紅葉山テル
もみじやまてる
性格
ヒーロー名が表す通り、極度の照れ屋。テルの羞恥心の克服、精神的な成長が今作の核である。
大きな声を出すこと、目立つことが苦手で、特に初期は登壇して話すだけで嘔吐を催すほど。他人との会話も得意とは言えず、コミュニケーションで墓穴を掘ることが少なからずある。「インドアなキャラクター、略してインキャ」とは本人の弁。
ただ、相手に何か提案されると断れないところがあり、他人との交流はなんだかんだで多い。
同時に、目の前に困った人がいると後先考えず体が動いてしまうタチで、一度挫折してヒーローを辞めかけていた際も火災現場を前にして復帰を決めたし、一人苦しんでいた小石川イコに助け船を出したのもテルの方からであった。
シャイに転心してからは自己犠牲とも言うべき献身性を発揮。それでいて敵に対しても憎しみの目を向けない純粋さと、相手の優しさを見抜く力を持ち合わせており、不可能とも思える状況で敵との和解を成し遂げている。
素顔
たんぽぽ第一中学に通う中学二年生。クラスは2-4。
頭はくせのある黒髪、顔には黒縁眼鏡をかけた、いかにも地味な学生という風貌。クラスでは目立つ方ではないが、学校の内外にいる変わり者との短編エピソードが描かれることもある。
普段はインドアな生活を送っているものの、外出用のオシャレな服装がないわけではない様子。
趣味はホラー映画の鑑賞。第10巻で日本文化の祭典『ジャパン・エキシビション』に参加した際はホラー系のコスプレに目を輝かせていた。
かつてメイ(明)という非常に仲睦まじい姉がいたが、数年前に"人助け"のために他界している。
祖父はメイの葬儀に参列した際、姉の死に納得できないと嘆き悲しむテルに「誰かのために生きた人間は、誰かの心に生き続ける」と言って諭した。この言葉は後にヒーロー活動を続けるテルの支えになっている。
現在は両親と暮らしているようだが、一度も作中に登場しておらず、テルがヒーロー活動をしていることも知らない。
ヒーロー「シャイ」
作中世界で日本を守るヒーロー。
本編開始の時点では活動を始めて間もない状態だったため、市民からの人気も信頼も薄く、イベントにゲストとして呼ばれてもほとんどの客から誰だお前扱い。人命救助に失敗してイコに重症を負わせてしまった際は、心無い市民からバッシングを浴びた。
だが実績を重ねるうちに市民からも徐々に支持を獲得。特に第5巻から第9巻にかけて描かれた「東京奪還編」ではチームリーダーを任されたことで、作戦終了後はマスコミの取材に囲まれた。
容姿
転心後は、本人の性格に反してレオタードを思わせる大胆な姿となり、他国のヒーローとしても露出度が高い。
ボディスーツ、フード、アイマスク、長手袋、ニーハイブーツまで全身を白(アクセントとして黒)で統一。髪も転心後は白くなる。
能力
- 炎を操る力
シャイが持つ「心の力」。体の奥から湧き上がる勇気(あるいは羞恥心)を燃やして炎の力に変える。
第1話の時点で通気口からジェット噴射をするという形で片鱗を見せていたが、第2巻でスターダストから出された試練を乗り越えて本格的に覚醒した。
- 風を操る力
「東京奪還編」の後、天王寺昧から託された心遺物とシャイの転心輪が一体化したことで生まれた新たな力。風を操り、大自然と意思疎通をする。
自然と命を愛した昧の想いに呼応するように発現。海上に渦を生み、クジラを宙に浮かせるほどの力がある。
こちらは転心前の状態でも、心遺物を指輪として着けることで使うことができる。
- シャドウ・ガール
テルが簡易型転心装置『ソウルシフト』と昧の心遺物の力を借りて"変装"した仮の姿。
「東京奪還編」の後、シャイがアマラリルクから集中的に狙われるようになったことで、シャイの転心輪の力が制限され、代わりに六輝星が日本でのヒーロー活動とテルの護衛を行うようになる。しかし、いてもたってもいられなかったテルは忍者のような姿に変装し、別人に成りすますことで少しでもヒーローに助力しようと考えたのだった。……考えたはいいが、ソウルシフトをつけたまま、よりにもよってソウルシフトの作者であるパルスの前に現れたため、一瞬でバレてしまった。
素の状態でも旋風を起こす、マフラーを使って相手の口をふさぐ、といった忍術のような技が使えるが、ピンチに陥った際には心遺物に祈ることで、転心輪なしでのシャイへの転心を実現。普段の衣装とは細かな違いがあり、なんちゃって忍法と称して「風分身の術」を披露した。
- 創転心
第18巻でテルが自分の心と向き合った結果、転心した「創転心」の姿。
その姿は先代ヒーローのシャインそっくりで、髪もシャインと同様のロングヘアとなる。
圧倒的な光の力で闇を照らし、相手の心の「こわい」に寄り添う。能力もさることながら精神的にも目覚ましい成長を遂げ、クァバラ=クァバラ相手に引けを取らない堂々とした戦いを見せた。