概要
ファンタジー世界や過去の時代を舞台にした物語で、主人公が現代の知識、技術を利用する手法。
内政チート、産業チート、軍事チート、農業チート、交易チート等の細分化した呼び方もある。
しかし現実的に言えば、現代の知識を過去に持ち込んだとしても基礎技術が無い以上絵に描いた餅にしかならない。
例えば現代の自動車の構造を完璧に知り尽くしている技術者が過去に遡ったとして自動車を作れるかといえばNOである。鉄鉱石をどこから採掘するのか、原油をどこから採掘するのか、どうやって精製するのか、ゴムはどこから調達するのかと数々の問題が存在する。
実際『戦国自衛隊』の主人公達は補給に四苦八苦した挙句、最終的に全滅している。
全ての技術はその基となる基礎技術が存在し、更にその基礎技術にもその基となる基礎技術が存在している。単に現代知識だけ持っていたとしても何も役には立たず、石器時代に行ったのび太(「石器時代の王さまに」)のようになるのが関の山である。
一方で『紺碧の艦隊』シリーズでは、転生者が多数居た事もあり、基礎技術から積み上げる長年計画を立ててこの問題をクリアした。逆に言うと、敵に時間的猶予を与えているわけで、情報漏洩と相まって、チート度(技術格差)は少なめ。
また現代の料理をファンタジー世界に持ち込んで成功する話も良くあるが、そもそも調味料が十分でない世界にレシピだけ持ち込んでも意味がないのであり、現実的ではない。現実の世界(2000年代)で香辛料・砂糖などはほんの1、200年ほど前には極めて高価なものであり、調味料の基本と言える塩も専売制の対象であったことからうかがえる通り気安く扱えるものではなかった。
やや異なる用法としては、小説やゲームなどの物語の世界に入り込む作品において「元となる物語を既に読んでいるため、未来に起きる出来事や黒幕の裏事情等を知っている」ことを活用するのもこう呼ばれることがある。
そちらについての詳細は下記リンクを参照
現代知識チートで創られる物
現代知識チートで作られることに定評のある物。いずれも『特別な基礎技術がそれほど必要無く(マヨネーズ用の植物油程度)、専門知識の無さそうな人物(学生など)でも知っていることが不自然ではない』という共通点があり、主人公が金策に利用する展開になるのがありがちである。
他にもカスタードプリン、三勤交代制、やおい文化など定番となっているものは多数ある。ただやおいに関しては現実でもごく最近まで白眼視されていたように明らかに非現実的である。
こちらも創作上で商品化されるケースが多い。しかし「髪を濡れたままにしていることが髪に悪影響を及ぼす」という社会での共通認識がない限り売れるわけがないので、こちらも非現実的である。
こちらは「持ち込もうとして失敗する」展開が多く見られる物。それぞれ「味の好みが違う」「文化として存在しないので奇形にしか見えない」「製法の知識が曖昧で完成しない」といった理由で失敗することが多い。
味噌と醤油はマヨネーズより難易度が高いので食品会社に勤めた人物でなければまず成功しない。
- 銃火器
『異世界に存在する素材を元に魔法やスキルで創られる』といった経緯で主人公が用いる武器(完成までに試行錯誤するパターンもあれば一発で創れるパターンもある)。飛び道具としては弓矢の上位互換(種類にもよるが連射が利く)な上に、『攻撃魔法ではないため対魔法の防御策が効かない』『硬質ゴムやトチモチ弾等の非殺傷かつ相手を無力化することを前提としたオリジナルの弾丸が作れる』等独自の利点がある。
主に攻撃的な能力に恵まれなかった主人公の主力武器になる事もあれば、戦力の底上げに使われたり、金策に使われたりする。
- グルメ
『現代知識チート』により作られることに特に定評のある物。カレーライス、シュークリーム等我々の世界では至って普通の飲食物を、主人公がスキルや魔法等を介して作って(前述の調味料・レシピはどうするかの問題もスキルや魔法であっさり解決するケースもある)振る舞うことにより『異世界人達からの好感度・信頼度爆上げに大きく貢献する』という異世界ものも珍しくない。
関連タグ
口だけの賢者:オーバロードに登場する転生者。大抵の一般人が転生したら大体口だけの賢者になるのがオチである。