ノエル・ベルトレ
のえるべるとれ
概要
「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」のメインヒロインの1人。
本名は「ノエル・ジル・レスピナス」。
ゲーム2作目の主人公で瞳の色は黄色。その正体はレスピナス家の生き残りである「巫女」。
転生者の妹レリアの判断ミスでバッドエンドルートへ進行中だった為、リオンが保護。
その後に聖樹の苗木の巫女に選ばれた。
聖樹の苗木と巫女の存在が300年後の王国の国益になると判断したアンジェにより、リオンとの政略結婚を行う事が決定。バルトファルト家からも受け入れられ、リオンの母リュースには「こんな娘が欲しかった」と言われるほど気に入られている。
※以下、書籍版
経歴
ある理由からラウルト家令嬢のルイーゼにしょっちゅう絡まれており、ロイクにはしつこく言い寄られるわ、妹レリアからも冷たくされるわで色々と苦労していた。当然の如く、ロイクには好意どころか嫌悪の感情を抱いており、レリアの事も気遣ってはいたが、内心では彼女の身勝手さに辟易していた。
友人のジャンと共に留学生の世話係に任命された事でリオン達と出会い、交流していく内に彼に惹かれていく様になり、リオンを守護者に選んだ聖樹の苗木に巫女として選ばれる。しかし、既にリビアやアンジェという婚約者がいた事実を知り、身を引こうとしたが、運悪く巫女に選ばれた事がロイクを通して六大貴族にバレてしまい、政治的な思惑に巻き込まれる羽目になる。リオンの助けもあって彼の元で保護されるが、その後も共和国内の問題は悪化の一途を辿り、遂にはロストアイテムであるイデアルの謀略によりクーデターが発生。
その混乱の最中、両親の仇であるアルベルク達ラウルト家と話し合いを行う機会を得るが、そこで両親が「聖樹の支配」という、国に対して裏切り同然の計画を進めていた事と、かつて母が婚約破棄したアルベルクのいるラウルト家の利用を企み、自分には何も伝えずに生前のラウルト家嫡男リオン・サラ・ラウルトとの婚約を勝手に進め、そのリオンが亡くなると掌を返すなど心無い酷い仕打ちをしていた事実を知らされる。決して良い思い出は無かったが、それでも娘として両親を信じたかったノエルは落胆する。しかし、それを気にする余裕も無く事態は急変を続け、クーデターを起こしたセルジュが魔装の力に取り込まれた直後、密かにイデアルと通じていたエミールが聖樹と一体化してレリアを襲撃し、妹を庇ったノエルは重傷を負ってしまう。
激闘の末にイデアルと彼の尖兵と化してしまったセルジュとエミールは倒れ、責任を感じてエミールに特攻を仕掛けたレリアは逆に土壇場で正気に戻ったエミールによって救われ、生還する。
しかし、ノエルはルクシオンの医療カプセルやマリエとリビアの治療でも助けられない状態で、最早絶望かと思われていたが、リオンに敗れた直後のイデアルがその様子を見て何を思ったのか、より高性能な医療カプセルの隠し場所をルクシオンに伝えて機能停止した。
かくしてノエルは辛うじて一命を取り留める事になる。
戦後、リオンとの婚約が正式に決定。リハビリも兼ねてホルファート王国のバルトファルト家へと招かれる事になる。
人物
スレンダーで手足が長く、モデル並の体型の持ち主(リオンからは「Cカップくらい」と評されるが、挿絵等ではどう見ても巨乳と言って差し支えないサイズで描かれている)。
髪の色はゴールドとピンクのグラデーションで、web版での髪型はツインテールだが、書籍版などではレリアとは逆サイドのサイドテールの髪型にしている。
1作目主人公のリビアが大人しめの外見だったのに対し、サバサバした感じのギャルと言っていい容姿の女子。勝気で元気があり、悪い相手には貴族でも喧嘩腰で対応する強気な性格だが、家庭的な人間でもあり、実際の家事スキルは相当に高い。
また、リオン側の人間にありがちなお人好しな面を持っており、自分に酷い仕打ちをしたロイクがそれを後悔し、自ら死を選ぼうとした際には必死で思いとどまる様に説得したり、対立関係にあったルイーゼが生贄にされかけた時もリオン達と共に救出に向かっている。
尚、聖女の血筋である事が知られていないリビアとは違い、「アルゼルの巫女」という出自を世間に認知されている為、リオンの婚約者の中で最も特別な存在だと見なされており、ラーシェルの様な敵対国からは優先的に身柄を狙われている。
人間関係
本来ならば存在しない双子の妹レリアの影響もあってか、1作目主人公のリビアの比では無い程に本来あるべき運命や人間関係が変貌し、複雑化してしまっている。
何の因果かリビアと同じくリオンに懸想してしまったことで事態は更にややこしくなり、ゲーム通りなら味方になる筈の攻略対象達はほぼ全員が敵側に回ってしまい、遂には殺し合いにまで発展する有様で、ロイクの様にバッドエンドルートに進むも済んでのところで回避し、何とか和解できた者もいるが、セルジュやエミール等、戦いの中で犠牲者も出る最悪の展開となってしまった。
