CV:中原麻衣
「萌え萌え蕾がまぜまぜしちゃうぞ、ラブラブラブラブおいしくな〜れ☆」
概要
5期第45話『ネコ娘騒然!?妖怪メイド喫茶』に登場したゲストキャラクター。
桃色の瞳を持つ栗色のロングヘアにピンクを基調としたメイド服が特徴的な美少女だが、その正体は妖怪・古椿の一輪の花より誕生した分身体の1人。
作中の動向
本来は表向きにはメイド喫茶の店員としてメイドとの2人きりで1日デートを楽しめるサービスを利用して獲物である人間の男性を拐かし、髪の毛から放出する妖気の煙で蜂の様な姿へと変えて本体が潜む異次元へと連れ去る事を使命としている他の分身体達と違い、心優しい性格の彼女はその事に対して心を痛めていつも男性達を客として店から帰していた為、他の仲間達からは「落ちこぼれ」だと罵られ、本人も何時か本体から切り捨てられる時が来ると覚悟を決めていた様だ。
その為、当初は妖怪ポストに投函された「メイド喫茶に行った男性が帰って来ない」という手紙を受け取って事件を調査にやって来た鬼太郎は当初、事件の調査ありきで自身を古椿の元へと案内させようと彼女とのデートを決行するものの、最後まで鬼太郎を連れて行こうとはせずむしろ心の底からデートを楽しんでいた為、彼女が本当に邪悪な存在なのかと疑問を抱いていた。
なお、蕾としての自我を持ち合わせているが、飽くまでも古椿の分身体である為なのか、やろうと思えば本人の意思とは無関係に本体からの遠隔操作(マインドコントロール)を受けて操られてしまう事もある(ただし絶対的な力ではないらしく、本人の意思が本体よりも上回っていればその効果は持続しないと思われる様な描写もある)。
鬼太郎とのデートを楽しんだ後、彼女の態度から悪い妖怪ではないと判断した鬼太郎は自分の素性と目的を彼女に打ち明けた際に上述した理由を打ち明け、「切り捨てられる前に普通の女の子としてデートを楽しみたかった」という思いを打ち明けるが、その直後に彼女を通して一連の出来事を把握した古椿のマインドコントロールを受け、強制的に一時的に支配下に置かれてしまう。
そのまま鬼太郎を異次元空間へと誘い本体の餌食にしようとするものの、その直前に間一髪自我を取り戻し、鬼太郎を元の姿に戻す。だがその代償として鬼太郎を古椿の攻撃から庇って致命傷を負い、鬼太郎に感謝の言葉を述べると彼の腕の中で息を引き取り元の花姿となって消滅。その短く儚い生涯に幕を下ろした…………。
その後、蕾をゴミの様に切り捨てた古椿に激しい怒りを覚えた鬼太郎によって古椿が撃破された後、犠牲となった彼女を思い涙した鬼太郎の流した涙に込められていた妖力が奇跡をもたらしたのか、蕾は種の姿へと生まれ変わり、鬼太郎はその種を地面に埋めると、綺麗な花を咲かせる事を願いながらその場から静に去って行くのだった。
余談
- 蕾自身は生みの親ともいえる古椿が滅ぼされれば自分も消滅する事は自覚していたかの様な描写がある事から、「どの様な結果になろうとも鬼太郎との恋は実らなかった」という見解がファンの間では言われているらしい。とは言え、例え限られた命であろうとも最後の最後まで優しさを失う事なく懸命に生きた彼女の姿は、まさしく5期鬼太郎のヒロインと言っても過言ではなく、彼女の死に涙したファンは大勢いたに違いない…。もちろん、彼女の来世を願うファンも沢山いたとかいなかったとか。
- 蕾が登場する第45話の脚本は『地獄先生ぬ~べ~』の作者・真倉翔氏が担当しており、そのため一部では「(話の)ノリが完全にぬ~べ~」と言われている。
- ぬ~べ~本編において、キャラクター性が蕾と類似した女郎蜘蛛(絡新婦)の糸美が登場する。彼女は常人には見えない赤い糸を男性の頭につなげて虜にする能力を持ち、本人はそれを友達を作る能力と解釈していた。糸美の正体を知ったぬ〜べ〜も彼女に悪意がなかったこともあり、あえて周囲には正体を伏せることにするが、彼女はその能力で瞬く間に童守小の全男子生徒のアイドルとなり、全女子生徒の怒りを買ってしまい、流石のぬ~べ~も問題視してしまう。しかし実際は男を虜にして餌食にするための能力で、完全な妖怪化を果たすための通過儀礼として人を食い殺さなければならない宿命を背負っており、友情を信じていた彼女はそれに耐えきれず、自ら死を選ぶ。糸美のその姿から既にこの世を去っていたゆきめの面影を見出したぬ~べ~は、来世は人間として生まれることを願いながら丁重に弔った。