネルギーを3回もらえるが、その後はダッシュでプレイヤーから離れるため、エイの背に乗りたいと夢を抱くプレイヤーは奈落の底に落ちないように。
地上に上がってからの歴史
- 海祇島(当時はオロバシ島)が出現した時点ですでに稲妻の領土であったが、海祇島は稲妻から、それが領地であることが認められ稲妻との文化交流が行われ非常に友好的であった。
- だが二千年ほど前に、海祇島(当時はオロバシ島)は不可侵条約を一方的に反故し稲妻へ侵略を開始するも、そこでオロバシは敗死し、海祇の民は永遠に勢力を失う事になる。
- この背景には島の特性上豊かな暮らしが望めない民の不満を抑えつけることが限界に近く、オロバシが民意を呑まざるを得なかったという表の事情と、オロバシが淵下宮を訪れた時に世に出てはならない「今の姿となる前の世界の知識」を知ってしまい、天理の処刑対象としていずれ死なねばならない運命を負ったがため、(敢えて負け戦と知りつつも、自身が死んでも後はどうにかなるだけの準備を整えて)自身の死に場所として侵略を決意したという裏の事情がある。
- つまりオロバシは淵下宮の庇護神となった時点で遠からぬうちに死ぬ覚悟を決めていたという事になるのである。
- この背景には島の特性上豊かな暮らしが望めない民の不満を抑えつけることが限界に近く、オロバシが民意を呑まざるを得なかったという表の事情と、オロバシが淵下宮を訪れた時に世に出てはならない「今の姿となる前の世界の知識」を知ってしまい、天理の処刑対象としていずれ死なねばならない運命を負ったがため、(敢えて負け戦と知りつつも、自身が死んでも後はどうにかなるだけの準備を整えて)自身の死に場所として侵略を決意したという裏の事情がある。
- だがそんな事情は幕府には関係がなく、ただ侵略されただけの被害者で幕府側は多大な被害と雷電将軍の愛将の笹百合を失う結果になった。それでも向こうの庇護神を討った負い目もあったため、庇護にいれつつも自治権も認めオロバシを祀ることを許した。
- しかしオロバシを殺された海祇島の民は稲妻幕府と決定的な不仲となる。以降、眞や影が海祇島に対して冷遇的な処置をしたことはないが、島は代々敗戦の逆恨みを継承しながら、宗教上の違いなどから二千年の間政治の成否関係なしに軍事による抵抗運動を神無塚、ヤシオリ島で度々起こしてきた。
- 海祇島にあった鳴神分社も跡形も無く破壊したが、逆にオロバシを奉る「曚雲神社」も珊瑚宮に移しており、元あった社は維持できなくなって朽ち果てている。
- つまるところ、海祇島、抵抗軍の大多数の兵士は、オロバシの献身と覚悟を忘れ、雷神の慈悲深さと公平さを蔑ろにし、目の前の「分かりやすい敵」を生活苦への怒りを発散するサンドバッグにしたがっているだけに過ぎず、しかもその身勝手な部分を雷神への盲目的な恨みで正当化してしまっている、という危うい状態にある(もちろん、ゴローのような正しい意味での義心に満ちた者も居るが、それを抵抗軍の全てと見るのもまた早計である)。
- 実際、劇中において極僅かの対象者にしか関係がなく、稲妻の情勢に何ら影響のない目狩り令に海祇島が干渉しなければならない理由は皆無であり、わざわざ抵抗軍がそれを口実に戦争を行う事を疑問視する声も上がっている。目狩り令の被害者や反対者を受け入れた理由に「雷神相手に戦う大義名分が出来るから」がある事は想像に難くなく、実際に海祇島の住民には目狩り令と関係なく戦争を続けるべき、とまで発言する者がいる程。
- 抵抗軍が戦争を起こしたことにより、数えきれない程の人が犠牲になり、更にファデュイが本格介入する隙が生まれヤシオリ島に侵攻した際に抵抗軍に潜伏したファデュイのスパイに唆され抵抗軍兵士の工作により緋木村が壊滅、住人の大半が惨たらしい結末を迎え、たたら炉は破壊寸前、ヤシオリ島は崩壊間際と更なる混乱が起きるという最悪の事態が起こる。
- そもそもが海祇島が二千年前から逆恨みのよる抵抗を今に至るまで行っていたためファデュイが介入する土壌はとっくの昔から出来上がっていた。
- 目狩り令を巡る戦争終了後は指導者の珊瑚宮心海を筆頭に「争う理由がなくなった以上、変わらなければならない」と和平に向けて動いているのだが、過激派はその意向に従わず、ファデュイと手を結んでまで和平会談を御破算にし戦争を継続させようとする始末。なお、この反乱は心海の機転によって未遂に終わっている。
- 更にはその後も一部の住民が密輸や脱税に手を染める事態がしばらく続いた。この事態は幕府と海祇島の双方に偏見がない鹿野院平蔵の機転により、合法的に解決する手筈を整えることができたが、そもそも腹を割って話ができれば問題すら起こらなかったであろう事も明らかになり、海祇島の心理的な壁の厚さを改めて浮き彫りにした。平蔵の策が住民の心にまで届き、対等な目線で語り合えるようになるにはまだしばらく時間がかかりそうである。
- このように、
- 「かつて生存競争に敗れた神(の残滓)やその信者の末裔が、現代でもなお勝者側を恨み嫉み害そうとする」
- 「知れば納得するはずの"その時何があったか"という情報に限って、何者かの意図で隠蔽・歪曲されている」
- という問題はテイワット全土で見られるもので、ある人物が語る「この世界の淀み」の一つなのかもしれない。