概要
『ドルアーガの塔』で登場したスライムは、日本のゲーム業界のファンタジー作品における「スライム」としては最古の部類に属する(1984年発表。1986年発売の『ドラゴンクエスト』よりも古い)が、グミのような形状と艶やかな質感はこの頃から描写されている。1981年発表の『ウィザードリィ』や前述の『ドラクエ』と並んで「スライム=序盤の弱いザコキャラ」という図式をデファクトスタンダード化したという評価も多い。
『ドルアーガの塔』の世界観におけるスライムは、ドルアーガ配下の魔物の一種。
かつて意志を有した魂のなれの果てと言われており、ゼリー状の身体で動き回り、近くの物に敏感に反応して襲い掛かる。性質によって様々な色のものが存在する。本来短命の種族だが、ときおり極めて長命な個体も現れるという。
また、後の作品には、高い知識を持った魂が複数融合した、軟泥状だがスライムとは異なる魔物「ウーズ」も登場する。素早く動き、回避性が高いという特徴を持つ。
特徴
原作『ドルアーガの塔』においては、HPの概念がなく、ギルが剣で刺せば一撃で倒せる上、動きも鈍い最弱クラスのモンスターだが、それでも基本的に移動している最中のスライムを倒すことはできない。加えて『スライムという関係上、マジシャンや系やナイト系等の他の系統の敵キャラと違ってどの方向を向いているか分からない』という特定の階の宝箱を出現させるうえで厄介な特徴も備えている。
また、上位種はマジシャンが唱えるのと同じ呪文(スペル)を吐くなど、スライムという魔物が油断ならない性質を持つことはしっかりと反映されている。
スライム族の種類
グリーンスライム
体色は黄緑で1階から出現。
動きが遅く、攻撃手段は体当たりのみ。最弱のスライム。
ブラックスライム
体色は黒で2階から出現。
グリーンスライムより動きが早く活発。攻撃は体当たりのみ。
レッドスライム
体色は赤で7階より出現。
動きはグリーンスライム並だが、壁で消えるホワイトスペルを吐く。スペルは進行方向に飛ばすが、ドット絵では動く方向が予測しにくく(前述の通りスライム系はどの方向を向いていてもプレイヤー側からは向きを判断するのが困難)、倒そうとした瞬間に呪文を喰らって死ぬケースもあり油断ならない。
ブルースライム
体色は青で13階より出現。
特徴はレッドスライムと同じだが、壁を壊すブルースペルを吐くため、放置されマトック代わりに利用されることもある。
ダークグリーンスライム
体色は濃い緑で28階より出現。
特徴はレッドスライムと同じだが、壁を貫通するグリーンスペルを吐くため不意を突かれる可能性もある。
ダークイエロースライム
体色は暗黄色で43階より出現。
特徴はレッドスライムと同じだが、ホワイト・レッド(ソーサラーが放つ一定距離進むとファイアーエレメント(火柱)に変化するスペル)・ブルー・グリーンの全てのスペルをランダムで吐く。
続編、外部作品
続編・外部作品でも、スライムは基本的に最弱クラスの敵だが、色に対応した属性攻撃や呪文を使う種類もいる他、別のスライムと融合して自らを強化する作品もある。