概要
Nintendo Switchのゲーム『星のカービィディスカバリー』のテーマソング。
ゲームにおける星のカービィシリーズにおいて初の主題歌。
歌自体は外伝作スーパーカービィハンターズにてエンディングテーマとして「グリーンツリーメモリーズ from 星のカービィ」があるが、星のカービィシリーズ本編にて歌付きのテーマはこれが初である。
ゲーム内で初めて聞けるのは最初のステージ「はじまりの地」のラスト。
くるまほおばりのターボダッシュによる体当りで跳ね橋を落とし、その衝撃で偶然近くにあったラジオプレイヤーが起動。
この歌が流れ出しこれをBGMにカービィは新世界を駆けるという所謂オープニングムービーが始まる。
(体験版では丸々カットされている)
歌:NEICHEL
作詞:熊崎信也
作曲:池上正
歌詞
さぁ準備は できたかい?
見えたよ NEW WORLD
そこはフシギな 夢の国なのさ 遊ぼう
泣いて笑って お腹いっぱいほおばり おひるね
だれも邪魔できない キミだけのFIELD
あの空も 全部キャンバスさ
走れ
ハート色の クルマ乗り込み
風よ
きらめく草原をなで ようこそ! NEW WORLD
※ここから下はエンディングの部分(2番)です
目を閉じ 感じた
海鳴り NEW WORLD
モヤモヤしても おいしいモノあれば ゴキゲン
止まらない気持ち ドキドキのトビラ くぐって
心配しないでと キミとならFREEDOM
脱いだ服 波がさらって
笑おう
隣にはいつも ボクがいるよ
だれもが
それぞれの愛を胸に ようこそ! NEW WORLD
走れ
ハート色の クルマ乗りこみ
風よ
きらめく草原をなで ようこそ
ときめくハートはもう 自由さ
それぞれの愛を胸に Wow Oh Oh!
NEW WORLD
制作秘話
熊崎氏の中には本作の世界観が決まる前、もっと言えば『Sカビハン』時代から既に主題歌を導入する案があったため、「グリーンツリーメモリーズ」はカービィと歌の親和性を確かめる目的としての布石として制作された。
従来よりも特徴的な世界観を演出するために「過去の世界で流行していた歌」という設定にすることで、「この世界にもかつて娯楽があった」と感じてもらえるものにした。池上氏も「異世界の言語で、その世界の人気歌手が歌う」というコンセプトで作曲している。
しかし『星のカービィ30周年記念ミュージックフェス』によると違和感なくゲーム内に組み込むのには苦戦したようで、池上氏は使用シーンを知らず、ディレクターの神山達哉氏は歌の存在自体を知らなかった。
そこで「起動するとすぐに本編が始まる」という構成を逆手に取り、「これから冒険が始まる」というタイミングまで取っておくことに。ムービー中におけるくるまほおばりと曲のインパクトを両立させるために「カービィが跳ね橋にぶつかる」というアクションを起点としたのだが、制作時間の余裕がなかったところをアートディレクターのファーマン・力氏がムービーをたった1人で作るという力技で間に合わせた。
余談
曲は字幕が日本語(英語)翻訳付きだが、歌自体は新世界の言語となっている。これにより海外のユーザーでも、「本作の舞台は未知なる世界」と感じられるように演出している。
なお、翻訳文の下の原語はアルファベットに対応できるが、いくつかの原語の内容が、日本語訳と差異が見られる。
例えば、「あの空も 全部キャンバスさ」は原語を翻訳すると「THE SKY'S OPENED UP, AND THERE'S SO MUCH TO SEE.(空が開けて 見るものがたくさんある)」となり、
「風よ」は「FRESH SPRING BREEZE(「SPRING BREEZE」はスーパーデラックスの「はるかぜとともに」の海外名)」となる。
このように原語の意味を理解すると、日本語訳がどことなく空耳っぽく演出されている事がわかる(そもそも、新世界の言語がわからないカービィが、そう聞こえているのだという演出だと考えられる)。
歴代カービィシリーズのテーマ曲と同じく、本作では様々な場所でアレンジ曲が流れている。
2022年8月11日に開催された星のカービィ30周年記念ミュージックフェスに於いてNEICHELが出演し、本人による生歌唱に加えカービィの声優である大本眞基子とのデュエットでの日本語バージョンが披露された。
関連タグ
※ここから先、主題歌の真相に関する考察とちょっとした星のカービィディスカバリーのネタバレがあるので注意。
こうかいしませんね?
上記の通りこの歌は新世界に存在したラジオプレイヤーから流れている。
つまり単なるこの作品のテーマソングというだけでなく、作中世界に実在する歌であると考えられる。
その事とかつてこの世界にいた住民が捕獲したID-F86を研究して入手したワープ技術で手狭になったこの世界から旅立ったという事実から考えると、この歌の存在意義と意味について1つの答えが出る。
即ち「狭くて古くなったこの世界からまだ見ぬ新しい世界へ行こう!」という思想を推奨する、一種のプロパガンダの歌であるという事。
無論あくまで作中の情報からの推測に過ぎないが…少なくとも公式サイトやPVでも言われ、カービィにとっては間違いなく「新世界」である冒険の舞台は、元々住んでいた人々にとっては狭さを感じた事で見限り(大きな忘れ物やその片割れにアニマル達諸共)忘れ去った「旧世界」なのだ。
「新世界への夢と希望」がテーマのこの曲ではあるが、カービィの視点では「新世界をこれから探索するワクワクな気分」なのに対し、新世界人からすれば「新しい技術を手に入れたことで、『旧世界』たるこの世界を忘れて次の星に旅立つ」という解釈もできてしまう。
実際に熊崎氏はインタビューにて、「歌詞も読み解けばちゃんとこのゲームの世界に合ったメッセージになるように作詞している」とコメントしている辺りほぼ確信犯である。
余談だがどこで見つけて拾ってきたのか、EDではカービィの家に同型のラジオプレイヤーがありやはりこの歌を流す。
また町かどワドワイブに最後までおひねりを入れて(合計3000コインスター必要)全BGMを解放すると、最後にボーナストラックとしてオフボーカルの本曲が聞ける。
なお、新世界語はアルファベットに翻訳可能だが翻訳した内容は海外版の歌詞と同じである。
以下、海外版の歌詞兼新世界語の歌詞をアルファベットに翻訳したものである。
Strange horizon. Ready to go.
Feast your eyes on a new world!
A new dreamland. A place where you'll laugh and smile.
Along the way, stuff belly and nap awhile.
No one can hold you back. New field full of mystery.
The sky's opened up, and there's so much to see.
Running wild!
Just let your heart take the wheel and show you the way.
Fresh spring breeze!
Adventure is awaiting you in fields of a new world!
Strange emotion. What do you feel?
The roaring ocean of a new world!
Don't we afraid. Face your fears-you'll hunger for more.
The tension builds; Plunger ahead on this thrlling tour.
Think of the friends you've made. All of them living free.
Their cares have been washed away by a wild sea.
Laughing loud!
Even if you're far apart, they're right by your side.
Hearts full of love!
Everyone is welcome to live in this new world.
Running wild!
Just let your heart take the wheel and show you the way.
Fresh spring breeze!
Adventure is awaiting you in fields of a-
Open hearts already fluttering free and riding the breeze.
Nothing but love to share with everyone we know whoa!
New world