また、レリアの存在から察する通り、彼女の運命は誕生直後から既にねじ曲がってしまっている。
当時、レスピナス家の令嬢だったノエルの母は、共和国の聖樹を身近なものと捉えており、共和国の一般認識における聖樹を絶対的な存在とする考えに共感できずにいた。管理している様に見えて、実際には貴族も巫女も聖樹の道具に過ぎないと理解していたからである。
そんな時、学園で後の夫となる平民の男性と出会う。
彼は「聖樹の加護がなくても人は生きていける」という考えから、聖樹に支配されるのではなく支配する事を計画しており、お互いに共感した2人は恋に落ち、母はアルベルクとの婚約を破棄して結婚する。
双子の娘であるノエルとレリアにも恵まれるが、一連の経緯から母は巫女の資格を失い、それ以降父は守護者以外でも聖樹を利用できる方法を模索していた。だが、研究の末に聖樹の真意と目的を知ってしまい、共和国を滅亡させる前に聖樹の破壊を決意するが、それを良しとしない他の七大貴族と聖樹を敵に回してしまい、娘達を残してレスピナス家諸共2人は謀殺されてしまった。
「両親は巫女の適性を持つ姉ノエルを一番可愛がっていた」とレリアは思い込んでいたが、実はそのレリアにも巫女の適性はあった。しかし、子供らしい性格のノエルよりも(前世の記憶を持つが故に)優秀な人間として振る舞うレリアを溺愛していた二人は、自分達の真の意志を彼女に継がせる事に決め、周囲には「レリアに適性は無い」と偽りの発表を行い、辛い立場でしか無い巫女の役をノエルに継がせ、挙句に「姉としてレリアを守れ」とまで言い聞かせる始末だった。
子供ながら両親の負の面を感じつつも愛情を欲していたノエルはそれを承諾するが、前世での半端なゲーム知識に囚われていた上に、片方の側面からでしか両親を見ていなかったレリアはこの話を聞かされるまで姉と両親、そして仇敵であるラウルト家の真意を誤解する事になり、ノエルもまた両親や周囲の愛情を独占しながらその自覚が全く無く、自分勝手な言動が絶えないレリアにわだかまりを抱いていた。
おそらく、本来のゲーム展開であれば両親はノエルに(一応は)愛情を持って接していたと思われるが、レリアというイレギュラーの影響で彼女を見限るなど冷たい毒親となってしまい、そんな二人に疑念を抱いていたノエルは母親の婚約破棄と言う前科もあって、暗殺に関しても「両親の方に非があったからでは無いか?」と常々考えており、その疑いもあって仇敵である筈のラウルト家への恨みはレリアと比べて薄く、自分に何度も絡むと同時に助け船も出すルイーゼに対しては鬱陶しく思いつつも、その真意を図りかねており、そして、母の元婚約者だったアルベルクとの対話で、ラウルト家を利用しようとした企みから出た自分とラウルト家嫡男リオン・サラ・ラウルトとの婚約話や、聖樹を支配する計画などの全ての真実を知り、自分達親子に愛憎混じった複雑な感情を抱き、ずっと苦しんでいたラウルト親子に謝罪。こうしてリビアやアンジェとは経緯は違えど、本来なら敵だった筈の相手が味方になると言う皮肉な事象が繰り返される事になったのだった。
紆余曲折を経てリオンの3人目の嫁となるが、リビアとアンジェの友人を超えた関係やどこかズレている感覚には戸惑い気味で、ポジションとしては常識人のツッコミ役に近く、リオンの兄ニックスの見合い騒動では、彼の見合い相手であるドロテアの度を越した性癖に唖然とし、特にペット発言には震えが止まらなくなる程の衝撃を受けた様子を見せ、その当たり前の反応は異様な環境に馴れてしまっていたリビアを感動させた。
リビアを快く思わなかったマリエからはその人柄を好かれて友人となっているが、彼女が1年生の時にしでかした数々の騒動の詳細を知った際には当然ながらドン引きしており、「他人の婚約者に手を出したら駄目でしょ」と至極真っ当な突っ込みを入れている。
また、リオンの母であるリュースには婚約者の中で最も話しやすい相手であり、弟のコリンからは非常に懐かれている。
余談
web版では3人目の嫁になった後は仲間やハーレムが増えた弊害で出番がアンジェ、リビア、マリエ、五馬鹿よりも減少。役割もリビアやユメリア達と被っており、どうも影が薄くなりがちだったが、書籍版で出番が多めとなり、ようやく本当の意味でメインヒロインの一人となった。
上述にある通り、本編では「Cカップくらい」とリオンが言及しているのだが、明確に巨乳美女の設定であるリビアやアンジェ、ルイーゼ程では無いものの、挿絵等ではやはり巨乳にしか見えない大きさで描かれている為、読者からはそれに関して結構な突っ込みがある。
単にリオンの目利きが違ったのか、絵の都合かは不明。