概要
ワールドトレードセンター(以下「WTC」)は、ニューヨークにある巨大商業センター。
ツインタワーを中核とした旧WTCとその後に再建された新WTCについて記述する。
※旧WTCで起きたテロ事件の詳細は外部リンクや9.11の記事を参照。
旧WTC
オフィスビルやホテルといった大小7つのビル群によって構成されていた巨大商業センター。日本では「世界貿易センタービル」の名でも知られた。設計は日系人のミノル・ヤマサキ氏。
中心施設である110階建ての超高層ビル・ツインタワーが特に有名で北タワー(1WTC)と南タワー(2WTC)に分かれており、北タワーの最長部は528m。2001年9月11日のテロで崩壊するまで、ニューヨークで最も高いビルだった。
WTCが建設される以前の敷地には1920年代頃から「ラジオ・ロウ」という電気部品を扱う電気街があったが、1950年代末にロウアー・マンハッタンの再開発を行うこととなり、WTCがそのメインプロジェクトとなった。1966年に起工式が行われ、1972年に北タワー、1973年に南タワーがそれぞれ完成した。
同じニューヨークにあるエンパイアステートビルを抜いて世界一高いビルとなったものの、その期間は短くWTCの開業と同じ1973年に完成したシカゴのシアーズタワー(現ウィリスタワー)にその座をあっけなく奪われている。
当初はツインタワーの威圧感から評価は不評で、テナントもあまり入らず空室が目立ったが、1980年代には米国のみならず世界経済を担う存在となり、最盛期にはビル全体で5万人が勤務。
上層部には展望台やレストランを併設。一日で20万人もの来訪者が訪れるランドマークとなり、ニューヨークを舞台にした映画やドラマに必ずと言っていいほど登場するシンボルであった。
新WTC
テロから1年後の2002年に瓦礫の撤去と遺体の捜索が終了。跡地は「グランド・ゼロ(爆心地)」と呼ばれるようになった。新WTCの再建に向けたコンペが行われ、最終的にポーランド系アメリカ人のダニエル・リベスキンド氏の案が選ばれた。名称も以前と同じく「ワールドトレードセンター」となった。
旧WTCの中核であったツインタワー跡の敷地は慰霊の広場やテロ事件に関する国立記念館となり、それ以外の敷地に新たな超高層ビルや地下鉄駅などが再建されている。
2012年には建設中の1WTC(通称フリーダムタワー)の高さがエンパイアステートビルを抜いてニューヨークで最も高いビルとなり、2014年に西半球で最も高い541.3mで完成した。
当初は2010年代に再建を終えるはずであったが、テロ犠牲者の遺骨が発見されて工事を中断することが度々あっただけでなく、大幅な計画の変更やリーマンショックや新型コロナウイルス感染拡大などの影響も重なり遅延しており、テロから20年以上経った現在も工事が続いている。
全敷地の完成はビル建設も含めると2028年の予定。以前と同じく1〜7の数字を冠するビル群で構成される。そのうちの1つ、4WTCは日本人建築家の槇文彦氏が設計に携わっている。
余談
- 日本一高い電波塔である東京スカイツリーは634m。ツインタワーの方が少し低いものの、スカイツリーが二本並んでいるようなものであり、その存在感は圧倒的であった。セミツインタワー構造とも言える東京都庁(第一本庁舎)が半分以下の243.4mなので、その威容が想像できるだろうか。
- 2006年にはツインタワーの崩落から生還した警察官を題材にしたノンフィクション映画「ワールド・トレード・センター」が公開されている。
- 過去にはブラックビスケッツがMVをニューヨークで撮影、背景にツインタワーが映り込むだけでなく南タワー屋上で踊る貴重な姿を見ることが出来る。
関連タグ
東武ワールドスクウェア…崩壊前のツインタワーのミニチュアがある。