概要
古代王仮面ライダーオーズによって破壊された10年後の世界における火野映司。
「復活のコアメダル序章」では仮面ライダーオーズとしてカザリらグリード達の攻撃からレジスタンス達を守っていた。
復活のコアメダル本編開始直前、古代オーズと直接対決に臨むが、その圧倒的な力の前に成すすべなく敗北。その際に偶然居合わせていた少女を古代オーズの攻撃から庇い生死不明となってしまう。
しかし、アンク復活の際にまるで何かを感じたかのように突如アンクの前に出現。
アンクとの再会を喜び、本編と同じようなやり取りを見せていたが、アンクは映司の中にとあるコアメダルが潜んでいることに気づく。
さらに、自分の生命よりも他人の生命を気にするはずの映司が少女の安否に何の興味も示さなかったり、オーズに変身した際の戦闘スタイルが明らかに映司の戦闘スタイルと異なるなど、いくつかの違和感が生じていたが……
ネタバレ注意
「復活のコアメダル」世界における火野映司は、古代王仮面ライダーオーズとの戦闘時に既に致命傷を負っており、その身体は映司の欲望によって生み出された新たなグリード、ゴーダが憑依された状態だったのである。
そのため映司の意識は全くと言っていいほどなく、アンクや比奈が再会したと思っていた映司は、そのゴーダが映司の人格を演じているに過ぎなかったのだ。
映司の肉体を操り、思うままにオーズの力を振るうゴーダはついに800年前の王すらも倒し、すべてのコアメダルを手に仮面ライダーゴーダとなってアンクと対立。
その際、アンクを危機から救うために意識を表出させてゴーダの行動を妨害。その直後にゴーダ自ら邪魔だとして映司を切り離したためゴーダの支配から脱することには成功する。
しかしその身体はゴーダによって延命されていただけで命は残りわずかであり、映司自身もそれを悟っていた。物語冒頭の唐突なアンクの復活は、そんな映司の死に間際の「願い」によって引き起こされたものだったのだ。
映司の最後の意志を汲み、アンクは映司の身体でタジャドルコンボエタニティに変身。ゴーダとの最後の戦いに臨む。
ゴーダを撃破した後、映司は残り少なくなった生命を燃やし尽くし、自分が助けた少女が生き残っていたことを知って安堵しながら
「やっと届いたんだ……俺の手が……」
と遺言を残して、仲間たちに見守られ息を引き取った。
そして映司の墓標として、彼を象徴するアイテムである明日のパンツが掲げられた。
余談
『序章』において「アンクを復活させる方法がわかった」と語っていたが、最後までその方法は最後まで不明なままであった。(本編では出所不明のタカメダル、トラメダル、バッタメダルを使用して変身している)
とあるシーンでは、アンクが「楽して助かる命はない」と映司がよく言っていたと語っているのだが、実はTV本編においてその台詞を発したのは1話のみである。
ライナーノートによるとこの結末に関してはプロデューサーである武部直美氏の意向によるものが大きかったらしく、脚本担当の毛利亘宏氏も「アンクを復活させる条件を満たす大きな代償として導かれた結末であり、深すぎる「業」を背負った映司が幸せな結末を迎えられないと思い、1人の少女を救うことが出来なかったという無念の思いから逃げずに、その事実と向き合って生きてきた映司自らの一番の願いを叶えたところで死んでいく、という悲しい結末にならざるを得なかった。」とコメントした一方で、「ただし、映司はアンクを自らの命と引き換えに生かして、永遠に近い命を持っているアンクの記憶の中で、ずっと生き続けている、というふうに捉えてもいいんじゃないかな。」ともコメントしている。
また、アンクが映司から分離する際に、映司の方からアンクを「押し出す」のは、アンクは自らが映司に憑依することで泉信吾のように生命力を取り戻すと思っていたが、映司は自らの死期を悟っていたため、アンクを分離させた、という演出で付けられたものらしい。
関連タグ
湊ミハル:『MEGAMAX』で出会った後輩。奇しくも映司と同様に人造メダルに肉体を乗っ取られて後日談(こちらはジオウ世界線)で戦死してしまった。