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ヅダの編集履歴

2012-09-14 05:31:48 バージョン

ヅダ

づだ

ヅダ(ZUDAH、型式番号EMS-04 or EMS-10)は、ガンダムシリーズのアニメ作品『機動戦士ガンダム MS IGLOO』に登場する架空の兵器。 ジオン公国軍のモビルスーツ(MS)である。

機体説明

宇宙世紀0071年、ミノフスキー粒子散布下の戦場での有視界での近接戦闘の有効性が明らかになったことを受けて、ジオン軍当局は連邦軍との物量差を打破しうる新兵器の開発をジオニック社、ツィマッド社、MIP社に委託した。

これに応えてツィマッド社が得意の推進装置分野の技術を活かし宇宙空間での機動性と推力を重視して設計・開発したのが「EMS-04 ヅダ」である。


宇宙世紀0075年初頭、本機はジオニック社の提出した「YMS-05 ザク」と共にジオン軍での制式採用を賭けたコンペティションに臨んだ。

格闘性能試験・飛行性能試験それぞれにおいてザクを凌駕し、軍上層部の一部からも「ヅダ勝利」の声が上がっていたが、飛行性能試験の場で空中分解事故を起こし機体を喪失、テストパイロットが死亡してしまう。

大推力、高加速、AMBACシステムを併用した急激な方向転換で機体構造に大きな負荷がかかったのが原因であり、これにより機体の強度がエンジンの加速に耐えきれないという思わぬ欠陥が露呈してしまう。

また、1機あたりの生産コストがザクの1.8倍近くに上り、国力・資源に限界のあるジオンにとってこの高コストは軽視できない問題であった。

選考の結果、コストも安く信頼性・汎用性が高いザクが正式採用・量産化が決定された。

なお、このコンペ並びに選考結果については、ジオニック社と政権の癒着や裏工作があったという説もあるが真相は定かではない。


だが、ザクの量産開始後も本機の開発中止命令は出ず、一年戦争が勃発し戦場が地上に移ってからも開発は続けられた。

オデッサ作戦の直前の10月、すでに制式採用が決定していた新型エンジンに換装し、新世代の素材、制御システムを採用した「EMS-10 ヅダ」が完成した。

この新型エンジンは通称「土星エンジン」と呼ばれ、ドム及びリック・ドムにも採用されたものである。


しかしこれは、戦況が逼迫しつつあるジオン公国が自軍や国民に対する戦意高揚および地球連邦軍に対する欺瞞、すなわちプロパガンダの為に流した情報であり、実際のEMS-10はEMS-04の外装を交換しただけで基本設計は全く変わっておらず、エンジン出力を限界まで上げると空中分解を起こす欠陥もそのまま引き継がれていた。

そもそも「土星エンジン」自体がかつてEMS-04の為に開発されたエンジンであり、新型エンジンという触れ込みそのものがプロパガンダになっている。


エンジンは背部に露出しており、バーニアノズルの向きを変えるだけで失速する事なく急激な方向転換が行えた。

また、隊長機と2・3番機、予備機は、モノアイスリットの形状などそれぞれ頭部パーツに若干違いがある。


武装はザクと共通で、ザクマシンガン、バズーカの他、ヒートホークやシュツルムファウストなどを装備することができる。また、シールドには打突用のピックが付いている。

このほか、専用の武装として135ミリ対艦ライフルがあり、バズーカよりもさらに銃身を長くして破壊力を高めた対艦船用の装備である。

劇中での活躍

「一年戦争秘録」第3話で初登場。専属のジャン・リュック・デュバル少佐ら数人のテストパイロットと共にヨーツンヘイムに4機が配備され、試験が行われることとなったが、テスト中に一機が空中分解を起こし、これにより試験は中止される。

しかし、その直後、ジオンの陸上部隊が宇宙へ脱出。この回収・救援を命じられた603試験隊は、予備機も含めた3機のヅダを出撃させる。作戦は成功し、戦力の回収には成功したが、この戦闘で隊長機は連邦のジムを救援エリアから引き離すため敵機を挑発して陽動、フル加速での機動戦闘を行い、最終的に空中分解を起こしてパイロットのデュバル少佐とともに失われた。最後までその加速力をいかんなく発揮し、連邦の兵士をして「化け物か」と言わしめる程であった。

この戦闘ののち、残った2機のヅダはそのままヨーツンヘイムに護衛機として配備され、実質上の廃棄処分扱いとなった。


時間軸では続編となる「黙示録0079」第3話では、ア・バオア・クー陥落の際、味方の撤退を援護するため2機が出撃する。連邦の物量にもひるむことなくジムとボール軍団相手に奮戦し、片腕を失うなどの損傷を負いながらも帰還・脱出している。

ゲームなど

ガンダムアサルトサヴァイヴ

作中のオリジナル機体ほぼ全てと共に参戦。このゲームではヅダのみ機体操作に特殊な設定があり、ブーストゲージが無くなってもブースト移動し続けられる代わりに、その間機体耐久力がどんどん減っていくという、原作を再現したものとなっている。機体性能そのものはザクより少し上程度であるが、機動性に関してはザクを大きく上回っている。

機動戦士ガンダム エクストリームバーサス

プレイアブル機体としてヒルドルブと共に参戦。低コスト機体でありながら機動力に長けているのが特徴。格闘チャージ攻撃を使うと一定時間ブースト性能がかなり上がる。さらにこの状態で再度格闘チャージ攻撃を使うと、敵機に突進して爆発し、自機を撃墜扱いにする代わりに爆風で大ダメージを与える攻撃が出る。さらに、サブ武器には、ヅダを呼び出して相手に特攻させるという攻撃もある。ちなみに呼び出されるヅダは、劇中で性能テスト中に空中分解した機体らしい。

新作のフルブーストにも参戦。基本的なところは変わらないが、対艦ライフルの弾速低下など、若干の調整を受けている。覚醒技(エクストリームバースト)は「土星エンジンの真価」というもので、相手に体当たりし、そのまま拘束して急速上昇、ダメージを与えると共に、最終的に爆散するという大技。

考察

圧倒的なまでの加速性能は当時のMSの中でも群を抜いており、一説では最大推力58,700kgとされている。これはRX-78 ガンダムおよびジムの55,500kgを大きく凌駕する驚異的な数値である

前述のデュバル少佐のヅダを全速力で追いかけたジムも、結局追いつくことができず最終的に3機が空中分解を起こしていた。このことからも、ヅダのエンジンがかなり高出力であったことがうかがえる。

これを超える推力としてはゲルググの61,500kg、同等のものではリック・ドムの58,000kgがあるが、機体の性能差で考えると、ヅダの場合はやはり機体に対してエンジン性能が過剰であったと考えるのが妥当と思われる。


一部のゲームなどにおいてはザクよりも軽装甲な機体となっていることがあるが、「ゴーストファイター」の名の通り、開発記録については詳しいことは不明であり、「装甲を削って機体軽量化による高加速度を実現した結果、空中分解する欠陥を抱えた」というのも推測の域を出ない。また、劇中ではオリヴァー・マイが『EMS-10が分解する際の加速度曲線の数値はEMS-04のそれとほとんど同じだった』という趣旨の発言をしている描写があり、一部では、ヅダは機体どころかエンジンすら改良されていなかったのではないかという見方もある。


いずれにせよヅダというMSは、その性能そのものは高いながらも、最後まで時代に翻弄され続け、時代の流れの犠牲となった悲劇の機体であると言える。


関連項目

旧ザク ザクⅡ ヨルムンガンド ヒルドルブ ゼーゴック オッゴ ビグ・ラング ゲム・カモフ

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