—————世界はきれいだった。
きみと出会う前よりも、ずっと。
概要
ポケモンSVの1周年記念に公開されたオリジナル短編小説。著者は武田綾乃。
略称は「きみ雨」
冊子版はポケモンセンターでしか入手できないが、webサイトで無料で閲覧可能。
ゲームに登場するライバルキャラ・ネモを主人公に、彼女の視点で原作のチャンピオンロードを基にした物語が展開される。
あらすじ
パルデア地方のオレンジアカデミーの生徒会長であるネモは、近所に引っ越してきた転入生の少女・アンナを学校まで案内することに。出会ってすぐのポケモン勝負で、ネモはアンナの瞳の奥にきらめくものを見る。実力派作家・武田綾乃が独自の視点で描く、ネモとアンナの二人の「宝探し」の物語。
登場キャラ
- ネモ
本作はゲームで主人公と彼女が遭遇するタイミングにフォーカスして構築されており、
セルクルタウン(一つ目のジム)→コサジタウン(初バトル)→ハッコウシティ(三つ目のジム)→チャンプルタウン(五つ目のジム)→チャンピオン戦後(テーブルシティ)
のタイミングで物語が展開していく。
- アンナ(女主人公)
最初に選んだポケモンはホゲータ。
元々はガラル在住だったらしい描写がなされており、パルデアには引っ越して来たばかり。
他のルートや図鑑埋め、ピクニックやグルメなどを楽しみつつも、ポケモンリーグチャンピオンになることを第一目標に据えるバトル好きなキャラ付けになっている。
コサジタウン、ハッコウシティのシーンで登場。
ジムチャレンジ配信シーンのみの登場。
メインの二人以外で唯一バトルシーンを貰っている。
ネモの電話の相手としてのみの登場。
タイアップ曲『Biri-Biri』
当作を原案に制作されたYOASOBIによるインスパイアソング。MVでは小説の内容に加え、ネモとアンナの日常などが描かれている。
余談
第2章のバトルシーンにおいて「ゲンガーはどく・ゴーストタイプであるため、ニャローテのくさ技は効果がいまひとつ。そのためネモは、最大打点となるあく技のかみつくを指示した」という記載がある。が、
- 「バチンウニと交換した」「性格はさみしがり」との記載がある通り、このゲンガーはゲーム本編においてハッコウシティでNPCと交換できる個体と同一。件のシーンではゲンガー、ニャローテは共にテラスタルしているのだが、NPCと交換できるゲンガーのテラスタイプはゴーストで固定。チャンプルジムを未突破なので宝食堂も利用できない。
- ゲームであればテラスタルはターン開始時の発動まで互いに使用の有無も変化するタイプも判らないが、本作はリアル寄りの描写のためテラスタルの発動を終えてから技の指示に移っている。このため、変化後のタイプを認識できるだろう間が存在した。
- それこそゲームであれば「どくかゴーストのどちらかになると踏んで安定打となるかみつくを撃った」で納得もいっただろうが。
といった点から、「テラスタルしたゲンガーにくさ技は等倍で通る」(その後、かみつくを撃ち終えた直後に特に解説無く「タネばくだん」「エナジーボール」を普通に指示している)、「最大打点がかみつくではない」といった突っ込みどころのある地の文になってしまっている。