タリクシアン(Talyxian)とは、日本産のSF世界観シェアワールド及びその原作となるウェブ漫画「ビロウス」に登場する異生物達の分類。作中内ではこのタリクシアンに属する生物を、動物も植物も含めて「タリクシアン植生(Talyxian Biome)」および「外植生」や「エイリアン・バイオーム」などと称することもある。
物語の舞台である「惑星タル」の大多数を支配する存在で、見た目も生態も異型そのもの。
主役側の分類及び人類側であるエルタス生物(サーガル、アグドナ、ネウリア、地球の生物に似た極少数の動植物)とは完全に対になる存在。
動物植物ともに地球の生物およびエルタス生物とは大きくかけ離れた摩訶不思議で不定形で難解な姿と生態を持つ。
- 動物は血の色や内臓などが灰色をしている(赤い筋肉を持つものもいるがコアは灰色)
- 目の数が地球の生き物のように綺麗なシンメトリーで二個あることは稀
- 環境によって性別が変化するものもあり、最後まで固定した性別を持っているほうがむしろ稀
- 両性具有や第三第四の性と言えるような分類不明の性別のものも多くいる
- 異なる種類同士でも生殖可能、一見全く同種に見えない種類同士でも繁殖したりする
- 植物には葉緑素が無い
- 植物の色の大半は赤系統や灰色系統
- 赤い植物はまるで内臓や筋肉に見えるグロテスクな外観をしているものが多い
- 大半が肉食植物のような生態で、動物のように動き回ったり、触手のように蠢くものも多い
- そもそも植物と動物の差が殆ど無い
動物の一部の種類は半機械のような姿をしているがちゃんと血や内臓があり、生殖や排泄なども行う、れっきとした「生物」であり、サイボーグや半メカ生命体やロボットの類ではない。
より詳しい情報は以下のページ参考推奨。
ビロウス公式wikiにおけるタリクシアンのメイン記事(日本語版)
弱点
基本的にどれもみな生命力が高く非常にしぶといため討伐は容易ではないが、全タリクシアンの共通特徴として「塩」を苦手としている。
塩をかけられると苦しむ、塩分の多い場所は避けるなどするため、エルタス人達は対タリクシアン用の防衛策として塩を頻繁に用いる。
原作本編においても塩に関する描写は頻繁に登場する(第一話においてタリクシアン植生の森の奥に踏み込んだ薬採りサーガル達の避難所となっていた「塩とりで」、第二話にて主人公のゲドの命を救う決定打となった「塩袋」など)
ちなみに、凶暴なタリクシアン生物が積極的に捕食しようとするエルタス人は地球の生物と同様な生態をしているため血液中に塩分を含んでいるため、エルタス人やエルタス生物を捕食したタリクシアンは必然的に塩分を摂取してしまうことになるのだが、
この場合体内に蓄積した塩分は「ひぞみのんぼん」と呼ばれる奇妙な黒い物体にしてから排出する。
表面はゴムのように固く分厚い黒い皮で覆われており、内部には蓄積された塩がクリスタル状に固められて入っているという。エルタス人はこれをまじないなどに使うため、排泄されたものを見つけたら内部の塩のクリスタルを取り出そうとナイフなどで皮を割りに行く。
タリクシアンに食べられても、全身の表面に塩がついていた場合、生きた状態でひぞみのんぼんの中に入れられて排泄され、一命を取り留める場合もある。
原作本編第二話でもその一部始終が描かれていたが、はたから見ると「誰かを食べたバケモノの排泄物を取りに行こうとする」という光景のためかなりシュール。
種類
「タリクシアン・〇〇」という形式の名称で様々な種類がある。
特に有名でファンアートにおいてもよく描かれるのはネコ科動物のような姿をした種類の「タリクシアン・ストーカー」で、その次に人型で二足歩行の「タリクシアン・ルーター」が有名。
これはビロウスがシェアワールド展開を開始した初期の頃に発表されたていたタリクシアン種族はこの二種がメインだったことによる。
そのためタリクシアンと聞くとタリクシアン・ストーカーかタリクシアン・ルーターのどちらかを思い浮かべる人も多い。しかし現在ではタリクシアンという存在は惑星タルの多数を占める異型動植物ほぼ全体を示すものであり、この二種に限らない。
タリクシアン植生
惑星タルの大部分を占める植物やそこに住む生物の領域。
見ての通り地球の植物とは全く異なる異型そのものな風貌をしている。
植物の共通の特徴として葉緑素が無く、赤、ピンク、紫、白、灰色、黒などのおおよそ植物と聞いて思い浮かべる色からはかけ離れた色をしている。まるで内臓や筋肉の繊維のようなグロテスクな外見をしているものも多く、内部を通る汁も血のような色をしていることが、多いため正しく「肉の木」と言えるようなものが多い。
そのような植物は実際成分的にも動物と大差が無いため、タンパク質を豊富に含んでいる。よって惑星タルでは植物を食べても肉を食べていることとほぼ変わらない。
触手状のものや、動き回るものまで様々。凶暴なものだと猛獣の如く動いて襲い掛かる、幻覚を見せて誘い込むなどして巧みにエルタス人を捕食するような脅威的で恐ろしいものも多くいる。
捕食はせずとも、一部は強い瘴気を放つものがあり、エルタス人に幻覚を見せるなどの何らかの危険な作用を催す。そのため深いタリクシアン植生の森に入る時にはガスマスクや「知覚フィルタ」なる道具などが必需品である。
無害な種類は普通の植物同様に動かないことが多く、見た目こそピンクや赤をしていて異質ではあるが、人々に栽培されていたりと身近に親しまれている。
タリクシアン・ストーカー
ネコ科の動物ような身体に無機質で堅そうな外見の頭部をしている。デザイン故によく半メカ生命体と勘違いされることが多いが、実際に機械である部分は一切無い。
極単純に「タルのネコ」という扱いをされる存在。作中のセリフで「ネコ」という単語が出てきた場合はこのタリクシアン・ストーカーのことを示している。
頭部の形状や毛の色などは個体差によって様々ある。目の数もモノアイ~複眼など様々で、アシンメトリーなことも多い。口がトレマーズのグラボイズのように4つに裂けるタイプなどもいる。
非常に頑丈で図太い身体の持ち主であるため簡単には死なない。血の色は灰色であるため、舌や内臓や生殖器なども灰色。
基本的にみんな両性具有で産まれてくるが、思春期の頃にどの性器を残しておくかを選べるため、成獣しているものにはペニスは無いものや膣のないもの、両方存在しているものなどで様々。
知能こそ高いが行動はほとんど野生動物そのものであるため文化などはなく、娯楽と言えば狩り(食事)と交尾と睡眠くらいしかない。一部は喋ることもできるが、それでもエルタス人達からは基本的に「喋る猫」の扱い。そのため、同性愛が普遍的であるなど性的傾向のバリエーションに寛容なエルタス人の文化であっても、タリクシアン・ストーカーとのそういう行為は獣姦の扱いに当たり、愛好家は変態扱いされる。
普段は野生の猫科動物同様に他の野生動物を食べるなどしているが、稀に人食いの性質を持つこともありうるため、エルタス人を捕食する人食いネコと化すものもいる。
タリクシアン・ルーター
人型の姿をしており、全員事実上の無性別。
タリクシアンの中でも特に謎めいた存在ではあるが、非常に高い知能と技術を持ち、全員が研究者の役割を持ち、大人のルーターはみんな「Dr.」が名に付く。このためか、タリクシアンの中でもエルタス人からは特別視されており、エルタス人からは漠然と「先生」と呼ばれている。
(というよりもルーターの実態はエルタス達からはほとんど公にされていないため、漠然と「なにやら凄い人達」と認識されており一目置かれている。)
基本的にタリクシアンの生態管理にだけ関わるためエルタス人の文明に干渉することはまずしないが、一部は都会で医者などをやっている人もいる。
食事は行わず、また生殖器も無く、単体で生殖することは出来ない。
精子のような遺伝子媒体そのものは持っているため全員概念的に男性ではあるが、実際には性別を超越した存在と言った方が正しい。
エルタス人との関わり
前述したように危険な種類はエルタス人を捕食する、幻覚を見せるという害を催す他、貴重なエルタス植生域を容赦なく侵食するため基本的には駆逐すべき存在。
しかし同時に惑星タルの大部分を占める生命体である関係上、エルタス人達の生活にとっても欠かせない存在でもある。
エルタス人は狩猟によって打ち取ったタリクシアン生物の肉や皮や内臓を、食用から生活必需品への加工までとありとあらゆる手段で余すことなく活用する。
比較的大人しい、無害な種類のタリクシアン生物はペットや家畜として人々に使われたり可愛がられたりもする。
互いに命を取るか取られるかの緊迫した関係の上で、なんやかんや生態系の全体として釣り合いをとりつつ絶妙に共存している。
ファンアート(二次創作)において
海外におけるビロウス世界観の人気と知名度にならって、二次創作を行うファンが主に英語圏に多く存在する。pixivなど国内でのファンアートはまだ少ないが、FurAffinityなどの海外SNS上においてはタリクシアン・ストーカーのファンアートやオリジナルキャラが多い。
ただしタリクシアンはエルタス三種族(サーガル、アグドナ、ネウリア)とは違い、不定形で異型の存在であり、基本形となるデザインテンプレートが存在しないため、公式に近いものを描くとなるとかなり難易度が高いと思われる。
二次創作に関する規約は以下のページを参照。
関連イラスト
関連タグ
ビロウス エルタス(Eltus) サーガル(sergal) アグドナ(Agudner) ネウリア(Nevrean)